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厄災(ドラゴン)と人×妖精(ハーフフェアリー)  作者: どらっご
最終章「其の末は破滅か、或いは平和か」
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74・・・「禁忌よ、恐れは終わりなり」


「おう、健気に頑張ってくれたみたいだな。お疲れ様」


金色の目を光らせながらグラスミラナは言った。

なんとか全ての厄災(ドラゴン)級の能力がグラスミラナの手に渡ることは防ぐことはできたが、肝心の限界突破能力が奪られてしまった。


これにより、グラスミラナを除く全ての厄災級能力者は禁忌能力者へと戻った。


「褒美にお前達がいかに俺様の力の恩恵を受けていたか身を以て教えてやろう」


言うや否やグラスミラナの姿がかき消え、同時に旧厄災級能力者が成すすべなく吹っ飛んだ。

ただ蘭太だけは自分も限界突破の力を使っていた経験を持ちながらあまりそれに依存しないようにしていたため2撃ほどは防いだが、やはり攻撃は受けた。


力の差は圧倒的だった。グラビティの圧力ベクトルも、リーチャの隔絶も、ブクリスの召喚した武具も一切がグラスミラナに届かず、返しの攻撃は綺麗にくらっていた。

地に伏したブクリスが呻いた。


「デタラメ過ぎる…!」


「当たり前だよなぁ?神の力だからなぁ?この力は俺様に適性があるんだよぉ!」


実際に限界突破能力を解放したのは蘭太なのだが、グラスミラナはそれを棚に上げて言う。


「さて、もうお前らに用はないんだが、ちと3人くらいは始末しておきたいな。ちょうど1番闘志は残ってるし」


そう言ってグラスミラナはカルナとイクスティクス、そして蘭太を見た。

蘭太はさりげなくイクスティクスとカルナに近づき、耳打ちする。


「イクスティクス、奴の耐性を打ち消すことって今からでも出来る?」


「出来る。だが奴に触れる必要があるから何とかして奴の気を我から逸らさねばならない」


「OK理解。気を引くのは俺だけでやる」


「危険だよ!?ボクも手伝う!」


「カルナはイクスティクスがなるべく安全にかつバレないように近づけるようなサポートをお願い」


確かに、いくら蘭太がどう引き付けたとしても必ずイクスティクスが接近せねばならない。

その時に単身では失敗する確率が非常に高い。


「じゃあいくよッ!!」


蘭太は帯電しながら右手に大剣、左手に剣を持ち地面を蹴って走り、グラスミラナにまず大剣を叩きつけ、その大剣で隠すように剣の突きを入れる。

だが斬撃は腕で止められ、突きは指で受け止められてしまった。

ただの腕と指ではない。グラスミラナは自身の能力で防御部位に硬化状態を付与しているのだ。それも貫通不可の。


「見えないとでも思ったか?限界突破に死角はない」


そしてコイツ、さりげなく‟視界限界突破”を使用している。かなり厄介だ。


「それはホントに困る。死角なし、全耐性持ちはさすがに卑怯すぎると思うよ?神様がたかが人間相手にチート使うなんて、人間のこと恐れてるんじゃない?」


わざと口角をあげながら蘭太は言った。

あからさまな挑発だが、人間風情のものならこの程度でいいのだ。


「恐れ?違うな、楽に処理するための手段だ。それに1対複数なのだからこれくらい許容範囲だろう?」


…と思っていたんですがだめでした。甘かったようです。


「それを許せる奴はきっと世界滅亡も自分の死も寛大に受け入れてると思うよ」


「つまりお前らだな」


「目は大丈夫ですか?長生きしすぎて劣化してない?どこをどうみれば俺たちが死を受け入れてるとおもったんだッと!」


蘭太は剣を引き、グラスミラナに右手の大剣を回転しながら叩きつけるが当然の如く受け止められた。


「はて、劣化?人間の概念はよく分からんな。俺様衰えることがないんでね」


「そっすか!?ま神様だもんね」


挑発をしながら頑張って気を引く。今頃イクスティクスたちが動いているはず。

幸いまだ気づかれていない。実は蘭太も陰で手伝っている。


そして、時は来た。

グラスミラナは急に何かに気づいたように蘭太の大剣を振りほどき後ろを向いた。その時にはイクスティクスの手が触れていた。その手は紫色に輝いていた。


「ん!?」


すぐに弾き飛ばそうとしたグラスミラナの視界を大剣の腹が塞いだ。

その大剣をも振りほどいたグラスミラナを、今度はカルナによる腕拘束が止めた。


「こんなもので足止めした気か?」


神龍による拘束をもものの数秒で解除し、まず蘭太を吹っ飛ばし、次にイクスティクスを蹴り飛ばした。

ゴロゴロと転がされたイクスティクスはすぐにカルナに介抱され、回復された。


そこでようやくグラスミラナはカルナをじっと見た。


「そうか、貴様がいる限り倒れないというわけか。通りでしぶといわけだ。ということは貴様から殺せばいい。」


そうして狙いを定め足を踏み出したグラスミラナの肩に何かが刺さった。


「ん?」


見ると肩には矢が刺さっていた。

刺さるはずがないのだが、刺さっている。

そして自身に毒が回り出したのを認識した。


「なるほど、お前がやったのは俺様の耐性消去か」


毒矢を抜き、限界突破で解毒しながらグラスミラナは言った。耐性を危険視されていることはよくわかっていたので何かしら手は打ってくるだろうと思ってはいた。しかし。


「だが、なぜあそこまで近くに来れたのかが分からんな。視界限界突破をしていた俺様には全て見えていたはずなのだが見えなかった」


「それは俺たちの仕業だよ」


蘭太の左目の黄色部分だけがよくよく見ると光っており、全身が帯電していた。


「電気?」


「そ。あんたと打ち合う時からこの電気であんたの視覚情報伝達系に無理くり干渉してあんたの視界からイクスティクスを消してたんだ。もちろん気配でバレたら干渉不可能だけど時間稼ぎにはなるでしょ?」


「便利な道具だな、電気というのは」


「道具扱いしてる時点であんたに適性無いけどそうだよ。…で、グラスミラナ。耐性はもう消えた。あんたはもう不利だよ」


「耐性が消えた?だからなんだ?お前ら禁忌とかいう雑魚の相手なんぞいくらでも出来るぞ」


やはりグラスミラナの意思を止めることは出来ない。なら本格的に戦うしかない。

そう彼らも悟ったのだろう。龍族の遺伝子を持たない禁忌能力者が攻撃を仕掛けた。今からなら攻撃も通る。


猛攻の末、グラスミラナは無傷で何食わぬ顔をしてその場に立っていた。


確かに攻撃は通っていた。だが限界突破能力で損傷部位を瞬時に治したためまるで初めから無傷のように見えるのだ。


「なるほど。耐性がないというものはなかなか響くようだ。不幸だな」


うんうんと頷いたグラスミラナ。彼の表情に焦りというものはなかった。


「貴様らは苦しむ運命になったのだから」


グラスミラナはハナから自身が不幸な目に遭っていると思っていない。傲慢な彼にとっては“たかが耐性”、“たかが雑魚が増えただけ”、そうとしか思われていないのだ。


故にグラスミラナが禁忌能力者に向ける眼差しは、元より期待していないというものだった。


「ビビんな!!やるぞ!!」


スチールの声と共に動き出した禁忌能力者は一斉に攻撃を仕掛ける。その中には蘭太と火鉈もいた。


初めは禁忌側が押していた。全ての攻撃がグラスミラナを翻弄していた。だが、攻撃で必死になっていた彼らは気づかなかった。

グラスミラナの表情が全く歪んでいないことに。


グラスミラナは飽きたと言いたいかのように振り下ろされたブクリスの武具を手で掴んだ。


「何!?」


「ちっさい攻撃ばっかだな。その程度で戦おうなどよく考えついたものだ」


手を離すと同時に衝撃波を起こし、ブクリスごと周りのものを吹き飛ばす。


「さてと。面白みのない雑魚にはとっとと退場願いたいのだが、そういえば毒を使う奴がいたな。お前か」


「ひっ」


視線を向けられた舞は本能的な恐怖を覚えた。自分達がどれだけ足掻こうと傷1つつけることすら叶わない絶対的な力に。

だがその恐怖はグラスミラナ相手では救いようのない致命的な失態となる。


「あっ!?嬢ちゃんッ!!そいつに恐怖するんじゃグハッ!!」


舞に叫びかけたスチールがグラスミラナによってさらに吹き飛ばされ、黙らされた。

その様を見ていた舞は自分の口を動かせないでいた。


「あ…あ……」


そして視線はグラスミラナに移され、舞の目は震える。

グラスミラナは舞の前に立った後うつ伏せのままの舞を足で蹴り上げて仰向けにさせ、胴部を強く踏みつけた。それだけで舞の装甲は耐久限界を迎え、消滅。


「ぎゃあっ!!」


「久しぶりに見たな。弱者のみが見せる貴重な表情を」


わざわざ仰向けにさせたのは言うまでもなく恐怖に染まった表情を見たかったからである。


「今お前の心には何が渦巻いている?恐怖?絶望?」


「あ……あ…」


「そうだろうな。苦しいだろう?自分ではどうしようもないこの状況が。だから楽にしてやろう。麻薬のように…」


恐怖が頂点に達した舞が見たのは、右目の金色が強く輝くグラスミラナ。

そしてそれを飛び膝蹴りで蹴り飛ばす、蘭太。1番遠くまでぶっ飛ばされていたため、復帰が遅れたのだ。


「お前…!権限能力かっ!!」


着地と同時に蘭太はバルディアムを担いでグラスミラナに斬りかかっていった。


「おい!舞!大丈夫か!」


解放された舞を起こした火鉈は呼びかけた。彼も蘭太と同じ目にあっていた。

舞は口を震わせるだけで何も答えなかった。


「おい!舞!!」


「ひ…なた…」


「そうだ!俺だ!!怯えなくていい!恐れるな!」


「ごめんなさい…わたし……ーーー排除する」


「え」


本当に唐突に表情と感情が抜けた舞は突然火鉈に攻撃を仕掛けた。非変身状態にもかかわらず。


「ちょ、おい!?どうしちまったんだお前!!」


舞はもう答えなかった。ただ無感情な機械のように火鉈を攻撃し続けた。






はい、筆がなかなか進まなくて投稿頻度が遅くなり、困ったなーと思っている、どらっごです。

いやー書く時間もっと欲しい…。



今話最後に出てきたあの能力。すでにグラスミラナさん使っているので4章の終わりがけ…だったかな、そこらへんのを読み返してもらうとわかるかなと思います。

心の絆とかを平気で踏みにじる奴ですね。まさしく蘭太君達の敵にふさわしい(こじつけ?)ですね。


さて、もっと更新頻度上げれるよう頑張りますね(涙)


グラスミラナさんのせいで蘭太君たちボッコボコにされてる(主観)んですけど読んでても鬱にならないでくださいね。お願い。いつかきっと…!


ではでは、また。

頑張って書き進めるんじゃー!!

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