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厄災(ドラゴン)と人×妖精(ハーフフェアリー)  作者: どらっご
第4章「過去、兵器、そして争い」
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大晦日番外編・・・「え!今年ももう終わりですか!」

本編とは特に関係のないパラレル番外編です。

ぱっと思い当たってぱっと描いたので内容はアレですが興味があればご覧ください。

どうぞ。


この時代にも、大晦日というものはある。

そして…ついに今日に迫っていた。

そんな昼。


「ヴェ!?めっちゃ散らかってるやんけ!」


蘭太の家(といってもアパートの個室)に集まった火鉈達は唖然とし、ありえないという風に火鉈が声をあげた。

そこら中にいろんなものが転げており、埃まるけである。

きっかけは火鉈が年越し・年明けパーティをやろうと言い出したことだった。

だがみんなどうやらプライベート空間である自宅を会場にしたがらなかった。きっと恥ずかしいのだろう。かといってFG東京本部を使おうと思ったら増沢から駄目と言われてしまった。

そんなとき挙手したのが、今すんごく気まずそうな顔をする蘭太だったというわけ。


「ア、アレー…コンナチラカッテルハズジャナカッタンダケドナー……」


いたたまれないという様子の蘭太。思い切り視線を逸らしている。

その蘭太の両肩を2人、片手ずつ手を置く者が。


「君は掃除をしたことはあるか?」


「ゴミ捨て以外で」


彼方と舞である。どうにも我慢できなさげである。


「あ、えっと、その…」


『ヤバいよ…!今まで毎日窓全開にして生活してたから何も掃除なんてしてなかったなんて…言えない…!』


ぶっちゃけ、やっていない。

蘭太の生活スタイルは極めて異常である。

時期を問わずということを踏まえて、

朝→起床と同時に窓を全開。登校。(防犯?そんなもの知らん)

昼→基本いない(防犯?そんなもの知らん)

夕方→帰宅。もちろん窓は開きっぱ(防犯?知るかよ)

夜→寝る直前に窓を閉める(外の音のシャットアウトを図るため)

時期を問わず、つまり冬でもこんな生活スタイルである。大家さんに「あんた凍え死ぬよ!?」と何度も釘を刺されたが、当時の蘭太は鬱状態で「別によくね」と思っていた。


そして窓を開けっぱにしているため外の風などが出入りし、基本埃などはたまらなかった。

のだが、FGに行く時、家の窓を全て閉め、それからしばらく帰ってくることができなかった。ならば寝泊まりはどこでしていたかというと、失礼だが宿よりFGにある部屋の方が居心地が良かったので居候する形でしていた。

そしてその間、色々あって、こうなったのだろう。

すなわち、足の踏み場もない悲惨なガラクタ屋敷への変貌を。


「元よりしてないです…」


「よく生活できたな!?」


「前まではうまくやってたんです。たぶん」


改めて見ると、どうすればいいのか分からない。


「あー、まー、とりま大掃除すっか。みんなーやるぞー」


と思っていたのは蘭太だけのようだった。他のみんなは迷わず動き出し、ガラクタの処理に取り掛かる。


「おい蘭太。お前も動け」


「何すればいいの…?」


「何ってそりゃ…『大晦日の大掃除:蘭太の部屋編』だ」



ーーーーーーーーーーーー



「今年も終わりだな…早いものだ」


コト、とティーカップを置いて増沢は呟く。

珍しく部屋には誰もいない。

殆どの職員は帰省しているのだ。


「思えばあっという間だ。時というものは早い。こんな短期間で人は何か変われるとは思えなくなっているよ…私は」


ついこの間、正月を迎えたはずだった。

ついこの間、厄災(ドラゴン)級の少年がFGに加盟したはずだった。

それが気がつけばもう年の瀬である。


「さて…私はどう年を越そうかな。蕎麦か?除夜の鐘でもいいな。いや、久しぶりに家族に来てもらおうかな。この時期くらいは大丈夫だろう」


いやそこは家族の元へ帰るでしょ。と思ったかもしれないが、残念ながら増沢は職業柄ここを離れることができない。

思い付くや否や、増沢は端末を取り出す。


「…おぅお前か。もうすぐ年越しなんだが、どうだ?こっちに来てみないか?」


それからしばらく部屋には談笑の声て満たされた。



ーーーーーーーーーーーー



「ひぃいぃいいん掃除だるいよぉぉぉ」


「情けない声を出さないでください。色々と災いです」


大掃除を始めて早30分。まず掃除というものが何なのかを知らない蘭太にはだいぶ応えたようで、すぐに音を上げた。


「だらしねぇぞ。もっとシャキッとしろ。…っとそろそろかな」


「おーい!買ってきたぞー!」


玄関から声がする。剛牙だ。

彼は1つ大きな任務を行なっていた。

それすなわち掃除用具の調達である。

案の定「掃除ナニソレ美味しいの?」状態の蘭太の部屋に掃除用具などあるわけもなく、かといってなければ細かな掃除が出来ないのでわざわざ購入したのだ。


「うし、蘭太。剛牙から説明受けた上で(ほうき)で細かな埃とかを一点に集めてくれ」


「ホウキ?なんだろ、捨てるのかな?」


「馬鹿野郎、まあ行きゃわかる」


てくてくと蘭太は玄関の方へ行った。なにやら楽しそうな声が聞こえる。

そしてしばらく経った後戻ってきた蘭太は確かに箒を持っていたのだが。


「あ、予想が的中しすぎて特に驚かねぇや」


「なんで男はそう…」


火鉈は達観した様子で、舞と彼方はこめかみを抑えていた。頭が痛むのはすごく分かる。


お分かりだと思う。

「少年+長い物=○」の答えを。


「見てよこれ!剣みたいじゃんあはは!こんなのが掃除用具なんだって!まじで?!絶対振り回すものだってァぃたッばばばばば」


頭に氷を張られ、追加で感電させられて蘭太は震え、止んだ時には棒立ちしていた。


言うまでもなくルルと雷花のお仕置きである。彼女らもまた頭を抱えていた。


「蘭太…真面目に…やろ?」


「あい…」


そこからの蘭太は反省したのか手際よく掃除をこなした。



そして、掃除が終わった後各々が自分の家から物を持ち寄り、パーティの準備ができた頃にはすでに日はとっぷり沈んでいた。


「諸君!今年もついに終わりを迎える。今年とは別れを告げなければならない。今日はッ!!そのためのパーティであるッ!!」


こんなことを言っているが要は飲み食いするのである。特にこの気迫はいらないと思われる。


飲んで、食って、遊んで(程度は弁えて)、テレビを見て。

そうこうしているうちにもうすぐ0時になりかけていた。

テレビのカウントをじっとみる。


10…9…8…


「ごくり…」


誰かが唾を飲み込んだ。


3…2…1…0


「新年、あけましておめでとうございます!」


流石に深夜なので声は抑えるが、それでもおめでとうの言葉を交わす。

特に何か変わるわけでもない。だが祝いたい。それが新年というものだ。イベントというものだ。


そして、こういう他愛もないことを祝っていられるということは今日も平和だということの何よりの証拠だろう。


ひと通り祝った後。


「餅…食うか?あるにはあるぞ」


「食べ…ふわぁ」


途端。奇しくも全員の口から欠伸が出た。

皆で顔を見合わせた後、おかしくて笑う。

当たり前だが、皆疲れていたのだろう。


「寝るか」


満場一致し、皆予め用意した(女性陣と男性陣にはしっかり分けてある)布団に潜り込み、眠りについた。



その夜。


蘭太ふと目を覚ました。外の風が当たるのだ。ベランダの窓が少し開いていた。

ベランダに出ると、火鉈がいた。


「あ、悪い、起こしちまったか?」


「いや、たまたま起きただけだから大丈夫」


外の風は少し冷たく心地よかった。


「なあ蘭太」


火鉈が口を開く。


「今夜みたいなことを出来るってやっぱ平和なことなんだろうけどさ、平和って永遠に続くものなのかな」


「残念ながら永遠には続かないと思うよ」


さらりと蘭太は答える。火鉈は意外そうな顔だ。


「人ってほら動物じゃん。動物には闘争本能があるんだよ。生きるために。人も同じで、生きて、発展するには時には戦わなきゃいけないんだと思う」


「それ…お前の考えと矛盾してないか?」


「別に?…酷い言い方だけど俺は大切な人が笑って過ごせる世界ならそれでいいんだ。ぶっちゃけ世界には存続してさえもらえればいいよ。世界がどうあるかは最終的には世界が決める。俺じゃない。俺には世界を変える力なんてないから。世界中全ての人の大切な人は生憎守れないから。出来る範囲のことをするだけだよ。ただ欲張りなだけ」


「ほんとだな。欲張りで、ちょっと我儘だ」


「む…」


「思ったままを言っただけだ。けど、そういう我儘を貫く者がたまに副産物で世界を守るんだろうなって思った。昔見た特撮を思い出したよ。正義の為にとか宣いながらも、結局誰にとっての正義か聞かれたら言ってる本人らのだ。でもそれのおかげで結局世界を救うっていう一般人にとってもメリットのある結果になってる」


それらは結構蘭太と似るかもしれない。


「だがそれじゃダメなんだ。理由わかるか?」


唐突な質問に蘭太は答えられなかった。


「たまたまそいつらの我儘が今回世界を救っただけで、今度はその我儘が世界を壊す可能性だってあるからだ。要は我儘だ。側から見たら脅威でしかないんだよ。だから排除される。そういう意味ではそいつらに平和は訪れない」


火鉈はぽん、と蘭太の頭に手を置く。


「お前には俺らがいるから大丈夫だ。お前らにとっての正義が裏目に出ちまう時には俺らがブレーカーになってガツンと止めてやるよ。ま、余程のことじゃない限りしないだろうがな」


「そう?ありがと」


「残念。お前が女だったらこのシチュ最高だったのにな」


「なんだよ。何か問題?」


「いやー?こういうやりとりって女の子相手なら良かったのにお前男だからなーって」


「きもっ」


「はっ倒すぞコラ」


汚物を見るような目で蘭太は火鉈を見る。

だがこのやりとりも程度を理解し合う仲間同士だからできる。

夜のベランダに静かな談笑が聞こえる。

しばらくした後、話すことは話し終えたようで火鉈は部屋へ戻った。その時に「お前も戻るか?」と聞いた方がもう少し空を見ると言って先に行ってもらった。


ぼーっと空を見る。空気は冷たかったがだんだんうとうとしてくる。


『ぁあ…何も考えずに景色とか月とか見るのも…いいなぁ…』


ここで記憶は途切れていた。なぜなら。

落ちたのだ。ベランダにもたれながら。


翌朝、干された布団みたいにベランダで「くかー」と寝ていた蘭太が見つかり、ちょっとした騒ぎになった。



どうも、どらっごです。


今年ももう終わりですね…。早いものです。

このお話を投稿し始めてから早8ヶ月…そう、もう8ヶ月なんですよ。ひゃー…。

若干迷走してね?というところもありますが、どうか最後までお付き合いいただければなと思います。


ではでは、また。


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