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厄災(ドラゴン)と人×妖精(ハーフフェアリー)  作者: どらっご
第4章「過去、兵器、そして争い」
44/87

41・・・「ぶつかること」


語彙力なさすぎていつにも増して文章が稚拙かもしれない申し訳ないです!


と、とりあえず41話、どうぞ!


「終わったな」


倒れた蘭太のそばで虚ろな顔をするルルに向けブラッディアンは言った。


…この俺の渾身の攻撃を受けて消滅しないわけがない。


そう思っているのだが、中々消えない。


『ん?消滅するのにこんなに時間かかるか?』


それにルル・イーリアにも動きがない。妙だ。

果たしてその違和感は…大当たりだった。


ブラッディアンからは見えないが、ハイライトのなくなっていたルルの瞳に光が戻り、口が動く。


「どうして心配ばかりさせるの…ばか」


直後。蘭太の傷口に水が流れ、傷が浄化された。そして蘭太の目がゆっくり開かれ、体が起き上がる。


「…は?」


意外でしかなかった。殺してしまったと思っていた。なのになぜ。


「ブラッディアン。お前の本心、しっかり受け取ったよ」


まさか。こいつは。

俺と本気で理解し合うためにわざわざ。

煽ってキレさせ。本心を曝け出させ。

その本心を乗せた攻撃をわざと受けることで。

俺の心を理解しようとしたのか。


自身の耐久を超えられたら消滅するという大博打を賭けてまで。


「ふふふ…あはは…」


喉で笑う。


「馬鹿じゃねえか?お前?」


いや。

馬鹿にしてんのか?

ますます腹立たしい。


そんなブラッディアンに対しにこっと蘭太も笑って。


「うん。馬鹿だよ。だから馬鹿なりに考えた」


パチンと指を鳴らすと、蘭太の手にデュアルブレイガンが帰ってくる。


「さて、じゃあ…」


続きを…と言いかけたところで、蘭太の頭の一部に氷が張る。


「あぃだッ!!」


「この馬鹿蘭太ぁ!!」


振り返ると、ガチで号泣3秒前なルルがいた。その後ろには雷花もいる。


「アホ!馬鹿!間抜け!心臓に悪すぎるでしょ!少しは私達のことも考えてよ!てか言ってよ!」


「言ったら計画台無しじゃんか!それにブラッディアンの本心を手っ取り早く引き出すには非変身でボコるのが良かったの!」


「じゃあ蘭太君!念話!念話で言ってよ!」


「ここ精神世界!念話とかダダ漏れで聞こえるよきっと!ほら!試しに使ってみるよ!?」


すると、館内アナウンスのように声が響いた。


『今からは別に変身してもいいんだけどどう?』


普通に聞こえた。


「する!もうさっきみたいにはさせない!」


「あー…どうでもいいがよー…」


ルル達と蘭太の会話を鬱陶しそうにブラッディアンが遮る。


「起きたならまた潰すだけだからさ。つまりはお前俺様を弄んだってことだろ?…腹が立つ…今度こそ消してやる」


「あー。その点について。残念だけど、そうはいかないね」


蘭太はルルと雷花と触れ、先に取り込む。そのあと蘭太はブラッディアンを指差し。


「悪いけど今からは…ずっと俺の、俺たちのターン。そして、お前に俺たちの心を理解してもらうターンでもある。…二重共鳴変身」


一声。

水と雷が乱舞し、青と金色の装甲が形成される。


「…あ、最初に言ってた『変身しない』って言葉破っちゃった。まあいっか」


これで両者装甲を纏った。すなわち。

フルパワーでぶちのめせる。


「フゥゥ……ゥラア!!」


ブラッディアンは攻撃を仕掛ける。


ガァァン!!と硬質の音が響き渡った。



ーーーーーーーーーーーー



「あー。ヒマだー!ヒマってなんだぶち殺すぞこのヤロォ!!なんも手応えねぇじゃねぇか畜生!!」


上空に、そいつはいた。暇すぎてキレていた。

「抜け殻の龍」どもと一緒に元世界へと来てみたものの、相手が弱すぎる。

何せ1発弾丸を撃ち込むだけで落ちていくのだ。


「こいつ鎌として使いたいんだけどなー…。狙撃とか暇でしかないわー…。あ、来た。ずどん」


ガギャン!!と先端部分から弾丸が撃ち出され、迫っていた戦闘機を直撃。ちなみにこの火力、精度でノールック。


この男の使っている武器は、可変式大鎌狙撃銃・バルディアムという。

漢字名のごとく、ボルトアクション式狙撃銃と大鎌を融合させた重兵器である。

かなり重めの武器であるが、この男には使えるようだ。

狙撃銃状態から鎌状態へ変形する際には横に飛び出たボルトハンドルを手前側に倒し格納することで移行。逆の工程で鎌状態から狙撃銃状態へ移行する。


一度発砲したのでボルトハンドルを引く。すると次弾のためのエネルギーが充填されていく。


そして発砲。また充填。この繰り返し。こりゃ暇ですわ。

なら積極的に攻撃しに行けばいいのではないか?そう思うだろうがそうはいかない。優良物件を真下に発見してしまったため、動きたくないのだ。


そんな青年のところに抜け殻の龍が寄ってきた。そして真下に気配を感じたのか、降りた。


「あ!?誰が勝手にそこ行っていいっつったボケェ!!」


発砲。

モロに食らった抜け殻の龍は穴を穿たれ、光となって消滅する。


「ふぅー、…あ。これバレたらイクスさんにキレられるやつだ。黙っとこ」


さ、さー続き続き!

誰にいうでもなく切り替え、青年は狙撃を再開する。


「うあーまた来るのかーどんだけ持ってんだっつーの…ん?」


次々と来る戦闘機にうんざりしていた青年は気づく。遠くの豆ほどにしか見えない平地からその戦闘機が飛んでいるということに。


「あー。なるほど」


バルディアムをそちらへ向け、狙撃銃になら本来スコープのあるところへ目をかざす。するとその位置に15枚ほどの魔法陣が形成され、ズームされた景色が映し出された。


「ん」


引き金を引くと同時に先ほどの狙撃音と共に弾丸が撃ち出された。

数秒後。狙ったところから炎が上がる。


「わほーい。ヒットー」


特に嬉しくも無さそうにガッツポーズを取る。


「くぁー刺激ねーなー…。早く起きてくれねーかなー?」


真下を見る。そこには、意識を失ったように眠る少年の姿があった。



ーーーーーーーーーーーー



「ところで…だ」


FG旧東京本部から出た火鉈達だったが、火鉈はふと大事なことに気づく。


「蘭太どうやって見つけんだ?」


「……え」


3人ともぽかんとした顔だった。まるで「言い出しっぺ&リーダーだし策は考えてあるんだろうな」というような。リーダー依存はだめなのですよ。これ教訓ね。


「何かデカいこととか起こしてくれればてっとりばやいんですけどね…例えば巨大な氷柱でも建てるとか」


「「「いやそれはしないと思う」」」


「ですよねー」


剛牙が言ったことは速攻でダメ出しされたが、ある意味事実である。だがこれでは圧倒的な受動的捜索法だ。

かといってこれといった方法もないので。


「よし、ここは原始的に行こう。手当たり次第探すぞ」


「「「えー…」」」


「なら他に案はあるか?」


「「「…ない」」」


「そういうことだ。んじゃ行こか…と言いたいとこだが…」


突如目の前に龍が降り立つ。そしてこちらを確認するやいなや吠え、襲いかかる。

それの鼻っ面を即座に変身した火鉈が殴り飛ばす。


「まずはこいつの処理だ!やるぞ!」


「「「了解!」」」


残る3人も変身し、戦闘に加わる。



ーーーーーーーーーーーー



「な…に…?」


馬鹿な…本当にありえない。

何度目だろう。ブラッディアンはさらなる驚愕に見舞われる。

現在の構図を説明しよう。

とても簡単である。

無防備に腕を下げ直立したままの蘭太にブラッディアンが斬りつけた剣が当たっている。

これだけ。

見た目はこれだけだ。だがこの構図にはある大きな意味がある。


すなわち。攻撃が効いていない。

ブラッディアンが先制で放ったかなり力を込めた斬撃を蘭太は身じろぎもせずに受け止めたのだ。


そして驚愕で動けないブラッディアンを蘭太は殴撃で弾き飛ばす。


「効かないよ。全然」


金と青に半分ずつ別れて色づく左黒目部を光らせ蘭太は言う。左の金色は厄災(ドラゴン)級である証の右の金色よりは黄色に近く、鮮やかだ。


「ああぁ……気にいらねぇ…!気にいらねぇ!!どこまでも馬鹿にしやがってェェ!!」


既に臨界を超える怒りを震わせブラッディアンは吠える。両目が激情を映すかのように激しく光る。

武器を捨て、蘭太を殴る。具体的には胸部装甲を。

だが蘭太は全く動かない。代わりに唇を噛んでいる。ブラッディアンの心が分かっているから。


「なんで…なんでだよ…!なんで俺が!人間に…!」


いつしかブラッディアンの顔は歪み、涙を零していた。


かつて。

ブラッディアンは愛していたのだ。自分達を作ってくれた人間を、そして仲間を。他の戦闘用妖精よりも。なぜなら第1号故に実際に人間と関わり、「愛」というものを教わったから。

だから戦えた。心を強固に保てた。自分の愛する人間のためなら、どんな敵もぶち殺せた。

だからこそ。人間に裏切られた時のダメージは他の戦闘用妖精の比ではなかった。「愛」を教えてくれたあの人も、仲間も、愛していたはずの人間にその命を奪われた。


その時ブラッディアンは絶望を知り、壊れた。

いや。ぎりぎり崩壊一歩手前で保った。

とても大事な、「愛」という感情を殺すことで。

そして殺した「愛」を、恨みのペンキで塗り固め、人間の虐殺を始めた。

いつしか人間が自分のことを「悪魔の兵器」と言うようになっていたと言うことも、彼の恨みを助長した。

でも。

何故なのか、満たされなかった。殺しても、殺しても…。


「ブラッディアン…」


「喋るなァァァァ!!!」


蘭太の顔面を殴ろうとするが、手で止められる。


「いや、話すよ。…確かに俺たちにはブラッディアンのような経験はない。けれど世界は、運命はそんなに残酷じゃない。もう一度…持とうよ。希望を…」


「うるせぇんだよォ!!」


空いた手で攻撃するが、同じように掴まれる。いつのまにか蘭太も手から武器を離していたようだ。


「実際に感じたことがねぇからそんなことが言える!他人事だからそんなことが言える!希望だと?そんなもん無い方がいいんだよ!持つだけ無駄なんだよ!!あって何になる!?何の足しにもならねぇ!!」


「だったら!今お前と戦ってる目の前の人間はなんなんだ!」


掴んだ手を振りほどき、裏拳で弾く。


「ぐあっ!」


「訳も分からない自分の力で殺したくもない人達まで殺して、自分に絶望して何度も自殺を図った奴だ!そんなやつがなんで今こんなところに立っていられると思う!?なんで希望を謳っていられると思う!?」


知らない。そんなの知る訳もない。ずっと近くで見ておきながら。

いや、理解することを拒んでいただけなのかもしれない。自分と似ていると思ったやつが遠ざかっていくようなそんな気がして怖かったから。


「助けられたから!ルルや雷花、火鉈達がずっと暗いところで縮こまっていた俺を引っ張り出してくれたんだ!だから今度は俺がお前を暗いところから引っ張り出す!お前を助ける!」


「…!」



…これはまだ二重共鳴を得る前で、FGに加わった後のある晩のこと。

ふと蘭太はルルに尋ねたことがあった。


「なんでルルはずっと俺のことを支えてくれたの?苦痛でしかなかっただろうに。ずっと死にたいなんて言う奴なんて捨ててしまえば楽になったのに」


ルルは答えた。


「なんでだろ?ただ見過ごせなかったのかな。蘭太からどこか助けてほしいっていう感じがして…というか言ってたし。寝てる時とか、苦しそうに『助けて…』って」


なんとなく。心の底では助けを求めていた気がしたから。そんなものだった。

なんじゃそりゃ。と思ったけど、後から思えばそうだった。

口では絶望やら死にたいやら言っていても、結局どこかで助けを求めていた。


ブラッディアンも同じだ。本心をありのまま乗せて送ってくれたから分かる。

でなきゃ泣かない。あんなに顔を歪ませない。本当に絶望して人間の皆殺しだけを生きがいとするのなら顔は笑っているか感情がないかだし、休憩を取る訳もなければこんな状況にならない。さすがに狂気に陥った者は例外だが。


「引っ張り…だす…?」


こんな俺を?


「そう!」


「希望は…あるのか?」


どこに?


「ある!必ず!そこへ一緒に行くんだ!」


「正気かよ…?」


本当に。俺を解放してくれるのか…?


「うん!」


蘭太はデュアルブレイガン・バレットモードを構える。銃口には粒子で出来たエネルギー。きっとあれはあいつの、いや、あいつらの心。


こいつなら。

200年に渡る俺の絶望を。

撃ち砕いてくれるのか。


蘭太が引き金を絞る。


迫るエネルギー体にブラッディアンは無意識笑みを浮かべる。今まで見せなかった、安心するような笑みを。


「こんな俺を助けようなんて思うやつ、いないもんだと思ってたな…」


直撃。

その時だった。


「ああ…」


見えた。

蘭太達の心が。

傷ついてはは立ち上がり、また傷ついては立ち上がりを繰り返していた。

傷を受けていたのは村を失ったあの時だけじゃなかったのだ。


そして。決定的に自分と違ったのは。


いつも誰かのために傷を受けていた。何度も。例え傷を受けたところで何もメリットがなくとも。

対してブラッディアン達は本当に人間のために戦ったのか?違う。奥底にあったのは「自分達のため」だ。自分達が楽になるための手順として人間に味方していた。それが潰えたから絶望をした。


『なんだよ…どこまでも馬鹿なやつじゃねぇか…。こんなの…勝てるわけねぇや…ふふっ』


勝負は最初から決まっていた。

いや、あの時。初めて会ったあの時から。



光が炸裂した。




どうも、どらっごです。


ぐぉぉ早々に精神世界内のお話終わらせようとしているのに中々終わんないよ!って焦っちゃいました!


あとブラッディアンくんは根っからの悪者って書くつもりはなくて逆に難しい!(筆者感覚)


ではでは、また!

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