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3・・・「共鳴変身」

ドドドドド!3話!


「へっ、へっ、へっ…」


息を3回ほど早く吸った後、


「べくしっっ!!」


「蘭太大丈夫?風邪引いてるんじゃない…?」


ルルが若干心配そうにする。

蘭太とルルは本屋の前にいた。

忘れていたのだ。気に入っている小説の発売日が今日だということを。



現在16時50分。入店して、早速お目当ての本の置いてある棚に直行…………

というわけにもいかない。

店という物はうまくできていて、人気のものは奥の方にあり、そこへ行くときに他の商品も目に入るように出来ているのだ。そして蘭太はいつもそれに釣られているためなかなか目的のところにたどり着かない。


そうこうしてやっと目的の本を手に取り、買って外に出たのは17時10分。外は少しだけ暗くなっている。


「はー、やっと買えたぁ…この店広いなぁ…」


「違うよー、蘭太が周りの本に釣られてるせいで遠く感じるだけ」


「…………」


ルルに割とマジレスされたのは心にくるけどそんなことはいい。とにかく早く家に帰ってこれを読むのだ。(わくわく)



しかし、世界とは店と違いうまくはできてはいない。どこかで幸運なことがあれば必ず別のどこかで不運なことが起こる。



帰路の途中にある橋のところで蘭太は後ろから何か大きなものが迫る気配のみを感じ橋から飛び降りた。


のみ、と言った理由は迫るそれに音というものが一切なかったからだ。


飛び降りた直後、橋の上を巨大な光の球が通りすぎ、軌道上にあったものはなくなっていた。


(やばい、気配だけでわかる!これは橋の上を動くのじゃ避けきれない!あ!)


そこで気づく。

橋は通常川や海など水のある所の上にかかる。そこから飛び降りた。本の入った袋を持ちながら……勿論下には川という名の水がある。

さて、せっかく買った本はどうなる?


濡れて台無し(お亡くなり)になってしまうね。


(そんなことなってたまるか!岸に向けてスロー!!)


本は無事にしときたいのでとりあえず水のない岸の上めがけ空中にいるときに投げておいた。

幸い、この川は水の部分が広い分岸の土の部分も広かったので、本は無事だったが蘭太は川に落ちた。


数秒後。


川から上がってきた蘭太はまず自分の携帯、財布を見て使い物にならなくはなっていないことを確認した。


「ふぅ、防水加工してあるもんでよかったよ…」


「そうだなぁ、無事で何よりだぜ」


と、やや遠くから声が聞こえた。

そっちを見ると7人の集団を引き連れる男がいた。


「いやーまさか俺の光威弾を避けるとはな…無音だぜあれ?まあいいや、アレ当たるくらいだったら殺してやってもボスぁ文句言わねえしな」


「お前ら誰だ?」


急に現れた相手に対し蘭太は鬱陶しそうに答えるが、


「ア"ァ"ア"ン??!俺らのリーダー、ライト様になんちゅうツラァして『誰だ?』とか聞いてんだガキィ!捻りつぶ、ぎゅえっ!!」


部下と思しき者、男の陰から出てきた奴がなぜか超キレ腰にきた。あ、蹴られてストップかけられてる。


「喚くなうっせえ、あとさりげなく俺の名前晒してんなや。まあこいつはいいや。俺らはあくまでお前と接触しにきたのさ、『蓮藤蘭太』。」


「?!」


おかしい、明らかに異常だ。蘭太は名も知らぬこいつらにあってから1度も固有名詞を話していない。それなのになぜ知っている?


「あ?なんで『どうして知ってるんだ』って顔してん…いや、そうだった、知ってるわけねえや」


「?なんだよお前ら?俺のこと知ってるみたいに」


「事実、知ってんだよ。中身はわざわざ教えるワケねえがな。」


そこでライトの荒っぽい態度が一変、狩りをする猛獣の如きそれへとなり、


「とりあえず戦おうぜ?俺らはそのために来たんだからよォ」



そこで、ライトの後ろに控えていた部下たちがライトの隣に並び、自分のペア妖精と片手同士で触れ、


「「「「「「「「共鳴、変身!」」」」」」」」


掛け声をする。


すると妖精側が粒子となり触れていた人間側と同化し、頭部、胸部、肩部、腕部、腰部、脚部に光属性に対応した白っぽい装甲が生成され、目の黒目の部分が白に黄色が薄く入った色に変色した。



「共鳴変身」。

それはハーフフェアリー最大の特徴とも言える能力で、先の大戦を終わらせた[その身に備わる人間と妖精との能力の長所を完全に生か]しきるものである。

人間側と妖精側の理念が一致した時に使用可能で、使えば別々だった時とは比べ物にならない力を発揮する。


故に200年前に現れたとき既存の兵器では攻撃がなかなか効かず、「隣の者」と人間両者を圧倒し、大戦を終わらせられたのだ。



「さてと、俺らはボスにお前と戦って運悪きゃ殺してもいいって言われてんだけど、勿論お前も変身しないと…あ?!」


ライトは不審に思った。

変身者を前にして、蘭太は変身するそぶりを見せるどころか生身で構えている。

(まさか、共鳴変身者8人に対し1人で、しかも生身でやり合うってのか?)


ありえない。先述の通り、先の大戦では人間は兵器を使っても共鳴変身をしたハーフフェアリーに歯がたたなかったのだ。ここから分かる通り、変身者に対し生身で戦おうとすることはすなわちーーーーーー


「自滅でもしてぇのかオラァァ!!」


部下の1人が突っ込んで行った。我慢ならないというふうに。


そう。自殺行為に等しいのだ。例えるならばマシンガン持ちの相手に遠距離から丸腰で挑むような。


そして、今回蘭太の相手であるライト達は、全員が光の能力者である。


ちなみにライトが7人を率いている理由は、ライトは禁忌レベル、他7人は危険レベルと実力で区別されているためである。


光の能力者といっても、動きながら曲がったりUターンしたりするので本物の光ほどの速度はないがそれでも普通のハーフフェアリーより断然速いライト達に生身など、攻撃は愚か抵抗することすらできない筈なのだ。


(いや、それとも死ぬことを望んでいるのか?そんなはずは…まあ、奴が動けば何かはわかるはず………)



バッコォォォォンン!!!



強烈な殴打音が響いた。いや、殴打音というより衝撃音に近い。

吹き飛んだのは、部下の方だった。

これにはライトも驚かざるを得ない。


「なんだと!?」

(バカな!生身で反応しきれるワケがない!あのガキ、何をした!?)


状況を説明しよう。

蘭太に突撃して殴りを入れようとした部下の攻撃を彼は避け、カウンターの、装甲の衝撃吸収を少しながらだが確実に突破する拳の一撃を食らわしたのだ。

ちなみに装甲の衝撃吸収は、大砲並みの火力の攻撃を受けてもビクともしない防御力を誇る。

それを突破する拳撃とははっきりいって頭がおかしいし、光の能力者に追いつくほどのスピードもバカみたいだ。正直言って理由はわからない。


「さしずめこいつは危険レベルなんだろうけど、どうせ光の能力者8人相手には逃げれない、だから殺されるぐらいなら抵抗してやる…!」


「まぁじかよ…」


変身者を殴り飛ばした少年は何故か()()()()()だけでレベルを見破った。さらに驚くことに変身者の装甲を突破する拳撃をしても拳が砕けるどころか傷も付いていない。


「おいおい、そんだけでレベル測れんのかよ…、本来ならじっくりやらなきゃできねえもんなのに?」


少し動揺したが、ライトの心は昂ぶった。


「ふ、ふふふふ…面白い奴だ…!楽しそうだなぁ!おい、おめぇら!ここからは拳の戦いだ!グーパンチバトルだ!」


ライトは自らも拳を作り、構え、


「じゃあその気概に免じて武器は使わずお前に合わせてやるよ、殴りあおう(戦いを始めよう)ぜ!!」



はい、前話で「前書きでふざけます」って書いたくせに早速ネタが切れたのでこれからは気分でしようかなと思ってます、どらっごです。


ちなみに蘭太君が飛び降りた橋なんですが、川からはそんなに高くないです。(山間部の谷にかかる橋と比べて)せいぜい8mかそこらへんですかね。そして川は少し深めです。じゃないと死にます。

なお舞台の川は堤防のあるものです。


まあ彼は水の能力者なので上手くやっているでしょう。(このテキトーさ作者としてどうなんですかね(笑))


ではでは、また。

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