35・・・「回る」
4章突入です。
ネタが最近ないですね。どうしましょう()
少し先のこと。
「もうやめて!これ以上魂を雑に扱わないで!」
「黙れ。これはお前のためだ。我はお前のために世界の命を減らす」
「なにがボクのため!?憎むべき敵もいないのに!ボク達は互いに共存し合わなきゃ行けないのに!」
「黙れ。黙れ。お前は黙ってただ見ていろ。我らの駆逐を」
「イクスティクス!!」
ブツンッと念話が切断された。カルナはへたりと座り込み、呟く。
「どうしてだい…?イクスティクス…」
イクスティクス。「死滅龍」。
カルナと同じく雌龍で、普段から人型でいる。
だがいつしかカルナと纏う空気が異なり今では常にといっていいほどの頻度で命を奪い続けるようになってしまった。
「思えばあの時からこの体の弱りも少しずつ和らいでいる…?いやいや、あれが原因なわけない…!」
カルナは速攻で否定する。
いつから2人は分かれてしまったのか…。
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カルナとイクスティクスのやり取りから少し遡り。
「ほー…そんで、戦闘用妖精とばいちゃしたと?」
「そっす。俺でも戦う気になれなかったっすね。てかなんすかアレ。アレあったら厄災級要らなくないっすか?」
「いやーそーでもねーんじゃね?だってあいつら意思あるっつってもあくまで兵器だし?一応生物側にもそういうのは要るっしょ」
「そもそもなんで厄災級ってあるんすか?それに7人だけって。『王』の旦那は厄災級が誕生したその時からずっといるんでしょ?何でか知らないんすか?」
「しーらねー…。年寄りにゃー200年も記憶持たせんのだりーわー…」
「ふぁー」
なんかいつも通りであった。
スチールは火鉈達の見舞いに行ったあと、「王」の所へ戻ってきていた。
しかし、本当の意味でいつもではない。なぜなら。
「それならなにか書き記しておけばよかったのに」
と静かに言う、「色気の厄災」荒垣真麗がいる点がこれまでと異なるからだ。
彼女は現在特に単独行動する理由がないのでスチールみたいに居候しているのだが、「王は特に拒まない。
むしろ「女だー!」とガキみたいにはしゃいでいたくらいだ。変態め。
「それがなー、覚えておけるってタカくくってたんだわー…」
と言ったところで、カチッと何かが止まる音がした。
何事かと音のする方を見ると…。
そこには動きの止まった歯車式の時計があ。繋がるようにして1つだけ歯のうちの1つが赤くなっている大きめの歯車があった。
「おおっといけねえ」
王は慌てたように時計に向かい、カチカチカチッとネジを回して再び歯車を動かす。
「時計の管理しっかりしてくださいよ、王の旦那」
はははっとスチールは軽く笑いながら言う。
「そうだな、歯車はちゃんとまわさねぇとな!」
ガハハハ!と笑い合っている王とスチールを他所に、真麗は、
『あの赤色、何か目立つな…』
なんてことを思っていた。
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「回復中…?」
「そう。回復中。あのクソ動物に1発もらっちまってから蘭太は体はおろか魂にまで響くダメージをちょいと負っちまった。悲しいことに生き物の体は存外脆い。たまたま蘭太が生きる意志を失ってなかったから俺も助けれたんだぜ?」
ルルはブラッディアンに対し複雑な感情を抱いていた。
蘭太の命を救ってくれたことに対する恩義。
逆に蘭太の体を乗っ取ったことに対する静かなる怒り。
「ルル・イーリア。お前が俺にどんな感情を抱いているのかは正味どうでもいい。だがこれだけは留意しておけ。今俺が蘭太の体を乗っ取ってなきゃこの体は植物状態だ」
「……それは…困る…」
「だろう?」
沈黙。
ふとルルが思い出したかのようにブラッディアンへ問う。
「そういえば…、ここはどこなの?」
「ん?精神世界だが?」
「精神…世界?」
ブラッディアンは話した。
精神世界。それは人の数だけある個々人の中にある心の世界。
普段いる現実世界では肉体という入れ物の中に魂という核が入った状態で活動しているが、精神世界はその入れ物の中の世界、つまり魂がそのままで有る場所である。
同じ個体にいる者同士(例えばハーフフェアリーにおけるパートナー同士)であればこの世界を利用して念話以上のやり取りが可能になる。
だが魂がそのままで存在する世界が故、ここで死を迎えると例え肉体が無事でも死ぬことになる。核がなくなるのだから当然であるが。
「つまり、魂がまんま実体で表される世界だから私もこんな姿になってるってことか…」
ルルは人並みのサイズになった自分の体を見る。
ふとそこで視線を感じる。ブラッディアンだ。
「そいやお前…Dぐらいか?」
どことは言わないが…という様子で尋ねてきた。ルルの顔が真っ赤に紅潮して…。
ブラッディアンめがけ氷の槍をぶっ飛ばした。
「危ねぇ!!」
「決めた殺す絶対殺すあなただけは殺す何が何でも殺す!!」
「ちょっと待てなんでだ!?俺が何したってんだ!!」
「私の、いいや女の地雷をクリティカルに踏み抜いたこと!」
「ただサイズ尋ねただけじゃねえかそれのどこが地雷なんだアホ!」
「いきなり胸のサイズ聞くことが地雷じゃないってあなたの思考回路どうなってるの!!?丸一日メンテ要るんじゃないかしら!?」
このやり取りの間もルルは槍を飛ばし続けているのだがブラッディアンは的確に避ける。
「動くな!動くと当たらないでしょう!??」
「動くに決まってんだろ!さっきここのこと教えたよな!??」
ぎゃーぎゃー喚きあいながらやり取りはしばらく続いた…。
数十分後。
「どうして…当たらないの…」
くたっと(蘭太のそばにわざわざ移動して)横になってぼやくルルを見てブラッディアンは、
「胸…イコール…地雷…?」
というチョットナニイッテンノ的なことをぼやいていた。のだが。
弾かれたように上を見る。
「なんか…来たか?」
ブラッディアンの体は粒子のようになり空気に溶けた。
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「見つけた!ブラッディアン!こんなに近くにいたとはな!」
剛牙、彼方、雷花はブラッディアンの姿を見つけた。
そこは公園。かつてスチールと真麗が交戦した場所だ。
そこでブラッディアン、蘭太の体は魂がぬけたかのようにベンチに座っていたが、抜けたものがかえってきたようにむくりと顔を起こす。
「なんかきたかと思いやてめぇらかよ。俺ぁさっきのルル・イーリアとのやりとりで疲れてんだ。出直せ」
「やりとり…?いや!そんなわけにはいきません!変身!」
各々の属性エネルギーを纏って変身する剛牙と彼方を見てブラッディアンは溜息をつく。
「はあ…最大戦力の蘭太と火鉈がいない状態でお前らに何ができる?身の程を知れ。震血変身」
血の成分でビーカーと巨大な注射器を生成し、ブラッディアンも装甲を纏う。
「怠いが相手してやる。かかってこいよ」
「うおおおおおお!!!!!」
土と風のエネルギーがブラッディアンに炸裂する。
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『起きた時にそこにある本でも読んどきな』
「ん…うぅ…」
目を開けると、そこは白い空間。
「俺…は寝てたのか?」
無意識につぶやく。すると。
「あ、起きた!蘭太やっと起きた!」
側で声がして抱きつかれる。ルルだとすぐに分かったが、体が普段より大きい。
そのことに違和感を感じていると、
「ん?体?ここは精神世界って言うらしくって、魂がそのまま実体で存在する空間なんだって。だから私もこんな姿」
「なるほど」
「さて!蘭太も起きたことだしブラッディアンから体を取り戻そ!」
「誰?ブラッディアンって…それに俺はまだやらなきゃいけないことがあるからダメ」
「え」
寝床から降り、本棚へ向かった蘭太は本を手に取る。すると…
その本棚にある全ての本が粒子化し、蘭太の周りを囲んで順々に脳内へ流れ込んだ。
「うっ!く…!」
「蘭太!」
ルルは慌てて蘭太のところへ向かい体を密着させる。
「どうなってるの!?これ!」
「これ、多分記憶を本の形にしたものなんだ。それが今、帰ってこようとしてるんだと思う」
「でもこんな情報量脳がパンクするよ!?」
「だからこその俺とお前だろ?」
蘭太はルルに向き合う。
「俺とお前はもともと龍人と妖精っていう別個体。普通のハーフフェアリーと違って容量が単純計算で2倍。それを利用して帰ってくる記憶達を迎える。こんな作戦なんだけど…、まあルルが拒めば破綻するから出来れば手伝って欲しいかなって」
「いいよ」
優しくルルは受諾する。
「私は知りたい。蘭太のことをもっと。知れば知るほどもっと理解し合えると思うから。それが『共鳴』でしょう?」
「…かもね。ありがとう」
そうして2人を本格的に粒子が包み込んだ。
ヴィアァァァァァァ!!
本気で投稿忘れてましたごめんなさい。
というか最近キツいです。投稿頻度落ちます(確定)。
もしかしたら勝手におやすみするかもしれませんが何度も申しておりますようにちゃんとこの物語は完結させます。
あ、あと精神世界なんですが、気持ち長めに本文で書いてありますけれどもアバウトに魂同士が話し合ってる場面みたいな感じでいいのでは、と思います。(よくわからんというのならごめんなさい)
ではでは、また!




