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25・・・「抜け殻の龍」

今週もギリギリ週一投稿ですね(笑)


あ、割と今回長めです。すみません。


では行きますね。


「抜け殻の…龍…」


蘭太は無意識に復唱していた。言われても疑問に思うほどとても抜け殻には見えないのだ。

なぜなら普通の生物のような佇まいだからだ。少なくとも蘭太にはそう見えた、のだが。


「言っておくけど彼らには自我もなければ理性もない。ただ元々体に備わっていた本能に従うのみだよ。例えば…」


続きを言いかけた時、龍が動き出しこちらへ突っ込んで来たが、カルナが手を軽く振ると突如地面が隆起し龍はそこへぶち当たる。


「『腹減った。目の前の動くヤツ食べよう』とかいう感じでね。あ、そっち行くよー。君を美味しそうに見てたしね」


「…はい?」


すると隆起した地面を破壊して龍が蘭太めがけて顎門を広げて進んで来た。


「「アァァぶなぁぁぁぁいぃぃ!!!」」


ルルと雷花の絶叫で硬直が解け、慌てて避ける。


「カルナ…さん!コレは倒しても殺すことにはなりませんよね?」


「すでに死んでると同義だしならない…よ。あと…」


「よし、ルル、雷花。こいつ倒すぞ!」


「むぅ……」


聞きたいことだけを聞いて続きはスルーされたことでカルナは少し口を尖らせた。

そんなことに蘭太が気付くわけもなく。


「二重共鳴、変身!」


水流と電撃を纏い蘭太は変身し、抜け殻の龍へと向く。


「グォォォォォォン!」


相変わらず大口を開けて突進してくる龍に対し蘭太は飛び上がって避ける。

そして上から左手をかざして龍を電撃を食らわせ動きを止めた後、水を纏わせた左脚で蹴りを入れ、水蒸気爆発。


すると抜け殻の龍はか細い声を上げた後力が抜けたように倒れ、光の粉となって消滅した。


「消え…た?どういうことだ?」


まあ持つであろう疑問である。いつのまにか近くに来ていたカルナが答える。


「生物っていうのは魂があることで肉体が()()()()()()ということを確立させているんだ。例えば人間は人間の魂が体に入っているから『自分は人間なのだ』と理解するわけで、これのおかげで肉体が損傷を受けても直せるんだ。戻すゴールが定まっているからね。でもこれがなくなると肉体側は『自分は何なのか』がわからなくなるんだ」


少し首を傾げ気味な蘭太に「まあ難しいよね、ボクだってすっごく言葉にしにくいもん」と声をかけ、続ける。


「なんというか、つまり抜け殻の龍は魂がないせいで非常に脆い存在になっているわけで、ちょっとでも肉体のどこかが崩れると修復されることなく連鎖的に崩れていって最終的に全身が消滅する、みたいな感じかな」


そうですか…、と蘭太は相槌を打つ。

もしかしたらと思ったのだ。もしかしたら倒した龍の体の一部を使って武器を作れたのかもしれないと。例え抜け殻になってしまったとしてもこうすることで倒したことの償いとなるのでは、と。


「倒したこと、気にしてる?」


「もちろんです」


「その心配は杞憂だよ。彼らは永遠に失った魂を体だけが永遠に探し続けて苦しんでいるんだ。倒して消滅させることが魂持つボクたちができる最善の手段だよ」


カルナの言葉にはところどころ辛そうだが押し込めているような雰囲気があった。カルナにはカルナなりの想いがあるのだ。龍界に来て間もなく、この世界についてはほとんど何も知らないに等しい蘭太は頑張って内容を呑み込むことにした。


「……で、さっきの抜け殻で聞きそびれちゃったからもう一度聞き直すね、要件は?」


突然の話題転換に一瞬硬直した後、蘭太は今度こそこの龍界に来た理由を話した。名前も名乗ろうとしたが「蘭太って言うんでしょ?さっきそこの妖精さんが言ってたよ」と言われた。


「…ふむふむ、元世界の金属類は全部ダメだった、か…うん」


顔を上に向けてなにやら考えていたカルナは顔を蘭太に向けて提案した。


「蘭太君、ちょっと『龍鉱石』を試してみよう」


「わかりました」


ついてこいと言わんばかりに背を向け歩き出すカルナについていきながら蘭太はふと、この人性別どっちなのだろうと思った矢先。


「あ、そうだ蘭太君。君って男の子だよね?」


「そうですよ。こっちの妖精2人、ルルと雷花は女の子ですけどね」


「へ〜」


カルナは進行方向を反転し蘭太の前で軽く屈んで下から蘭太見上げ、にへ〜という擬音語がぴったりな表情も浮かべ、


「ボクも女だよ」


衝撃の告白。

一瞬でスキャンするようにカルナを上から下、下から上へと往復して視線を動かすと、確かにどことなく女性のような体型だった。


再び顔を見ると少し照れ気味だったのでこのままではまずいと思い、質問をぶつけることにする。


「そういえばカルナさんも龍人なんですか?」


「え?あ、ボクのこれは擬態だよ。人間の体の方が器用で物事をこなすのにうってつけだからこの姿でいるだけだよ。あでもこの人間体はボクの身体ステータスを元に作ってるから、サイズとか偽装はしてないからね」


いけないいけない、油売っちゃった。と言ってカルナはまたすたすたと歩き出した。


『ふう、なんとかまずい空気を脱した…』


と安心したのもつかの間、気がつけばカルナは翼を生やして蘭太を急かしていた。


「え、飛ぶんですか」


「当たり前でしょ?むしろなんで徒歩で行くって思ったの?」


楽はできないんだなー、世の中世知辛いですね…。


といっても他に良さげな手段は心当たらなかったので蘭太はカルナに続いて飛び立った。



ーーーーーーーーーーーー



「行っちゃったな」


ワームホールが再び最小化され枠だけになった門を見ながら火鉈は呟いた。


「そういえば増沢さん。向こうとこっちでは時間のズレってあるんですか?」


「ある。こっちが1日すぎる間に向こうでは2日経つ。だからそうそう時間はかからないだろう。まあどのみち我々には待つことしか出来ないんだがな」


「なんか落ち着かないっすね…」


そういえば前に戦った外国人の奴ら、あれはなんでわざわざ旧日本にきてまで荒らして行ったのか。ふと気になった火鉈だった。



ーーーーーーーーーーーー



旧中国の施設。だがそこには日本語で話す人影があった。


「旧日本への先見部隊、厄災(ドラゴン)級と接触したようです」


「分かった。ではこの我らの実験台をそこへ連れて行って見るとしよう」


その男は天井を見上げ、


「まだ実験段階だが我らは確実に近づいている…!あの龍界で見た理性なき純粋たる兵器のような龍に…!兵器に理性はいらない。そうだ。兵器になるには理性を捨てねばな…!ハハハ…!」


恍惚そうに言う。


「そんな手間をかけるくらいならばロボットの方が良いのでは?」


「分かってないなぁ。人は感情で力をも変動させる。つまり…」


問いかけた秘書に対し男はにやりと口元を歪め、


「無感情なロボットなんぞより負の感情、例えば強い憎しみを抱いた人のほうが幾分強力なモノになるんだよ…!そしてその人間の負の感情のみを残して他を消し去れば、何にも引けを取らない素晴らしい兵器になる!」


言い放ち、実験台のソレを見る。ソレは実験を終えて力尽きて眠っている。


「彼も喜んでいるだろうよ。共鳴変身すら出来ずに迷い込んだ龍族に故郷を奪われた自分がやっと変身できるようになって復讐できるのだから」


厄災級能力者と龍族はもちろん異なるが厄災級は変身時の容姿の所々に龍族の部位が形成され、龍人のようになる。まともな感情を持ち合わせないこの実験台にはどうせ区別はつけられないから関係ないがな、と男は続けた。



ーーーーーーーーーーーー



「ほら、これ」


カルナが蘭太に鉱石を差し出した。


現在彼らは洞窟の中にいる。といってもそんなに深くはない。


「ありがとうございます」


「あとはこれを鍛治で武器に仕立て上げるだけうぇええぇぇ!!!!???」


蘭太が手に取った瞬間龍鉱石が光り出し、周りからも龍鉱石が集まって合体・形成をされて行くのにはカルナも驚いた様子で声を上げていた。


出来上がったものは刀のようなものだったが、よくあるフォルムとはまた違う、少し変わったものだった。


そんな蘭太の脳にピリッと電気のようなものが走り、柄部分を切っ先の向く方とは逆側に引くとガチャンと音がなり軸が伸びて緩くなった。

それを刃の背側方向に動かすと勝手に柄が鍔部分に挿さる。すると切っ先部分が開いて銃口のようなものが現れた。

よく見ると今度はライフルのような形になっていた。ちょうど指が来る部分に引き金があったので洞窟の外に撃とうとするが、


「ちょタンマタンマ!なんで勝手に武器が形成されたのかはよくわからないけどお試しは外に出てからにしよ?さすがに中で実験して崩落して閉じ込められたーとか洒落にならないから!」


カルナに止められ、外に出る。そして、


「じゃあ、試しますね」


今度こそ引き金を引くと、ズキュゥゥウンという音とともに氷の弾丸が放たれた。

何発か撃ったあと武器を確認するがどこにも不具合が生じている様子はなかった。


「やった…!やったーー!出来たー!」


わーいわーいとルルと雷花と共にはしゃぐ蘭太を見ながら、カルナは指を鳴らす。すると男が近くに来た。


「蘭太君。武器ゲットおめでとうと言ってボクも一緒に喜びたいけどそうもいかないんだ」


カルナが言った途端蘭太ははしゃぐのをやめじっと彼女を見る。真面目な話だと悟ったのだ。


「君はこれからその武器で多くのものを切ったり撃ったりすると思う。だけどそれをする者には先に()()()()()()()()を味わってもらっておかなければいけない。これをしてもらうからボクは君の武器作りを手伝ったんだ。…どうする?嫌ならそれを置いて元世界に帰ることになるけど」


「やるに決まってます」


蘭太は即答した。


「こっちの資源を持っていくのになんでなにも要求してこなかったのかずっと不思議だったんです。それにカルナさんの言い分は理解出来る」


あと、と続けて。


「向こうの仲間達に『立派な武器担いで帰って来る』って言ったんです。手ぶらで帰れるわけないでしょう?」


「死ぬかもしれないよ…?」


それこそ愚問だというように武器を剣の状態にして刃を下にし切っ先を男に向け、


「聞こえませんでした?『帰る』って言ったし、『必ず帰って来い』って言われたんです。こんな所で死ぬ訳にはいかないんです」


「分かった。でもこの男を殺せるとは思わない方がいいよ。この輪廻の龍、ウロボロスをね」


「ま、まって!私達も」


「ダメ。これは蘭太君自身の問題。妖精の2人のサポートはなしだよ」


そう言ってカルナは下がった。


不安そうなルルと雷花に「大丈夫」と言って引き下がらせ、蘭太は男に向き合う。


ウロボロスと呼ばれた男は(もちろんこちらも人間の姿である)しゃらんと剣を抜き構える。


静かな風の音が聞こえるまでになったとき、


「セェイ!」


「ハァァ!!」


カァァァァン!!と音が鳴り響いた。



どうも〜どらっごでーす!


投稿ペースは当分こんなぐらいになると思います。

もしかしたらさらにペースが遅れるかもしれません…。

理由としてはリアルがもうまじ忙しいのです。そりゃもう、こんなはずじゃなかった!ってくらいですね。


でもこれは頑張って続けますが、もう無理って思ったら少し休暇を取らせていただきますのでご容赦をば。(その時になれば活動報告や本編を利用して報告させていただきますm(__)m)あ!休暇を取るって言っても帰って来ますからね!ちゃんと完結はさせますからね!


今回新しく出て来た武器についてはイメージイラストを近々載っけます。こんな感じなんだー、へー、的に捉えていただければ充分ですよ。


ではでは、また。


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