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24・・・「龍界へ」

最低限週一投稿のルールは守られた!

やったー!


では、行きます!



「ちっけー…」


ゲートについて話を受け、この場所に来た時、全員がそう思った。

まさか思わないだろう。龍界への門がここ、FG旧東京本部の地下に隠されていたなどと。

門、といっても扉はない。枠があるだけだ。


「さて、ここがゲートだ。今から起動させるから少し待ってくれ」


門は繋がってはいるが常に開いているわけではない。ここでいう「起動」とは向こう側へ渡るために通る部分を拡張することだ。

だがその前に聞きたい疑問が蘭太にはあった。


「あの、増沢さん」


「なんだ?」


「なんでここにゲートがあるんですか?話ではゲートは人の手じゃ作れなくて、自然に出来たものを広げる程度しかできないんじゃ…」


そう言ったとき、増沢はさも不思議そうな表情をした。


「何を言ってるんだ?本部にゲートは欲しい、だがゲートは作れない。ならそれがあるところに建てるしかないだろう?」


まあ、確かにそうだ。自作できなければその物があるところにいるしかない。しかし、こんな所にゲートの素があったとは微塵にもおもっていなかったのだ。


そんなこんなをしているうちに、門の内側からワームホールのようなものが展開された。


「さて起動完了だ。改めて言っておくが、本当に命の保証は出来ないし、1人で行ってもらわなければならない。それでも行くというなら必ず帰って来い。いいな?」


「はい」


「大丈夫なのか、蘭太?」


返事をした蘭太に火鉈が心配そうに言う。だが蘭太はにこりと微笑んで、


「大丈夫。立派な武器担いで帰って来るよ」


と言ってゲートの目の前まで行き、


「じゃあ、行ってきます」


足を踏み入れた。



ーーーーーーーーーーーー



「『王』の旦那ー。最近の俺の扱い雑じゃないっすかー?」


そこにはスチールと、「王」と呼ばれた男がいた。

スチールは男に雑用でコキ使われていた。


「うるせぇ。『アノコ』を『エクシーデット(超えた者)』にさせた功績は認めてやるが勝手な行動をしたツケはまだ払い終わってねぇんだぞ。オラちゃきちゃき働け、ガタ来んぞ」


「へーい、あ、『アノコ』→『厄災(ドラゴン)級』→『ドラゴン』で思い出したんすけど最近旧中国で不穏な動きがあるみたいっす」


厄災級は基本世界中に繋がりがある。といっても代替わりするので通常の人脈と同じで、誰にでもあるわけではない。例えば蘭太にはそれがない。


「なんだ?人工ドラゴンでも作ろうってか?」


「違いますよ。まあ直接的関係性はないんすけど、やつらマジで作ろうとしてるみたいっす。『動物(クリーチャー)級』を」


「気が逝っちまったか?共鳴変身もロクにできない輩をも使おうだなんて無茶苦茶だろ…」


「やばいっすよねー。んで、その実験台になってるやつが喚いてるらしいっす。『ドラゴンドラゴンドラゴン』って。それも相当怨恨が篭ってるみたいで」


「ふむ…」


「まあ何かっていうと、まさかとは思いますけど『アノコ』に何かあるかもしれないから見守る程度はしといたほうがいいかもしれないっすねってことっす。あと俺ら自身も注意っすね。なにせ()()()()級っすから」


うんうん、と頷いた「王」は突然跳ね上がる。


「うお!?どうしたんすか!?」


「『アノコ』の反応が途絶えた…。まさか…いや、同時に感じるのは龍界の気配…そうか」


「すいません全くわかりません」


軽く慌てるスチールに対し、安堵したように「王」は告げる。


「『アノコ』は何かの理由でご訪問だ、龍界にな」



ーーーーーーーーーーーー



なんとも形容しがたい変な空間を蘭太は歩いていた。

ゲートに足を踏み入れ早1分。出口は思ったより遠いみたいだ。


そうしてしばらく歩いていると、1頭の巨大な生き物がいた。

そいつは2本足で、前足に当たる部分は大きな翼になっている、青い龍だった。


蘭太が近づくと、そいつはむくりと頭を上げた。


「何者だ」


「ここを渡って龍界に行こうとしてる者です」


なんだか誤魔化す気分にもなれず、正直に言うと、


「ほう、ならば代金を払ってもらおうか?」


「代金…?」


聞けば、この龍はここで龍界への出口の門番をしているのだという。

門番という仕事上そうそうここを離れることが出来ないため、通す条件として龍気を大量に含む「龍結晶」というものをもらうことで生きているのだという。

ちなみに持っていない状態で強行突破しようとするとこの龍の貴重なタンパク源になるらしい。

払えるものなら払いたいのだが…。


「えと、龍結晶がなんなのかわかりません…」


「は?」


いかんせん物がわからない。これでは払う以前の問題だった。が、


「…あるではないか。貴様の懐に」


懐、と一概にいっても色々と入っているためよくわからなかった。なので、


「門番さん、今から懐の物全部出しますので龍結晶とやらを見つけてください」


そう言って蘭太は持っているものを全てぶちまけた。龍のほうは「ええ…」とぼやいていた気がするが気のせいだろう。


一通りぶちまけたものを並べると…、


「ああ、それだ、その石だ」


そういって門番が指した物は、蘭太が旧北九州から帰って来るときに「隣の者」からもらった例の紫色に光る石だった。


「これだったんですね」


「なんでものがわからないのに持っていたのかこれが分からない…」


「貰い物なので」


「え」


素で驚いていたようだが、そんなことをよそにして蘭太はそれを差し出す。門番はそれを受け取った。


「これで通れるんですよね?」


「あ、ああ、通れる。だがちょっと待ってくれ。向こうの方に連絡をする」


と言って目を閉じ数秒後、再び目を開けて門番は言った。


「よし、開くぞ」


すると目の前にFG旧東京本部でみたワームホールが現れた。

そこへ向かって歩き出すと、


「人間。帰って来れるといいな」


と言われた。対する蘭太は、


「大丈夫。帰るって元の場所の人達とも約束しましたし」


そう言って再びワームホールを通った。


視界が開けると、そこは元いた世界と異なる、それこそ異世界と言うべきところだった。

空は淡く紫色に輝いており、月のような星が大小2つ、そして何より、建築物が見当たらない。


「これ…創造龍とやらがイメージをしくじったのか、とてもパラレルワールドとは思えないな…」


「失礼だなぁ、共存派と駆逐派との戦いで歪んでしまっただけだよ」


ぼやいた途端頭上から声が降って来た。


はっと上を見ると、人が()()()()()()()()()()()()()姿()()をしてこちらを見ていた。


「んぎょ!?」


「変わった奇声だね?」


よっと、という掛け声とともにその人は背を向けて前側に着地した。よく見ると背中に小さく翼が生えている。


「だっだだ、だだだだ誰だ!?」


「蘭太テンパり過ぎだよ!落ち着いて!はい、深呼吸!すーはー」


ルルに言われるがまま馬鹿正直にすーはー、と深呼吸をすると蘭太はようやく落ち着いた。


「コホン、改めて聞きます。誰ですか?」


「それを今から言おうとしてたんだけどなー」


軽く溜息をついた後、そいつは名乗った。


「ボクはカルナ。君がここに来るや否や悪口を叩いてた創造龍のカルナだよ」


聞いた途端蘭太の顔が引きつり青ざめた。


「まあ、1回目だから仕方なく許してあげるよ。でも珍しいね?元世界(げんせかい)からこっちにくる者がいるとはねー!なんか用があるんでしょ?」


「あ、そうだ言わなくちゃ。こっちに来た要件なんですけど」


と続けようとした時、カルナはちらっと横を見た。


「ふむふむ、でもまず話を聞く前に…」


スッと手を蘭太の前にかざし、ドンッという衝撃とともに蘭太を吹き飛ばした。

直後、その場所を大きな顎門がガチンという音とともに通り過ぎていった。

起き上がった蘭太にカルナは言う。


「いやー危なかったね…間一髪で君食べられるとこだったよー」


「ありがとうございます、てかアレ何ですか?」


蘭太は先程通り過ぎて少し距離を置いて着地した翼を生やした首の長い、トカゲのような態勢をとっているモノを指差して尋ねた。

問われたカルナはそいつに哀れむような視線を向け答える。


「あれはボクと対をなし、かつ駆逐派の首領である死滅龍イクスティクスによって自我、魂のみを奪われ、食われて体だけになってしまったとても悲しい龍。通称『抜け殻の龍』だよ」


グォォォォォォンとその龍は咆哮する。


「抜け殻の、龍…」


蘭太には龍の咆哮がどこか辛そうに聞こえた。



どどうもどらっごです。ちなみに「ど」が2つ連なってるのは誤字ではありません。遊びの気分です。


さて、主人公が蘭太くんなので彼視点が多くなるんですが元の世界の火鉈くん達も放っておくわけにはいかないので初の2世界平行進行します。



あとー、だらだら書くと多分なんですけどエグい話数になりかねないので少し駆け足する…かもしれませんね!



ではでは、また。

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