22・・・「帰還」
あ、2章これで区切りですね。次話から3章行きます。次話投稿してから章の設定するのでタイムラグ生じると思いますが許してください!
では行きます。
蘭太は変身解除し、ルルと雷花が分離する。
両目の輝きが霧散するように消え、普段の黒い目の色に戻る。
「…よかったの?紛れもなく殺しをしたやつを生かしても…?」
雷花は尋ねるが、愚問だというように蘭太は答える。
「いいよ。それに必ずしもアイツ、ケルベロスはスチールを死なせることを望んでいるとは限らないしね」
そう言ったところに、火鉈達禁忌能力者が集まってきた。1番に火鉈と目が合う。
『蘭太ぁ!よくやった!』
という労いの言葉を貰えるのだと、そう蘭太は思っていたのだが…、
「んー、まあ蘭太、ナイス活躍。お前いなかったらこの任務達成できなかったかもな…エグいほどの強さだった、うん。でもな!??」
確かに労ってはもらった。しかし「でも」とはなんだろうか?
ガシッと蘭太の肩を掴み、ゆっさゆっさと揺さぶりながら火鉈は喚く。
「頼むからもうちょっと周り見て戦ってくれ!余裕なかったのは痛いくらい分かるがせめて仲間がいることを忘れないでくれよなぁ?!!」
蘭太は水の能力者だ。高火力の攻撃をするには大量の水を伴う。そして今回はそれが多発していたのだ。さらに2人の厄災級の戦いは激しいもので、あちらこちらに瓦礫などがぶっ飛んでいたのだ。
そして禁忌能力者は当時グラビティと戦っていた。つまり禁忌能力者は厄災級と戦いながら色々な方向から迫る水流や瓦礫などでそれはもうとても慌てふためいていたのだ。死者が出なかったのはある意味奇跡なのかもしれない。
「うぅっ…おええ…」
揺さぶられすぎて少し酔ったのか蘭太は気持ち悪そうにしていた。火鉈が慌てて手を離した後、蘭太は口の中に液体が溜まっていく感覚を覚え、飲み込もうとしたが、
ーーーーー吐いちまっていいんじゃねぇのか?ーーーーー
と、謎の声が聞こえ、
「ぼぇっ」
無意識に従って吐いた。
吐いたモノは赤かった。
「あ、血か」
蘭太はこう見えて体へのダメージは相当なものだった。
暴走によって負担がかかり、さらにはスチールの攻撃によって変身を強制解除させられてた体である。
その割に蘭太はけろっとしすぎたせいで他の者達は一瞬起こったことが何なのか判断がつかなかった。
「あっ、ふーん…血かー。……え?血?吐血?ちょちょちょちょ!!!」
ふらーっと倒れかける蘭太を慌てて支える。
「落ちるなー!寝落ちみたいな感じでいくなー!」
「ああー…ひつじが…」
「落ちんなぁぁ!!」
数分後。
「いやーびっくりしたー、まさか血を吐いちゃうなんて」
「当たり前のように出してたせいでむしろ自然でしたよ?もっとやっていいと思います」
「もしかして舞って俺のこと『死ね』って思ってません?」
「そんなことないです。厄災級が血を垂れ流して天に召されるなんて究極にださい死に方したら面白いかななんて思ってません」
「ちょっとー?やけに具体的デスヨー」
蘭太と舞が何やら物騒(?)な言い合いをしていた。
しばらくすると、言い合いが終わったのか蘭太は火鉈に言った。
「火鉈、ちょっと俺ケルベロスのお参りしてくる。先に宿戻っておいて」
「んー、まあいっか。日も暮れてきてるし、そろそろ行かないとな。みんな、行くぞ」
ぞろぞろとメンバーが宿への帰路へ着く。だが火鉈だけは「ああそうだ」と呟いて蘭太に近づき、耳打ちした。
「後で聞きたいことがある」
と。
ーーーーーーーーーーーー
「時間を除くがそれ以外全てを超える権限能力…。実際に見ると凄まじいもんだ。けど?俺様にはおよばねぇだろうよ…?」
『怒りの厄災』の権限能力を見ていた王は呟いた。誰に対してでもなく。だが、
「お言葉ですが、王」
いつのまにか部屋に入ってきていた部下が答えた。
「いくらあなたでも『超える』能力相手には厳しいのでは」
「あ゛?」
一瞬にして王の口調が不機嫌そうになる。
「傲慢たる王のこの俺が厳しい状況になる?テメェ、俺様はいつ戯言を言えと言った?」
「ひっ…」
部下がすくみあがる。それに反応するように王の左の黒目部分が金色に輝く。すると部下は一変、無表情になり直立した。
その部下に対し王は言う。
「貴様は俺様の部下であって対等な立場じゃない」
「はい」
「次に同じ愚行を行えば自我のみを残した状態で自殺させる。わかったな?」
「はい。了解しました」
「フン、出て行け」
機械のように部下は不自然にハキハキと答え、そのまま部屋から出て行った。
部屋から出た部下は扉を閉めた後、何か縛りが解けたように崩れ落ち、荒く息をしていた。
「ハァ…ハァ…!なんだったんだ…!?なんだあの体も心も自分のものじゃない感覚は!??」
興味本位で話しかけただけだった。普段は温厚だった王のことだからそれぐらいしても大丈夫かなという好奇心から定時連絡がてら王に言葉をかけたのだが、まさかこんなことになるとは思ってもいなかった。
「あの王は災いだ…!」
部下はふらつきながら自分の持ち場へ戻って行った。今の部下にあるのは王に対する「畏れ」の感情だった。
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宿に戻った蘭太は寝服に着替えベッドに倒れて少し前のことを思い出していた。
それは蘭太が元ケルベロスの鉄塊に手の平を合わせ頭を下げていた時だった。いや具体的に言えばその後だった。
「蘭太」
火鉈が呼びかけた。他の禁忌能力者は先に行ったので事実上蘭太と火鉈だけがそこにいる。
「そういえば話があるって言ってたね、何?」
「単刀直入に行くが、お前は何者だ?少なくとも普通のハーフフェアリーと違うことは確かだ」
「……」
なんのこと?と言い返すこともできたが、はぐらかすには不自然な点が多すぎた。だから蘭太は素直に答えることにした。
「戻った記憶によれば、だけど…。俺は龍族と人族が交配して誕生した『龍人』だった」
「龍族の…遺伝子を持ってるってことか?」
「そう。あの最強の『隣の者』の1つの龍族だよ。でもなんでわざわざ人間と交配したのかはわからない」
「そうか…じゃあ次の質問だ」
そこから何個か火鉈は蘭太に質問をした。話している間蘭太は俯いていた。だんだん分かった気がするが、元々自分の物だったとはいえいきなり大量の記憶が戻ったことでまだ心の整理が落ち着いていないのだ。
ひと通り話し終わった後の蘭太の頭に手を置き、火鉈は言う。
「大体分かった。まあお前が何であれ関係は変わらない。お前は自分を見失わなければそれでいいのさ」
ぽんぽん、と2度ほど頭を軽く叩き火鉈も帰路に着いた。
蘭太はしばらくその場にいた。
…………
「『自分を見失わなければいい』…か、難しいこというよね」
「課題だね」
『いかに暴走を抑えるか』。これが蘭太のこれからの課題だった。
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翌日。
火鉈達レイドチームは宿をチェックアウトし、FG旧博多支部に戻って報酬を受けた後、解散した。
そのあと東京本部へ戻る電車へ乗る前になったとき、蘭太達は一体の「隣の者」と出くわした。
そいつは何か紫色に光る石のような物を持っていた。
「む、龍気が反応している」
唐突にそう言ったそいつは蘭太に近づいて例の石を渡した。
「これ、何?どうして俺に?」
「『囚われてた我らの仲間を解放してくれたことと、ケルベロスを供養してくれた礼にこれを渡してくれ』と頼まれて来た。その石について聞いたら『龍界とこちらの世界を渡行き来するための代金のような物だ。だが龍気を持つ者にしか使えないから我らには無用の長物だったのだが助けてくれた時にかなりの近距離から龍気を感じたので使える者がいるだろう。龍気を感知すると光るのでそれを頼りに相手を探してくれ』と言われた」
「ああ、うん。ありがとう。でも見つからなかったらどうするつもりだったの?」
「その時はその時だ。とりあえず相手は見つかったから私の役割はおしまいだ。仲間を助けてくれたこと、ケルベロスのこと、私からも感謝する。その石、活用してくれ。ではまたいつか」
そう言ってそいつは歩き去って行った。
しばらく蘭太はぼーっとしていたが、
「おーい、蘭太ー?行くよー?」
というルルの声をハッとなり、皆と合流して今度こそ帰路に着いた。
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「グルァラララァァ…ドラゴ…ドラゴン…ドラドラドラドラララLALALALALA……!!」
そこはとある実験室。巨大な広場のような部屋にいるのは1人の変身能力者。だが明らかに異常な様子だ。
ソレは模擬戦用に用意された龍を模した物体をいとも容易く破壊する。支離滅裂な言葉を喚き散らしながら。
そしてその広場を見下ろす用に作られた別室には科学者のような人とその助手がいた。
「………は限界値を超えました。もうすぐで運用可能と思われます」
「上出来だ。今日の実験は終了。変身、解除」
ピッとボタンを押すと暴れまわっていた変身能力者の体から電気が迸り、強制的に変身を解除させられて倒れたあと、荒い息を吐いていた。
はいどうも、どらっごです。
最近思ったんですよ、というかリアルの友達からも言われた…気がするんですよ。
「お前んトコの(小説)、武器の類ないよなー」
って。
いやあるにはあるんですけどほら、武器って使ったらほぼ絶対腕やら足やらがぽーんって飛ぶじゃないですか?あれ個人的に嫌いなんですよね。血が噴き出るののもそうなんですけど、不便じゃないですか?生物って特に人間とか(ハーフフェアリーの再生能力は人間のそれと同じくらいという設定です)は四肢のどこかが切り飛ばされても再生しないじゃないですか。だからそこのこととか云々かんぬんがもういろいろとアレでしてね()
しかし、そうは思ったんですけどやっぱり装備系はあった方がいいのかなーとか思ったり…?
まあどんな判断をしたのかは次話かその後くらいになったらわかるんじゃないか…と思います!
ではでは、また。




