21・・・「超えた者の権限能力」
いやー最近1週間に1投稿になってますね。
まあリアルの方でちょっと忙しいってのもありますね。
それはそうと、21話行きますよ。
「スチール、『欲望の厄災』。第2ラウンド、スタートだ」
そう言った蘭太に対し、スチールはそこら辺に転がっていた鉄塊を掴み上げ食らった。さしずめエネルギー補給である。
ガジガジと鉄を食いながらスチールは疑問をぶつける。
「お前、本気で言ってんなら思い出した方がいいぜ?『俺にパワーを奪われた』ってこと」
そう。蘭太が一度スチールに負けた理由はそれだ。攻撃力を奪われているため、スチールに攻撃という攻撃が通じなくなってしまった。
だが当の本人は全く気にしていない様子だった。
「あっそう。でももう関係ない」
そう言ってのんびりと右手を構え、殴るモーションを取った。
それだけでスチールは殴られた感覚と水蒸気爆発を受けた。
後ずさりながらスチールは驚愕する。
「がぁっ!!?何が起こった!?」
スチールの驚いたことは2つ。
1つ目は攻撃力を奪われたはずの蘭太の攻撃が効いていること。
2つ目は10m程の距離があるはずなのになぜ殴撃が届いたのかということ。
「ん?パンチしただけだよ」
けろりと蘭太は答えた。
「は?意味わかんねぇ…お前さっきなんかやったか!?」
「雷花を受け入れ、心整理して、怒りを克服しただけだよ?」
「……ああ、そういうことかなるほどクッソめんどくせぇ!!」
スチールが叫んだ。全く想定していなかったことに対する「なんてこった」の叫びだった。
『こいつは使えるようになっている…!』
そうスチールは気づいていた。
対して蘭太は耳を塞いでいた。
「うるさい。とりあえず済ますよ、この戦い」
そう言って高圧水流を放ったが、
「クハァ!大層なもんだなぁ!?じゃあもう好きなだけ頂くぜ!!」
もう我慢しなくていいだろう?と言わんばかりの声とともにスチールの左目が強く光る。すると迫る高圧水流が緩くなり、スチールに吸い込まれる。
『ああ!盗られちゃったよ!私もうダメじゃん!?』
蘭太の中からルルの悲鳴が響く。続いてスチールが奪った水の能力を使って攻撃を仕掛けてくる。
「げ、なんだあいつの能力は!?」
蘭太は新しく得た雷の能力で瞬間的に移動して躱す。
「知らねぇのか!?そいや俺から解説してなかったなァ!??俺の権限能力は『欲しいものを欲しい分欲しいだけ奪う』ってヤツだぜ覚えとけやァ!!」
そして今度は蘭太から雷の能力を奪う。
『ええぇ!??嘘でしょ?!私まだ攻撃に能力使ってない!!』
今度は雷花の悲鳴が蘭太の中で響いた。
だが蘭太は反対して落ち着いていた。まだ戦う手段があるからである。
「なるほど解説ありがとう!だったら権限能力には権限能力ってな!」
蘭太の姿が一瞬で搔き消え、スチールが殴撃を真正面から受けたように派手に後ずさる。
「ぐはぁっ!」
その直後に先程スチールが居たところの前に蘭太の姿が現れた。
凄まじい火力だったようでスチールは立膝をついていた。
「てめぇ…なんでだ…?なんでまだ攻撃が通る?」
それに対し蘭太は直接は答えない。代わりに、
「『欲望の厄災』の権限能力のこと説明してくれたお礼に教えてあげる。俺が思い出した、『怒りの厄災』のこと」
しばらくスチールは動けないと確信した上で話を始めた。
「厄災級の一角を務める『怒りの厄災』が司る怒りの感情は、全部で7つの感情の内最も至りやすい典型的な負の感情だ。だから権限能力の発動条件は『その怒りの感情を乗り越える。すなわち自分を超えること』ってなった。流石にこれは知っているだろうってあの時のおじさんは言ってた」
蘭太にもそのおじさんのことはよくわからない。しかしスチールは「あいつか」という表情をしていた。
「んで、ここからがよく知られていない『怒りの厄災』の権限能力。それは『時間を除く全てを超える』ってものだ」
その場の全員が「は?」という表情をした。
デタラメ過ぎるのだ。厄災級の権限能力はどれも脅威であることには変わりないのだがコレはその中でも異常な方である。
時間を除く、全てを超えるのだ。裏を返せば時間以外ならばなんでも突破できる。そして量にも制限が設けられていない。ここ大事である。例えば、
「さっきのは『速度限界』と『攻撃力限界』、『防御突破の限界』を超えたもの。だからお前にパワーを奪われたところで特に問題ないのさ」
「…くそったれ…!」
概念も超えられるのだ。
ちなみにこの前の水蒸気爆発を伴う攻撃は『空間』と『攻撃力限界』、『防御突破の限界』を超えたものと水の能力を組み合わせたものである。
だがここで負けを認めるようなスチールではない。特に動く気配のない蘭太の足を自身の能力で操る鉄で固定させ、奪った雷の能力で感電させる。
そこでようやく立ち上がったスチールががら空きの蘭太の胴体めがけ蹴りをかます、が…。
気がつけば蘭太の姿は横にずれ、足は空を蹴っていた。
「何!?」
一瞬すぎて蘭太以外の者には何が起こったのか理解するのに数秒かかってしまう。その間をつき蘭太は硬直状態のスチールを回し蹴りで吹っ飛ばした。
ちなみに何が起こったのかは至極単純である。空間跳躍をしただけである。
拘束されていた自身の体をその座標から少しずれた位置へ空間へ超えさせたのだ。
「ああ、ぐ…かはっ…!」
スチールはそろそろ限界だった。なにせ変身してから通常・暴走の厄災級と1人の禁忌能力者と戦っている。いくらさっき鉄を食ってエネルギー補給したとはいえすでに手負いの状態なのだ。
そんなスチールを見て蘭太は右腕を後ろ側にして攻撃の構えを取る。
「スチール。これで終わりだ…!」
右腕にオーラが纏われる。
そのオーラは超えたことで自在に操れるようになった怒りの感情エネルギーである。
「名付けて…跳躍の爆撃!!」
勢いよく打ち出された拳が空間を超えスチールに当たり、大爆発を起こした。
直後蘭太は吹っ飛ぶスチールを自らが開けたワームホールに入れ、爆発後に元いた場所へ戻した。
スチールはまだ立とうとするが、もう限界のようで、光に包まれ変身解除し、倒れた。
「があっ…ごほ、がはっ…」
そこへ静かに蘭太は歩いて行く。
それに気づいたスチールは皮肉を垂れる。
「ハッ…負けたぜ…殺すんだろ?殺れよ…」
しかし、
「悪いけどもう殺す気はない。むしろ生きてもらわないと」
「何?」
「そして生きて償え。自分がやった過ちを、生きて、反省して、正義のために有効活用しろ」
もちろん蘭太にもスチールを許せないという心はある。だがだからと言って殺してしまえば向こうのケルベロスに笑われる。
『結局お前もこの男と同じく他を殺すために力を使うんだな?これじゃ本当に災いだ』
と。
だが「違う」と蘭太は思いたかった。
そして、もう一つ殺さない理由があった。
ゆっくりとまた起き上がるスチールに対して、蘭太は、
「それはそうと、返してよ、俺達から盗ったもの」
「は?」
「いやだから、返してよ。とっても困るから…」
ん、とスチールに手を伸ばす。頂戴というように。
だがスチールは、
「1つ、答えろ。お前はその力を何に使う?世界の破壊か?未来を切り開くためにか?」
「模索中。でも、少なくとも俺は自分の信じる正義のために使う。前者のためには使わない」
ふ、と少しだけスチールは笑った。そんな気がした。
「あの『王』が何人もの候補からお前を選んだ理由がなんとなくわかった気がするぜ。あーあ、本来俺は盗ったもんは返さねぇんだがしょうがねぇ、返してやるよ」
パチンと指を鳴らすと何かがスチールから蘭太へ移った。
その時に、
「未来の希望の邪魔になっちゃ悪りぃからな」
とスチールは呟いたが、誰にも聞こえていなかった。
そのままスチールは無言で蘭太から離れた。今は鉄塊となってしまったケルベロスの遺体のところへ向かったのだ。謝罪のために。
そんなスチールを見送り、蘭太はもう1人の厄災級、グラビティの方を見るが、彼に戦う意思はなかったようだ。
まあ、権限能力の使える状況でないグラビティが今蘭太と戦ったところで勝ち目はまずないのだが。
その後、スチールと合流したグラビティは『隣の者』達を連れて去っていった。彼らを元の場所へ帰すために。
『ひとまず、終わったね』
「そうだな」
蘭太は自身で変身を解いた。
どうも、どらっごです。
まず言っておきますが、エタるつもりはないです(唐突)。気持ち悪いですしね。(でもどうしても忙しすぎて書いてるヒマない!とかいう時には活動報告にて連絡入れます)
なんというか、前から書いてた、1週間ペースで投稿云々かんぬんのアレが実行されつつあるってな感じで勘弁してくださいな。
こちらもなるべく早く投稿できるよう努めますので。
さて、二重共鳴と『怒りの厄災』の権限能力この2つを手に入れた蘭太君。どうやったらスチール倒せるかなーって思ってたらなんてことない、権限能力しかあ゛り゛ま゛せ゛ん゛て゛し゛た゛!(泣)
だって!スチールの『欲望の厄災』の権限能力、基本なんでも奪えますもん!欲しいトコだけ!本文にあるように2つ能力あったところで(そりゃもちろん強いですが)盗られて終わりじゃん!?
ちくしょう!今度二重共鳴を活躍させてやる!(というか『怒りの厄災』の権限能力はそうそう使えないので二重共鳴が使用頻度は高い。きっと。)
…あ、そうでした。活動報告にちろっと書いた記憶あるんですがこっちでは一言も言ってない気がする『欲望の厄災』の権限能力のことなんですけど、唯一制限あります。「魂や心、他の厄災級の権限能力は奪えない」です。
後書き長々しいですね、ここらへんにしておきます。
ではでは、また。




