1・・・「少年の語り」
1話いくぞードッカーン!!
朝。晴れだ。
現在6時20分。
「気持ちいい朝だなー!」とかいったよくあるテレビの主人公の朝みたいなことは思わない。むしろまだ寝たい…。
だが今朝は珍しく二度寝できそうにもなかった。
(ん…。またあの夢、いや、記憶か…いつ思い出しても辛い…みんな向こうで元気してるんだろうか…いや憎んでるか、俺を…)
と、ぼんやり考えていると…
「蘭太、目覚め悪そうね。水でも顔にぶっかけてあげよっか?」
肩に乗るサイズの小さな妖精が話しかけてきた。
蓮藤蘭太、寝起きでぼけぼけしながら妖精と話している少年の名だ。年は15歳である。
訳あって現在一人暮らし中。
「いつも言ってるけど要らない…。てかお前氷混じるほど冷たい水かけようとしたでしょ」
「ちぇ、バレてるか…って、あ!ねえ、ご飯作って!時間時間!!」
「は!?」
どうやらぼーっとしているうちに10分くらい過ぎていたようだ。
それからなんでもない話をしつつ数分後……
ジューッと料理音が聞こえる。こんな朝っぱらから。
「あーしくじったな…こんな時間かかる料理なんてするんじゃなかった…そうだ、暇だしちょっと聞いた昔のお話でもしてご飯作ろっかな」
「誰に?私ならその話知ってるよ?」
「うーん…。じゃあ独り言みたいな感じで喋っとこう、なんせ暇なんだよね」
「私というペアがいながら?」
「ルルには今から水道代節約の為しっかり働いてもらうよ?多分喋ってる暇ない」
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁブラックゥゥゥゥ…………」
ルル・イーリア。蘭太とペアの妖精だ。水の能力を持つ。
「さて、お話をしよう。
所詮独り言の類だからスルーしても構わないが、出来れば聞いてもらった方が話し手は嬉しいんだろうなぁ、って思いつつね」
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【隣の者】、それは昔からいるかもしれないしいないかもしれないと言われてきた存在。その中のひとつに妖精というものがいる。日本の八百万の神のようにあらゆるもの(土や水、雷や炎など)に宿り、それぞれの個体に対応した能力1つをもつ(例えば炎に宿る妖精は炎の能力を司る)と考えられていた。
個体別に違うとは述べたが家系のようなものでは繋がっており、妖精の中でも親と子では同じ能力をもっている。
けれども、みんな昔から見えていないだけでそこに居るのだ。
西暦2020年よりかなり未来、【隣の者】と呼ばれる者達が人にも見えるようになった。
彼らはその身に宿る力を利用して生きてきたが、自らの力のみでは限界を感じ、更なる発展を求めて技術をもつ人間と交流を図っていたことにより、自らを可視化したのだ。
だが、彼らが接した人間は残念ながら期待とは違う者達だった。人は彼らの能力を恐れると同時にそれを活用すればこれまで以上に軍事力を高められると考えたのだ。
だから人間は妖精たちを自分達のモノとすべく侵略し始めた。もちろん【隣の者】は抵抗した。
侵略、抵抗(だんだん抵抗は報復となっていった)は回数を重ねるごとに凄まじいものとなった…...。星をも滅びかける戦争になるほどに。
それは凄惨なものだった。人の悲鳴や怒号、そして戦闘音が鳴り止む日どころか、一瞬すらないほどに。
1つ轟音が響けば人間や小さい【隣の者】は塵のように吹き飛び、大きな【隣の者】はばらばらに爆ぜ、死んで行く。
あまりに軽く命が失われて行く故に、後にはその大戦をなんだかゲームのようだとか表現した者もいた。
あまりに影響が大きかったのか、海はほとんど蒸発してなくなっていた。
だが、結果的にそれを止めることになる新たな勢力が現れる。妖精と人間が配偶し、同じ遺伝子をもつ2人の人と妖精(同性の、1人の人と1人の妖精がセットで1つの個体という少し変わった状態である。その点蘭太とルルは変わっている。)、ハーフフェアリーである。彼らはその身に備わる人間と妖精との能力の長所を完全に生かしきり、この永遠にも思われた戦争を終わらせた。
ちなみにハーフフェアリーは記憶とを人間側と妖精側で共有しあっている。
だから先ほど蘭太が話そうとしていたことの内容をルルは「知っている」と言っていたのだ。
だが、ルルがしようとしていたことを蘭太が見抜いたのは彼女が露骨にいたずらしたそうな顔をしていたからなだけである。
これは後に[滅星獄戦]と呼ばれる。
まるで地獄のようなその戦争を忘れないように、と先人が畏怖を込めて付けたのだ。
終戦後、戦を終わらせたハーフフェアリーの指揮のもと、被害地(星全体)の復興、生態系・海洋の復元(復元がなぜできたのかはその先もずっと謎)などが行われたーーーーーーーーー
それから2世紀後、最近だ、うん。
妖精は人と共存し、そのほとんどがハーフフェアリーとなった(最初は少なかった)が、残念ながら2世紀という短そうで長そうな時の中で先の大戦でのその凛々しさは薄れていた。
忘れているだろう。すでに。
先人が残そうとした畏怖の心などはとっくに。
今は平和だ。だが所謂平和ボケをしている。
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朝食を作り始めて早1時間が経った。
「あ、やっとご飯できた…ちょうどお話もキリがいいだろうしここまでにしようかぁ」
「もう7時半なんだけど…お腹すいた…疲れた…」
本当に料理している間に使いまくられたルルが少しだけ涙ながらに抗議するから、とりあえず労ってあげとこう。
「お疲れ様、もう少し早く起きるべきだったかな?でもあんまり早起きし過ぎてもね…ま、食おうか」
数分後。
「「ごちそうさま〜」」
そして始まる蘭太のこれまでも、これからも繰り返されるうちの1日。
「ピィピィ、ピッピピピ………」
「チチチチチチチチチチ…」
「ジジジジジ…………」
……………………………
そういやなんか今日はちょっとだけ外の鳥たちがうるさいな………。
へっくしゅん!
あー…なんか噂でもされてるのかな?
ーーーーーーーーーーー所在地不明、「ミスト」拠点総長室。
「ボス、『アノコ』、もう充分泳がせたのでは?」
ボスと呼ばれる男が秘書を務める男に話しかけられた。
「かも、しれないな。だが回収には至らない。進展がなさ過ぎる」
ボスが持っていた書類にはどこから手に入れたのか小さな少年の写真があり、こう記されていた。
すなわち、[希少種。経歴不明。華奢ながら強靭な肉体を持つ逸材。]。
だがここ最近あまり動きがなく、見込んでいた成長が見られない。
だから、
「少し、こちらから手を加えるとしようか。おい、ライト、お前には『アノコ』と接触および交戦を命ずる。もし成長の見込みがない、または死を受け入れたのを確認したならば殺すことを許可する。」
秘書とは異なる、ライトと呼ばれた青年は頭を垂れ、
「了解」
と答え、
「報酬は何になりますか?」
と、ある意味とんでもない発言をした。
「は?」
ボスが、お前まじかよ今その話すんのかよー…的な表情をする。
「あ、いえ、我が隊のメンバー、俺含め、正直なところ報酬は何なのか次第でやる気が変わりますので…。」
「え、まじ?あーでも帰ってくんのが前提だぞ?報酬は1段階昇格ってのでどうだ?」
「あーいえ、そういうのでは…なくて、もっとこう…おn…」
「よし報酬は1段階昇格で決定だいいな異論はないものとする吉報を待つぞ」
ライトが欲にまみれたさらなるトンデモ発言をしそうだったのでボスはササっと強引に話を進め、終わらせた。
ライトが出て行った後、ボスは他の者にも指示を出す。
「さあ…、そろそろ動こうか。じゃなきゃ鈍っちまうぜ…!」
ーーーーーーーーーーー数分後。ライト隊用室。
「さて、フザケた話とやらはあれぐらいにしといて…」
部下達へ話をする前にこうぼやいたライトには、先ほどまであったお調子ものの気配はなく、狩人としてのそれを纏っていた。
そして部下達に簡潔にボスから下された命令内容を伝える。そして、
「いくぜ。久々の戦いだ。気ィ入れていくぜ!」
「了解!」
こんばんは、初っ端から週一投稿ガン無視してます、どらっごです。まあ目安ですし…ね?
あのですね、書き書きしてて思ったんですが、小説って書くの難しいですね…。
まあそんなこんなで頑張ります、お付き合いください。
何かここ間違ってないかな?とか思ったら言ってくださいませ。
ではでは、また。




