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9・・・「不穏」

ふざけるネタが残念ながら思いつきませんでした。デデドン!


では行きます。



目が覚める。


ここは…施設だろうか?


ぼくはどうやら大人と話しているらしいが声は聞こえなかった。代わりに見えるのは大人の動く口とその奥に見えるモニターだった。


そのモニターには龍の画像が映っていた。その龍はがっしりとした2本の足と2本の腕、そして1対の翼を持っており、凄まじい勢いの水流を口から放出していた。

不思議とぼくはその龍に親近感と憧れのような気持ちを抱いていた。


それを感じたのか、大人はぼくの頭をなでて、


「懐かしいかい?」


と言った。ここだけ聞こえた。


…え?どういうこと?



ここでザーッというノイズとともに視界が暗転する。



次に目を覚ました時、ぼくは下を向いていた。

両手首のあたりがジーンとするから見てみると、鎖のようなものでしっかりと縛られて上に上げられていた。他の部位を見てみるとお腹と両足首も縛られてはいた。

つまりこういうことだ。ぼくは今Y字ポーズをとらされている。

だが何故だろう。暴れる気にはならなかった。


そんな時、声が聞こえた。


「…………によりやむなく拘束中。原因は…………と…………による自己認識の拒絶反応と推測されます」


「…………を受け入れられるほどの器なのに拒絶反応には耐えられない、というわけか。ではどちらかを抜くしかないな…。」


「ですが、どちらの…………もいずれ必要になります。保管する場所が必要です。そこはどうされますか?」



…え?どうなるの?


と思ったとき、また例のノイズとともに視界が暗転した。



「ッ!!」


蘭太はガバッと起き上がる。どうやらさっきまでのは夢だったようだ。

だが何の?

少なくとも自分の記憶ではないはずだ。


『だって俺は一度も龍なんて見たことない…、それに俺は暴走するまで1人じゃなかった。最初から1()()だったあの夢の中とは違う…!』


どういうことだ…?わけがわからない…という感じで蘭太は酷く混乱し、冷や汗をだらだらかいていた。少なくともこんな夢は一度も見たことなかった。

…が、そんなことを軽くぶっ飛ばすようなことが直後に起こる。


何故か左腕が持ち上がらないなーと思い見てみると、なんの気まぐれを起こしたのかわからないのだが雷花が左腕を抱いてすやすや寝ていた。他の人たちは寝ているので小声で話していく。


「……は?えと、とりあえず…、雷花さーん、起きてくださーい。多分ベッド間違えてまーす。」


「ん、うう…」


雷花が起きて、目が合う。途端に殺気を感じる。()()()()

ルルである。蘭太が起きたので釣られて起きてきたのだ。目が怖い。


「蘭太〜?何してるのぉ〜?まさか、他の女の人に手を出すつもり〜?」


「い、ぃいいえ違いますよルルさん…。これはその、あのですね…、ぼくは普通に自分のベッドで寝てて、起きたらいつのまにかこの人がいて…」


「私ここまで動いてきた記憶ないわ…?」


「ちょっと雷花さん!?それいうなら俺だってあんたをここに連れてきた記憶ないですよ?!」


「蘭太?☆」


「ひぃ?!」


やけに明るくルルが呼びかけてきた。こういう時はだいたい…。

キレている。そして次に行われるのはお仕置きなのだが、若干トラウマに近い記憶として蘭太には刻まれている。


「勘弁じでぐだざい…!ぼくほんとに無理です!だから、だからそれだけは…!」


「朝までおやすみ☆」


カキーンという音とともに蘭太の意識が吹っ飛び、コテッという効果音がお似合いな勢いで倒れた。


ルルのお仕置き。

それは蘭太の頭部部分を生体に障害が出ないレベル・部分・時間で冷凍するというものだ。

鬼畜なのは、次に起きる時間まで調節出来るということ。


もちろんこの冷凍能力を使えば生き物などを殺すことは容易なのだがルルは蘭太との共存を何より望んでいるため絶対にしない。

そしてルルは責任を完全に蘭太に押し付けるということはしない。故に。


「あらら…蘭太君寝ちゃった…。」


「さて…、雷花さん、話を聞かせてもらいましょうか?」


「…え?」


「『え?』じゃありません。蘭太はとりあえずお仕置きで寝かせましたが、あなたはあなたです。別です。どうしてこうなったかちゃんとあなたのそのお口から聞かせてもらいます。スパークちゃんもです。」


「「ひぇぇええぇ」」


他人事のように済ませようとした雷花を逃さず捕まえた。

いつのまにか雷花だけでなくてペアのスパークまで巻き添えを食らっていた。



「まず、あなた自分からここに来ましたよね?」


「はい…」


「だめです。蘭太はそういうの気になる年頃なんですから考えてください。だいたい…」


そこから朝までルルによるお説教は続いたのだという……。



ーーーーーーーーーーーーーー



同じ夜。旧北九州にて。


そこにはケルベロスを筆頭とした「隣の者」たちがいた。

いや、具体的にはそいつらの他にもう2人いた。

ケルベロスは2人、正確にはその内の1人に向け怒声を浴びせる。


「もういいだろ!?さっさと帰らせろよ!俺らは早く帰らなきゃなんねぇんだ!お前らのよくわからねぇことに付き合ってなんかいられねぇんだよ!」


「隣の者」は気まぐれを起こして人里に降り、人を襲うことがあるが、そもそも人里に降りてくる理由は主に食料が足りないからである。

現状この世界の生物分布数はハーフフェアリーより「隣の者」のほうが圧倒的に多い。それにもかかわらず先の大戦の影響でハーフフェアリーのほうが領地を多くとってしまったため彼らは慢性的な食糧不足に陥っている。

このことを知っている一部のハーフフェアリーは食べ物を譲るのだが知らない者は反抗し争いになってしまう。ちなみに蘭太は常に携行食品を持っているため「隣の者」にすぐに言うことを聞かせられるのだ。

それ以前に厄災(ドラゴン)級ということもあるのだが…。



果たしてケルベロスに怒鳴られた当の相手はというと…。


「ごちゃごちゃうるせぇなぁ。てめぇらまだ本命達成してねぇっての分かって言ってんのか、あ?」


とイラついた様子で答え、ガジッと鉄棒を齧った。それだけでその場の空気が張り詰める。


「所詮撒き餌の分際でよぉ、『さっさと帰らせろよ』だあ?ざけんな何のためにてめぇら生かしてやってると思ってんだよ?タダで生かしてると思ってたのか?ンな美味い話あるかボケ。こっち側にメリットなきゃ生かすわきゃねぇだろうが。」


「そこらへんにしとけスチール。だるい」


スチールと呼ばれた男はもう1人に止められた。


「すまんな、こいつはちと欲深い。…今日の所は解散だ、いつもの寝床へ帰ることは許可してやる。行け」


「隣の者」達はスチールよりこちらの男の方を恐れているらしく、無抵抗で下がっていった。


しばらくして。


「ヒュー、怖いねぇグラビティ、いや『飽きの』。さっすが厄災級」


「それを言えばお前もだ、『欲望の厄災』」


そう。この2人は厄災級だ。スチールは本当は昔からの付き合いのライトを連れてこようとしたのだが断られてしまい、しゃあなし1人で「『怒りの厄災』との接触準備」やるか…と思っていたところ、知り合いのグラビティとやらと会い、内容を教えたところ付いてきた、という流れである。


彼曰く、


「暇だから付き合ってやる。めんどくさくないようやれよ」


とのことらしい。



「ところで、もし『怒りの厄災』とやらが来た時お前が相手するとして、俺は何をする?ただ見てるだけか?」


「そんなことねぇよ、ちゃんとお仕事はある」


「暇じゃないんだろうな?」


「さあ?なんせ禁忌どもの相手してもらうからわからんが、別用してながらでもこっちのを見てるといい。心が昂ぶるぜ?」


「はあ、まあ期待しといてやる」


グラビティと呼ばれた男は能力の特性上オーラで、口を開かずとも相手に畏怖を抱かせることが可能である。故に昔から避けられていたため何にも関わることもなく、何かを得る喜びというものを知らずに育ち、また自分からもその感情を知らず知らず塞いだ。

だから非常に飽きやすい性格を持つ。この間など飽きすぎて1町潰した。


しばらくし、話すのに飽きが来たのか、


「ふわぁ、眠い、俺はもう寝る。朝になったらテキトーにでも起こしてくれ」


「へいへい」


グラビティは自分の寝る所へ向かう。


『不思議な感覚だ。これは“楽しみだ”と言うのだろうか』


という『飽きの厄災』にしては珍しい感情を抱きながら。



はい、9話です。


なるべく章の話数を長くしようとしてて気がついたら会話回ばっかになってました。

一体、なぁにがいけなかったんですかね()


ようやく気づいたのかこいつはヨ…って思ってるかもしれませんがそこはご愛嬌のほどお願いします。(許してください戦闘描写増やすよう頑張りますから。もっといっぱいキャラ達にぶっ壊させますから!)


ではでは、また。



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