魔女の集会で会いましょう
仄暗い闇の底から一人の魔女が生まれた。
明るく光に満ちた天から一人の少年が堕ちた。
魔女は生きる為に殺し、奪い、成長し、破壊と殺戮の二つ名を。
少年は人々の慈悲に乞いながら生き永らえた。
ある日、魔女は少年に出会った。
「お前は、それで生きているのか?」
少年は応えた。
「生ある限りは」
魔女はふと思った、この乞食の少年を得れば、秘薬が作れるのではと……。
少年は思った、この魔女に着いていけば、暖かな世界に行けるのではと……。
それからほどなく二人は暮らし始め、1年、2年と歳月を重ね、気づけば10年経っていた。
魔女は青年に怒っていた。
「……おい、師匠である私を見下ろすな」
「それはお師匠様が小さいから……」
青年は魔女に聞こえないようにボソッとそう言うと、魔女はキッと睨みつける。
煮え切らない青年に魔女はまた怒った声で問いかける。
「おい!なんでお前はそんなに大きいんだ?」
「それは僕が巨人の子だから……」
青年がそう答えると、魔女はまたきつい目で睨んで、ボソッと一言だけ「もう抱きしめてやれないじゃないか……」と呟いた。