夏草を刈り取りて
草は刈り取られ
炎熱の最中に晒される
ゆっくりと草臥れて
色が変わる
緑から茶色へ
それが当たり前だと
突きつけるように
それが綺麗だと
突きつけるように
風雨を浴びて
端から分解されていく
微生物と虫と
一緒に形を変えて
土台にある土を肥やす
いずれ
生えてくるであろう
草花の為に
自らの形を
変えていく事は
全て自然な物だ
あの時の人と
今 僕を見ている
この人は
同一人物ではあるが
心情は別人だ
心だけ
ダウンロード出来るなら
自然なその変化に
意味は
無くなるかもしれないが
争わない理由は
生物には作れない
命ある者は
何かの理由で争う
命の定義の一つ
そう言ったとて
不自然では無い
何かを喰い潰し
何かを曲げて
それで生きるとしても
それは許されている
誰かに許しを請わずとも
それは許されている
あの刈り取られた草の上に
今では綺麗な花が咲く
人が歪めようと
それは変わらない
違う
そう思う人の心は
変わらないというべきか
どちらも
良い物では無いかもしれない
自己陶酔して
自己矛盾の果てに
自己分裂している人間の
綺麗な物を綺麗だと
定義している人間は
外側の人間だと
観察者は
言わなければならない
物書きとして