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プロローグ

「あ〜これは死んだかな」


こんにちは、突然ですが皆さんは走馬灯と言うのを見たことがありますか?

僕は現在進行形で見ております、いや〜すごいですよ周りの物がゆっくり動いて見えるうえいろんな記憶が頭の中に広がって。


(軽自動車にひかれた事はあったけど、トラックにひかれた事はなかったからな〜生きてると良いな〜)


あっ、運転手の人と目が合った、めっちゃ驚いてるよ、目の下に隈があるから居眠り運転かな?

いや、こいつ笑ってやがる、僕をひいたのは狂人だったのか、あれ?じゃあ何で驚いてるんだ?

あ〜なるほど、たまに居るんだよね普通の人生を歩んできたが故に非日常に憧れてる奴。

まったく、この程度じゃどう頑張っても ホームドラマにしかならないのに、非日常じゃなくてあるかもしれない日常でしかないのに。


「大丈夫かっ!」


僕をひいた奴がやっと車から降りてきた、とりあえず救急車呼んで。


「カハッだ、大丈夫なわけ、ないだろ、救急車、呼べ」


やばい吐血した、僕をひいた奴…もう男Aでいいか、男Aが顔面蒼白といった感じで携帯電話を探してる、さっきまで笑ってた奴とは思えない、しかしなかなか携帯が見つからない様子、何やってんだこいつ、さっきから全身が痛くて痛くてしょうが無いんだけど、しかも車の中に戻りやがった、ひき逃げとかやめてよ?あっ戻ってきた。


「すまない、やっと携帯が見つかった」


んな報告要らねんだけど、わざわざ戻ってくる前に早く救急車呼んで欲しかったな〜というかこいつ、携帯電話の電源切ってるとかあり得ないと思うよ、しかも何か手が震えてるし。


「時間なんて聞いてないだろ!早く救急車を」


おい、いい加減にしろ、男Aたぶんそれ、番号が違う、あ〜やばい目の前が真っ暗になった、喋れたし対応さえ早ければ助かったのにな〜。


「くそっ、駄目だこの携帯、壊れてやがる」


違うぞ、男A壊れてるのはお前だ。



_______________________________________________________________



「知らない天井だ」


やった、生きてるうちに言ってみたいセリフ第九位が言えた、残念なのは天井というか青空が広がっていたことだろうか、あれ?これじゃあ知っている天井じゃないか?そもそも青空を天井と言っていいのだろうか?というかここは何処なんだ?


「あの〜すいません、大丈夫ですか?」


気付いたら一人の少女が目の前に立っていた、少し心配そうな顔をしている。


「大丈夫ですよ、ところで此処がどこだかわかりますか?あとお名前は?」


ちなみに僕の周りには草原が広がっていた、しかも木が一本も生えていないうえ全方位、地平線までずっと草原である。


「此処は精神世界と言います、名前はユイ、世界と世界をつなぐ扉という意味があります」


もしかしてこれはテンプレと言うやつなのかな?この子がひょっとして神様?


「神様に近いかもしれませんが神様ではないですよ、まあ、天使みたいなものです」


天使様でしたか、なるほどなるほど、間違えて殺したのでチート転生てきな?それとも異世界で魔王を倒せてきな?あとさり気なく心読だ?


「すごいですね、だいたい合ってますよ、ただ魔王を倒す倒さないは自由です、それに間違えてません」


おお〜まさしくテンプレそして読心術についてはスルーだ流石天使様、でもなんで僕を異世界に誘うんだ?全員に言ってるなら大変だろうな。


「これは全員に言っているわけではなく主人公体質の人間に言っています、ほら、高校時代にギャルゲーの主人公みたいになってたんですよね、あっ普通なら記憶を消して転生させますよ」


はっ?この天使様は何を言っているのだろうか?僕は高校時代彼女どころか女友達すらいなかったんだけど、ギャルゲーの主人公とかなんの話?喧嘩売ってんの?


「すいません、身に覚えが無いんですけどどうなってるんですか?」


「えっそんなはずないと思いますよ、だってこのアカシックレコードに、あれ!話の流れがグチャグチャ、書き換えられてる?いや、そんな事、神様でもできないのに、あっでも司書さんが協力すれば………」


どうやら天使様はどこかへトリップしてしまったようだ。

それにしてもどうやら異常事態らしい、まあ僕が主人公な訳が無いか、でも記憶を消されるのは嫌だな〜、どうにかならないかな〜。


「すいません、少し確認して来ます、適当に時間つぶしててください」


うお!天使様が…もうユイちゃんでいいよね、ユイちゃんが手をかざすと扉が現れた、そしてユイちゃんは扉の中に入ってしまう、何も無い所でどうやって時間をつぶせばいいのだろうか?

扉の中に入っちゃ駄目かな?やっぱ怒られるかな?よし、扉の中に入ろう、僕は扉のとってに手をかけ…


「扉にとってがない!?」


そういえばユイちゃんはどうやって扉を開けたんだっけ?思い返せば勝手に開いていたような気がする、押しても押してもびくともしない、僕の覚悟返せ!


「すいません、遅くなりました」


うお!扉にへばりついてたらいきなり開いた、本日驚くの二回目、いや、トラックにひかれたときも驚いたから三回目だ、いきなりだったから扉に頭ぶつけたよ。


「大丈夫ですか?いろんな意味で、まあそれはそれとして書き換えの理由がわかりましたよ、どうやらあなたをひき殺した人が主人公だったようで、しかもあなたも主人公でした、主人公同士は運命が反発してどんなに近くにいても必ず巡り会わないようにできてます、しかしあなた方はなぜかであった、そのため世界が異常だと認識し、片方の主人公を主人公で無くさせた、いえ、より主人公度が強い方に片方の主人公度を移した、これがその結果です」


なるほど、つまり僕が主人公度を奪われたため僕は主人公からモブキャラになりモブキャラ故にあっけなく死んだと。

ふざけんなよ男A、しかもギャルゲーの主人公とかリア充爆発しろ。


「いや、ちょっとまって、主人公度が奪われたのはわかったけどいったい僕のどこが主人公だってのさ」


「本当にわからないのですか?あなたは襲われていた女性を何人も助けていますよね」


そりゃ、目の前で人が襲われてたら助けるでしょ、日本は助け合いの国だよ、そんな事でも主人公扱いされるんだね、あ〜だから主人公度が低かったんだ。


「しかもそれだけじゃ無い、襲った人も全員を説得し、改心させた、凶悪な快楽殺人犯を自ら自首させ真人間に戻した、それは普通の人間には出来ない、あなたが主人公である何よりの証拠です」


あ〜そういえばそんな事もしてたような。


「でもあれは、あいつらに罪を罪だと認識させるためにやったんだ、あいつらは自分のしてきた事をわかって無かった、だから幸せを壊すつらさを教えてやったのさ、それがあいつらに対する何よりの罰だからね、あいつらの自己嫌悪に陥る表情は最高さ、ざまあみろっての、こんな僕が主人公だって?それこそあり得ないでしょ、まだ魔王と言われたほうがしっくりくるよ」


そうだ、僕が主人公な訳が無い、僕は過去の罪に囚われたれた奴を見るのが大好きだ、ただそれを乗り越え、迷惑をかけた全員に謝罪し、許してもらってちゃんと幸せになった奴を見るのが楽しみなだけ、そんな悪趣味な僕が主人公な訳が無い。


「すごいですね、あなたみたいな人初めてみました」


ユイちゃんって皮肉言えるんだね、傷ついたよ、まあ仕方ないか、きっと素晴らしい主人公ばかり見てきたんだろうし僕みたいな極悪人は初めてだろうね。


「いえ、違います、むしろ主人公は人から注目を浴びたいだけの偽善者の方が多いんですよ、もちろん正義の心を持ち、悪に裁きをくだす本物の善人もいます、ただその人達も結果的に助ける形になったことがある程度で、悪を助けようとしてはいませんし、本物の悪は救うことができません、本物の悪とは救いようの無い悪です、しかしあなたは快楽殺人という救いようの無い悪を救った、どんな理由にせよあなたが誰よりも主人公らしい主人公です」


やれやれ酷い勘違いだ、僕は手助けをしているだけで何も救っちゃいないのに、しかも自分が満足するためにしてるんだ、これを偽善者と言わずして何を偽善者と言うのかね。


「あれ?ちょっとまって、ユイちゃんの話だと僕は誰よりも主人公らしいんだよね?だったら何故僕の主人公度が奪われているの?」


おいおいユイちゃんやめてくれよ、そんなジト目でこっちを見るな、あとため息吐くな、まるで僕が何もわかって無い奴みたいじゃないか。


「事実わかって無いんですよ、あなたは主人公度を奪われたのではなくて奪った側です、だからアカシックレコードの情報がグチャグチャになったのです、高校生活なんて二回やった事になってますよ、しかも一日毎に別の学校で、ギャルゲーの主人公に、ダークヒーロー、全然違う種類の主人公でしたから、世界が拒絶して一番自然な形で排除したのでしょう」


やい〜すごいね、僕とうとう世界からもおいだされたよ、つまり異世界にいってもすぐ追い出されるってことだね、何と言っても世界が拒絶しているのだから。




















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