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乙女飛行

お気に入り登録数7人!?どうなってるんだ!?

ありがとうございます!


そして本編は相変わらず話の展開が遅い、仕様です。構成力が無いんです……。


 「ハハッハハ!見ろ冬子、あいつら今にも武器を落としそうだぞ!」


 「竹田さんも間抜けた声を出してたじゃありませんか。まあ彼等の気持ちも分かりますけどね、槍と機銃では威力が違いすぎますから」


 脱力しきった肢体で、辛うじて武器を保持している兵士達を見ながら竹田と雪村が彼等程では無いが身体の端々まで巡らせていた緊張を解く。


 必要最低限の事だけを考えた、ただソレだけの状態で命のやりとりをする"戦闘"に身を投じたのだ。


 緊張が解けた竹田は深く反省していた、打算があったとは言え結果的にドラゴンに対して機銃の攻撃が通じ、更にその場で滞空したまま単調な攻撃を繰り返して来ただけだった為に無事だったが、もしあの巨体で素早く飛べたなら、吐いた火の玉が誘導してきたら等。

 あの巨体が羽の羽ばたきだけで飛べる世界だ、ファンタジーは何でもアリなそんな世界だと考えられる。


 危機管理の甘さ、"もし"が一つ有るだけで雪村に付いてくる指示を出した自分はともかく、彼女まで命を落とす事になったかも知れない。


 (だが、まあ結果的に成功はしたし兵士達も脱力状態から立ち直ってもこちらに攻撃を仕掛けてくる気配が無い。攻撃しても敵わないから敵対しないって考えもあるだろうが、何はともあれ終わりよければ全て良しだ)


 左手をスロットルバーから離し一発頬を叩く、反省はこれで終わりと思考を今後の展望に向ける。

 いつまでもクヨクヨせずにいるのが彼の美徳だ。


 「冬子、機内に旗とか無いか?振ってコミュニケーションでも取ってみようかと思うんだが」


 「ある訳無いでしょう……、ですが何かしらのアクションを起こさないとこのまま睨み合いが続きますね」


 「だよなぁ、国民的アニメ映画のお姫様がデカいダンゴ虫にしたみたいに風防から立って両手でも広げてみるか?」


 「くふっ、何馬鹿な事を言ってるんですか。自動操縦装置も無いのに操縦桿から手を離せる訳が無いでしょう。真面目に考えて下さい」


 小さく吹き出した雪村に対して竹田が顔を顰める。


 「おい、何想像して笑ったんだ。やるとしたら冬子がやるんだぞ」


 「何で私なんですか!」


 「こういうのは美女がやったほうが説得力があるって相場が決まってるんだよ」


 び、びびびび美女!?と機内で照れまくってる雪村を置いて竹田は真面目にコミュニケーションの取り方について考えていた、さっき言ったことも割りと本気だったりする。実践出来るかどうかは別として。


 「あ、そうか」


 「……また下らない事でも思いつきましたか?」


 「馬鹿、違ぇよ。俺らが得意な事って言ったらアクロバット飛行があるだろ」


 「成る程、スモークも先ほどの戦闘では殆ど使いませんでしたし、ここは一つ派手にやりましょう」


 「お、乗り気だな。最近は零戦の操縦訓練とかばっかりでご無沙汰だったし当然か」


 「アクロバット用に調整された機体では無いので航空ショーでやるような事しか出来ませんが、久しぶりに大きく飛びたいですね」


 無線越しに雪村の喜色一色の声が爛々として入ってくる、彼女が竹田と竹田の父に巻き込まれて航空機やミリタリー関係に興味を持ったのだが、特に入れ込んだのがアクロバット、曲芸飛行だった。


 昇降舵や方向舵等の限られた動きで機体全体をコントロールし、大空を舞う姿に感動した事が発端だ。


 竹田が二二歳の時、アメリカに行って飛行機に乗る、そしてアクロバット飛行をすると言い出した、その言葉を聞いて四年制大学を中途退学してまで付いてきた雪村だ。

 アクロバット飛行のチャンスがあれば直ぐ様飛びつくその熱は本物だと竹田も知っている。


 尤もその付いて行った理由の大半が、竹田へ対する乙女的な感情だったりするが、本人が気付いた様子はここ四年間で一切無い。


 「まあ出来る事と言ったらインサイドループとハートループか、インメルマンで高度を上げてさっさと決めるぞ。そろそろ戦闘前に決めたタイマーの時間だ、実践が終わったとは言え燃料に余裕が出る訳じゃないからな。サクッとやろう」


 「了解です、腕が鳴りますね」


 ニヤリとしながら会話中に組み直したロッテ編隊で機速を一定以上維持しながらインメルマンターン、上昇するエネルギーと時間効率の良い180度のU字ターンを繰り返す。


 十分な高度を取った所で、何だ何だと見守るワイバーン騎兵達を一瞥し、インサイドループ(上に向かっての360度ループ)をする。


 飛龍に跨って乗っているのでは中々出来無い宙返りにワッと歓声が沸く。


 勿論これだけで終わりでは無い、雪村が一番好きな飛行技、赤色のスモークを引きながら"竹田と二人"で同時に上昇し、長年の感覚で培われたコンビネーションで無線のやりとりをする事無く圧倒言う間に空にハートを描く。


 一仕事終えたとばかりに、誰に見られる事も無い機内でニマニマ顔を作りながら雪村が"竹田と"作ったハートを見やる。


 普段は竹田にすら柔らかい程度の表情しか見せない雪村の激レアな表情、彼女を知る人が見れば一気に見る目が変わってしまうモノだ。


 そしてハッとした様に観客の兵士達を見ると大歓声を上げていた、どうやら彼等にも大好評な様だ。


 「良し、これならあの国の北に向かって伸びていた道に着陸してもいきなり攻撃されたりはしないだろう」


 「なら早速行きましょう」


 さっきまでのだらしない表情は何処へやら、一瞬で引き締めた彼女は通信に応じる。


 竹田は通じるかどうかは不明だが、黒いドラゴンに乗る兵士達にバンクを振った後、比較的整地されていると思われる外道(がいどう)に進路を取った。


 零戦の動きに何かの意志を感じたのか、コルセアは大きな肉塊となったレッドドラゴンへ150騎のワイバーン騎兵を向かわせ。

 残りの騎兵隊で零戦にとってのゆっくり、彼等にとってのかなりの速度で竹田と雪村を追いかけた。


無理矢理進めた感がしますが、グダグダするよりは良いだろうな判断です。

文章中でワイバーン騎兵やら黒いドラゴンに乗る兵士やらと変えているのは、軽く竹田の主観が混じったりしているからです。面倒臭かったら申し訳ありません。

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