1: 私の夢を返して!
1:私の夢を返して!
「私は何のためにこの世界にいるんだろう。」
学校の屋上で1人空を見上げながら、少し考えていた。
ありふれた日常の中で、楽しさを見つけられないでいた。
だけど、そんな私にもある出会いが突然訪れる。
いや、ある者達との出会いが・・・。
「バッ」と私は起き上がり立ちあがった。
「う~ん」と体を伸ばす。
こういう時だけ「生きているっていいなあ」と心の中で思った。
「愛~、昼休みもう終わりだよ~。」
「分かった。今行く。先に行っててえっちゃん。」
そう言えば名乗り忘れていたけど、私の名前は春日愛。
西原高校2年生。
勉強は苦手で、運動神経は抜群!
さっき私が呼んだ友達の名前は、久我悦子ちゃん。
だから、えっちゃんなの。
この頃の私には、何も目標なんてなかった。
ただ、毎日が通り過ぎていくだけだった。
今日も疲れた。
部屋のベッドでいつも通りただ休んでいた。
けど、今夜は不思議な夢を見た。
ある若い男の人が私の前に現れた。
私は彼の顔に一目ぼれして、彼に案内されるまま一緒に歩いていた。
「あぁっ、このままこの人と一緒に結婚してハネムーンに行きたい~。」
私は淡い希望を胸に秘めていた。
それが、こんなことになるなんて~。
嫌だも~、信じられない!
「お嬢さん、僕と一緒に夜の遊びいえ挑戦を楽しみましょう。」
彼は、銃を構えながら私に向かって笑った。
「へっ?何で!何!この世界~。」
私は、頭の中で今の状況が理解出来ずにいた。
「そのうち分かりますよ。」
彼は、ますます笑顔が輝いていた。
彼は銃を構えて、目の前に来る大量の敵に向かって「バンバン」と撃ちまくった。
「あ、あの、あなたは何者?」
彼には全く聞こえていなかった。
「あの~。」
おそる、おそる私は彼に聞こうとした。
そしたら、突然・・・
「うるせぇな、静かにしろ!今は目の前の敵に集中してぇんだよ。というか、お前もあいつら目がけて撃ちやがれ!ったく、これだから女は。」
彼は突然私に向かって怒鳴り、銃を放り投げてきた。
「ええっ~。」
慌てている私をよそに、彼は敵に向かって撃ちまくっていた。
弾がなくなると、すぐに彼は補充した。
まるで、ゲームセンターにあるゲーム以上の迫力であった。
これが、本当の夢だと私は思いたかった。
だが、時に状況は一変した。
異次元が揺らぎ、私達がいる夢の世界が崩壊し始めた。
敵はみな異次元に入れず、地獄の底に落ちていった。
私は何とか彼と一緒に異次元に入ることが出来た。
私たちの目の前に夢魔が現れた。
「どうだ、お前の夢は楽しかったか?」
「こんな夢楽しくないわよ!」
私はギッと夢魔を睨んだ。
(こいつ、あたし達を罠にはめやがったな。)
私は心の中で自問自答していた。
とにかく今は訳の分からない状況にいる。
ただ1つ分かっているのは、私の夢は夢魔に支配されてるってことだけ。
夢魔は、突然ニヤッと笑った。
「決めたぞ!お前のすべての夢を俺が奪ってやる!いいや、食ってやる!」
「えっ!」
私は夢魔の言葉を聞き驚愕した。
夢の中でこんな感じじゃ、現実の私の身体は絶対に震えている。
「ガタガタッ、ガタガタッ」
ベッドも私の体に反応したように、震え揺れまくっていた。
私の心臓は「ドクドク」と寝ながら鳴りぱなしだった。
そして、私のすべての夢は一瞬にして夢魔に奪われ食われてしまった。
だけど、夢魔のおなかの中から綺麗な赤い宝石が出てきた。
それこそが、私春日愛のすべての夢の結晶だった。
夢魔は赤の宝石を手に乗せて私達にみせるようにした。
私もイケメンさんもそこに立ち尽くすしかなかった。
私は青ざめてその場に座り込んだ。
「ハ八ッ、ケケッ、ちょろいもんだぜ。これを返してほしければ、俺がこれから出す試験を受けな!夢を取り戻す覚悟があるならな。かわいいお嬢ちゃんよ。」
その言葉は、夢魔が私に対する最初の宣戦布告だった。
「絶対あたしの夢取り返してみせるわ!舐めないでよ!あんたの出す試験受けてやろうじゃない。」
私は夢の中でものすごい啖呵をきってしまった。
もうすぐ現実では朝がきそうなのに・・・。
けど、自分の大切な夢は何が何でも絶対取り返してみせる。
これが、あたしの最初の戦いと珍道中の始まりかな・・・。
はじめまして、珠里です。
このたび、ここで新しく小説を書き始めました~。
最初は何を書こうかと迷いましたが、何故か夢に関するお話になってしまいました。
表現や描写が乏しいのは、ごめんなさいです。
けど、私なりに頑張って書いているつもりです。
ご一読いただけると誠に幸いです。
珠里