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消えた悪役令嬢と微笑みの記憶

作者: 詩永あえし
掲載日:2026/04/09

誤字の修正を行いました。

報告していただきありがとうございます。

 王立学院の古文書保管庫は、地下二階まで続く石造りの迷宮である。


 私がそこに配属されたのは、歴史編集局の見習いとして王都に上がってきた年の秋だった。

 仕事は単純だった。過去の公文書を分類し、索引をつけ、虫食いの羊皮紙を修復士に回す。

 日の光の届かない石の部屋で、埃と黴の匂いに囲まれながら、私は毎日誰かの人生の残骸を捲っていた。


 彼女の名前に出会ったのは、そうした日々のひとつだった。


 それは婚約破棄に関する裁判記録の綴じ込みの中にあった。

 日付はおよそ四十年前。差出人は当時の第一王子、現在の国王陛下。

 宛先は公爵家の当主。内容は簡潔だった。


「王子殿下と公爵令嬢██████の婚約を破棄する」


 理由として列記されていたのは、聖女への度重なる嫌がらせ、社交界における名誉毀損、王家への不敬、貴族としての品位の欠如。

 裁判記録には複数の証人の名が並び、いずれも令嬢の行状を厳しく弾劾していた。


 続く書類は社交界追放の布告文。

 さらにその奥には領地没収の勅令。

 公爵家そのものの取り潰しには至らなかったようだが、令嬢個人に対する処分は苛烈だった。

 爵位に付随する一切の権利の剥奪、王都への立ち入り禁止、社交界からの永久追放。


 書類上は完璧な「悪役令嬢」の履歴だった。


 私はその名を索引帳に書き写し、関連文書がないか調べた。

 通常、これほどの事件であれば、後日の記録がある。

 追放先での動向、あるいは恩赦の嘆願、最悪の場合は死亡届。

 何かしらの続きがあるのが普通だ。


 しかし、何もなかった。


 婚約破棄の裁判記録と追放令を最後に、公爵令嬢██████という名前は、王国のあらゆる公文書から消えていた。

 死亡記録もない。他国への亡命記録もない。恩赦の記録もない。

 まるで、あの断罪の日を境に、この世界から蒸発したかのようだった。


 これほど完璧に「悪」として記録された人物を、私は他に知らない。

 裁判記録の証言はどれも整然として隙がなく、まるで誰かが台本を書いたかのようだった。

 そして同時に、これほど完璧に消えた人物も、私は知らなかった。


 書庫の仕事に戻るべきだった。

 索引をつけ、分類し、次の箱に進むべきだった。

 この公爵令嬢の話は、私の業務とは関係がない。


 それでも私は、しばらくの間、その名前を見つめていた。


 薄暗い保管庫の中で、四十年前のインクはすっかり褐色に変わっていた。

 名前の上を指でなぞると、羊皮紙の微かな凹凸が伝わってきた。

 確かに誰かがこの名前を書いた。確かにこの名前を持つ誰かがいた。


 翌週、私は上官に休暇を申請した。

 個人的な調査のため、と書いた。

 上官は怪訝な顔をしたが、溜まりに溜まった休暇を消化しろとは以前から言われていたので、許可は下りた。


 私は、当時を知る人々を訪ねることにした。


 裁判記録に並んでいた名前のいくつかは、今も王都やその近郊に住んでいた。

 証人、関係者、当事者。四十年という歳月は短くはないが、当時の主要人物たちはまだ存命のはずだった。


 彼女が何者だったのか。なぜ消えたのか。あの完璧すぎる記録の裏に何があったのか。


 正直に言えば、この時の私はそれほど深い動機を持っていたわけではない。

 書庫で埃まみれの日々を送る編集官見習いが、少しばかり謎めいた古い記録に興味を引かれた、ただそれだけのことだった。


 それがどこに辿り着くのか、この時の私には知る由もなかった。


 ***


 王都から馬車で半日ほどの場所に、小さな町がある。

 かつては公爵領の端に位置していたが、領地の再編を経て、今は王家直轄の行政区に編入されている。


 私が訪ねたのは、その町外れの石造りの家だった。

 庭には季節の花が丁寧に植えられ、洗濯物が春風に揺れていた。

 戸口で出迎えてくれたのは、腰の曲がった老婦人だった。


 マリアンヌ。

 旧姓はもう忘れた、と本人は笑った。

 かつて公爵家に仕え、令嬢の身の回りの世話をしていた侍女である。


「ああ、お嬢様のこと」


 彼女はお茶を淹れながら、その名前を聞いた瞬間、少しだけ動きを止めた。

 それからゆっくりと椅子に腰を下ろし、窓の外の庭を見た。


「何を聞きたいんです、坊や」


 私は経緯を説明した。

 書庫で見つけた記録のこと。その後の記録が一切ないこと。

 個人的な関心であること。


 マリアンヌは長い間黙っていた。

 そして、ゆっくりと口を開いた。


「意地悪な方でしたよ」


 その言い方は、不思議とあたたかかった。


「朝が弱くてね。起こすたびに枕を投げてきた。それも思い切り。あれは本気で痛かった」


 老婦人はくすくすと笑った。


「でもね、投げた後、必ず『ごめんなさい』と言うの。それも枕より小さな声で。布団に潜ったまま、もごもごと。聞こえないふりをしてあげるのが、私の仕事でした」


 令嬢は完璧な貴族の娘だった、とマリアンヌは言った。

 少なくとも、人前では。

 背筋は常にまっすぐで、言葉遣いは正確で、社交の場での立ち居振る舞いは隙がなかった。

 公爵家の長女として、幼い頃から徹底的に教育されていた。


「でもね」と老婦人は続けた。


「完璧な人って窮屈なものですよ。お嬢様は……時々、その窮屈さが、変なところから漏れ出してしまう人だった」


 変なところ、とは。


「たとえばね。お嬢様は甘いものが好きだった。でも、好きだと言わないの。侍女の私にすら言わない。ただ、厨房の前を通りかかった時に、ほんの少しだけ歩く速度が遅くなる。焼き菓子の匂いがする日だけ。それで私が『お茶請けに焼き菓子をご用意しましょうか』と言うと、『あなたがそうしたいなら、止めはしません』と。そういう方だった」


 マリアンヌは笑いながらも、どこか寂しそうに語った。


「人に素直に何かを頼むことができない人だった。人に好きだと言えない人だった。人に助けてと言えない人だった。全部、自分一人で抱え込んで、それが当然だという顔をしていた」


 私は聞いた。

 令嬢が夜中に領民の陳情書を読んでいたという話は本当か。


「ええ、本当ですよ。あれはお嬢様がまだ十六の頃だったかしら。夜中にお部屋の明かりが点いているので覗いてみたら、机の上に書類を山のように積み上げて、一枚一枚読んでいた。領民からの陳情書でした。税の減免を求めるもの、治水の整備を願うもの、色々あった。本来はお父様――公爵様の仕事です。でもお嬢様は、お父様が見落としているものがないか自分で確認していた」


「それから」とマリアンヌは少し声を落とした。


「使用人の子供たちの学費のこと。お嬢様は匿名で教会の学校に寄付をしていた。使用人の子供たちが通えるように。私がそれを知ったのは、偶然書類を見てしまったからで……問い詰めたら、お嬢様はこう言ったの」


 老婦人は令嬢の口調を真似た。

 少し高くて、少し冷たくて、けれど微かに震えている声を。


「『公爵家の義務として当然のことです。それ以上の意味はありません。誰にも言わないで頂戴』」


 マリアンヌは首を振った。


「義務ね。義務で人は夜中に子供たちの学費を計算したりしませんよ。でもお嬢様はそういう人だった。自分の優しさを全部『義務』という箱に入れてしまう人だった」


 私は最も聞きたかったことを聞いた。

 断罪の日のことを覚えているか。


 マリアンヌの表情が変わった。

 笑みが消え、深い皺の刻まれた顔に、静かな影が落ちた。


「覚えていますよ。忘れられるわけがない」


 あの日、令嬢は朝から普段通りだった。

 髪を整え、正装に袖を通し、鏡の前に立った。

 マリアンヌが最後にドレスの裾を整えた。

 令嬢は鏡越しにマリアンヌを見て、言った。


「『マリアンヌ。長い間、ありがとう』」


「それだけ。それだけ言って、出て行った。振り返らなかった」


 老婦人の目に涙が浮かんでいた。しかし流しはしなかった。

 四十年前の涙は、とうに枯れていたのかもしれなかった。


「善い人だったかと聞かれると、分からないんです。本当に分からない。意地悪だった。高慢だった。人を見下すような物言いをすることもあった。あれは演技だけじゃない、お嬢様の中にあった本当の一部だと思う」


 マリアンヌはカップを両手で包んだ。


「でもね。同時に、あんなに不器用な人を私は他に知らない。恐ろしく不器用な方だった。優しくしたいのに優しさの渡し方を知らない。好きなのに好きだと言えない。助けたいのに助けてあげると言えなくて、全部裏側から誰にも気づかれないように、こっそりやる。そういう方だった」


 帰り際、マリアンヌは庭の花を一本切って、私に渡してくれた。


「お嬢様が好きだった花ですよ。好きだとは一度もおっしゃらなかったけれど。お部屋の窓からこの花が咲く庭をよく見ていたの」


 白い小さな花だった。

 名前を聞いたが、私はすぐに忘れてしまった。

 今思えば、書き留めておくべきだった。


 ***


 聖女エアリナ。


 四十年前、異国の地から突然現れ、稀有な治癒の力で人々を救い、第一王子の心を射止めた少女。

 公爵令嬢との対立の末、王子の選択によって婚約者の座を勝ち取り、やがて王妃となった女性。

 夫を支え、子を産み、次の世代を確立させた女帝。


 それが、公式の記録に残る聖女の物語である。

 しかし私が訪ねた先にいたのは、王妃ではなかった。


 エアリナは既に王妃の座を退いている。

 理由は公式には「健康上の問題」とされているが、詳細は公表されていない。

 現在は王都から遠く離れた地方都市で、孤児院を運営している。


 孤児院は清潔だが質素な建物だった。

 子供たちの笑い声が中庭から聞こえていた。

 私が訪問の目的を告げると、案内の修道女は少し驚いた顔をしたが、奥へ通してくれた。


 エアリナは小さな執務室にいた。

 書き物をしていた手を止め、顔を上げた。


 初老を迎えたであろうその人は、穏やかな顔立ちをしていた。

 かつて「聖女」と呼ばれた面影は確かにある。


 しかし、その目には深い疲労の色があった。

 疲労というより、何か長い時間をかけて考え続けてきた人、特有の静かな重さだった。


「あの方のことを調べている、と」


 エアリナは私の説明を聞き終えると、窓の外に目をやった。

 中庭で遊ぶ子供たちの声が、ガラス越しにくぐもって聞こえていた。


「何をお話しすればいいのか、正直なところ分かりません。でも……話すべきなのかもしれない。ずっと誰かに話すべきだと思っていたのかもしれない」


 エアリナは語り始めた。


「私はあの頃、心の底から自分が正しいと信じていました」


 聖女として異国の地から突然現れた少女。

 見知らぬ世界、見知らぬ言語、見知らぬ風習。


 その中で、王子だけが手を差し伸べてくれた。王子の言葉だけが真実だった。

 王子がそう言うのだから、公爵令嬢は悪い人なのだ。


 周囲もそう言ってくれた。だから正しいのだ。


「あの方は確かに私に冷たかった。舞踏会で私の出自を嘲笑った。私の服装を、私の言葉遣いを、私の所作を、一つ一つ指摘した。貴族の社交界で私がどれほど場違いかを、あの方は容赦なく突きつけてきた」


 エアリナはゆっくりと首を振った。


「でも、今なら分かるんです。あの方が私に向けていたのは、悪意じゃなかった」


 私は黙って聞いていた。


「あの方が私の服装を批判したのは、私があの格好で伯爵派の夜会に出れば嘲笑の的になるから。あの方が私の言葉遣いを正したのは、私の言い回しが地方貴族への侮辱と取られかねないものだから。あの方が私を社交の場から遠ざけようとしたのは、私が近づこうとしていた貴族が聖女の名を利用して派閥争いに巻き込もうとしていたからでした」


 エアリナの声は淡々としていた。

 しかしその淡々さの奥に、長い歳月をかけて整理された感情があった。


「全部、後から分かったことです。あの方がいなくなった後で。一つずつ、少しずつ。ああ、あの時の嫌がらせはこういう意味だったのか、と。何年もかけて気づいていった」


 なぜ直接忠告してくれなかったのか、と思わなかったか。

 私はそう聞いた。


 エアリナは薄く微笑んだ。


「思いましたよ、もちろん。でも、考えてみてください。私は聖女で、あの方はあの人の婚約者だった。私たちの間には、最初から対立の構図が出来上がっていた。あの方が私に親切にすれば、周囲は何と言ったでしょう。婚約者としての地位が揺らいでいる証拠だと取られたかもしれない。あるいは聖女を取り込もうとしていると。どちらにしても、あの方の立場はさらに危うくなった……。だから、嫌がらせの形でしか私を守れなかったんだと思います」


 エアリナは立ち上がり、棚から一枚の古い手紙を取り出した。


「これは断罪の三日前に私の部屋に届いていたものです。差出人の名はありませんでした。当時は意味が分からなかったけれど、今は分かります」


 手紙には、短い文章が書かれていた。

 美しく整った筆跡で、ただ一言。


【社交界の手引書を一冊、枕元に置いておきました。これからは自分で学びなさい】


「あの方の筆跡です」とエアリナは言った。


「断罪されることを分かっていて、その三日前に、私のために手引書を用意していた」


 長い沈黙が落ちた。

 中庭の子供たちの笑い声だけが、遠く聞こえていた。


「あの方が本当は何を考えていたのか、私にも分かりません。私を守ろうとしていたのか、それとも別の理由があったのか。あの方の行動の全てに裏の意味があったのか、それとも私が後から意味を見出しているだけなのか。正直なところ今でも確信は持てません」


 エアリナは手紙を丁寧に折り畳み、棚に戻した。


「でも、一つだけ確かなことがあります」


 彼女は私の目を見た。


「あの方が関わった誰よりも……いえ、あの宮廷にいた誰よりも。あの方だけが、私を『聖女』ではなく、名前で呼んだ」


 エアリナ、と。

 聖女でも、異人でも、平民上がりでもなく。

 ただ、エアリナ、と。


「それも嫌味を言う時だけ。『エアリナ、あなたのその所作は田舎の農婦以下ですわ』。そんな風に。ひどいでしょう?」


 エアリナは笑った。

 泣いているようにも見える笑い方だった。


「でも、私の名前を呼んでくれたのは、あの方だけだった」


 帰り際、エアリナは門まで見送ってくれた。

 別れ際に、彼女は一つだけ付け加えた。


「もし……もしあの方の行方が分かったら、教えてくださいとは言いません。ただ、どこかで元気にしていてくださったなら。いえ……していてくださったなら、よかったのですけれど」


 その言い方は、すでに過去形だった。

 エアリナもまた、彼女がもうこの世にいない可能性を心のどこかで受け入れているようだった。


 ***


 国王への謁見が叶ったのは、予想に反してあっけないほど簡単だった。


 私が編集局を通じて謁見の申請を出したところ、三日で許可が下りた。

「公爵令嬢██████に関する歴史調査のため」という申請理由に、国王が自ら反応したのだという。

 同僚は驚いていた。通常、この種の申請には数年を要する。


 謁見の間ではなく、王宮の私室に通された。それ自体が異例だった。


 国王アルベルトは、窓辺の椅子に座っていた。

 六十代半ば。精悍な顔立ちには、四十年前の肖像画に描かれた青年の面影がある。

 しかし、その目元には深い皺が刻まれ、こめかみには白いものが交じっていた。


「座りなさい」


 私は促されるまま、向かいの椅子に腰を下ろした。

 従者が茶を運んできて、退室した。

 部屋には国王と私だけが残った。


「あの名前を書類で見た時、少し驚いた」と国王は言った。


「四十年。四十年間、公式の場であの名前を目にすることはなかった。貴様が最初だよ」


 私は調査の経緯を説明した。

 国王は黙って聞いていた。


「それで、何が知りたい」


 彼女がどんな人物だったのか。

 そして、あの断罪が何だったのか。


 国王は長い間、窓の外を見ていた。

 春の庭園が眼下に広がっていた。


「あの断罪は正しかった」


 国王の声は静かだった。


「今も、そう思っている」


 彼女は聖女に対して嫌がらせを行った。

 それは事実だ。複数の証人がいる。彼女の言動は記録に残っている。

 あの断罪に、手続き上の不備はない。


「政治的にも正しかった。公爵家の力を削ぐ必要があった。当時の貴族派閥の力関係を考えれば、あの機会を逃す手はなかった。彼女を切り捨て、聖女を立て、貴族派閥を再編した。国は安定した。民は救われた。その後の四十年間、大きな内乱は起きていない。私の判断は、結果として正しかったと言える」


 国王はカップに手を伸ばしたが、持ち上げずに手を戻した。


「正しかったはずだ」


 その繰り返しに、私は微かな揺らぎを聞いた。


「陛下。一つお伺いしてもよろしいでしょうか」

「何だ」

「事前に、彼女は断罪の結果をご存知だったのですか」


 国王は私を見た。

 その目に、かすかな驚きが浮かんだ。


「貴様は聡いな。あるいは誰かに聞いたか」

「いいえ。ただ、記録を読んで思ったのです。あまりにも整いすぎている、と。弁明の記録が一切ないのは弁明の機会がなかったのではなく弁明をしなかったのではないか、と」


 国王は目を閉じた。


「……彼女は、一週間前から知っていた」


 断罪は突然行われたものではなかった。

 国王――当時の王子は、事前に彼女に通告していた。

 事を荒立てず、自ら婚約の辞退を申し出るように、と。

 体面を保つ余地を与えたつもりだった。


「彼女はこう言った。『殿下のお望みのままに。ただし、辞退ではなく断罪の形をお取りください。そのほうが殿下のお立場に都合がよろしいでしょう』」

「……それは」

「分かるだろう。彼女は自分が公開の場で断罪されることを自ら選んだ。私が悪役を演じ、彼女が静かに去るのではなく、彼女が悪役として裁かれ、私が正義の側に立つ。そうすれば私の求心力は高まり、聖女の権威は盤石になり、貴族派閥の再編が円滑に進む。彼女はそれを全て計算した上で自分の断罪を設計した」


 国王の声は平坦だったが、その手は膝の上で微かに握られていた。


「だが、一つだけ分からないことがある」


 あの断罪の日。

 学院の大広間で、衆目の中、彼女は王子の宣告を聞いた。

 罪状が読み上げられ、追放が言い渡された。

 群衆はざわめき、ある者は嘲笑い、ある者は溜飲を下げた顔をした。


「彼女は一言も弁明しなかった。それは予定通りだ。泣きもしなかった。怒りもしなかった。それも予想していた」


 国王は目を開けた。


「だが、彼女は微笑んだ。かすかに一瞬だけ。私にだけ見えるように。それが何を意味していたのか。四十年経っても分からない」


 演技だったのか。全てを計算し尽くした者の余裕だったのか。

 それとも、かつての婚約者への最後の皮肉だったのか。

「あるいは」と国王は言いかけて、口を閉じた。


 私は待った。


「……赦し、だったのか」


 その言葉は質問というより、四十年間自分自身に問い続けてきた言葉の吐露のように聞こえた。


「私は彼女を利用した。彼女がそれを承知していたことは、むしろ私の罪を重くする。彼女が自ら望んだことだとしても、私がそれを受け入れたのは事実だ。そして私は、それ利用して地盤を固め、王座を得た」


 国王は立ち上がり、窓辺に歩み寄った。


「あの微笑みが赦しだったとすれば、それは私にとって最も重い罰だ。私は赦されるべきではないのだから」


 帰り際、国王は私を呼び止めた。


「編集官。その調査を続けるつもりか」

「はい。できる限り」


 国王は少しの間、私を見つめていた。


「……そうか。もし何か分かったら報告には及ばない。ただ」


 国王は言葉を切り、それから静かに言った。


「彼女が穏やかに暮らせていたなら。それだけ知れれば、それでいい」


 ***


 彼女の追放後の足取りを辿ることは、極めて困難だった。


 公式の記録には何も残っていない。

 非公式の手がかりも、ほとんどなかった。

 彼女は見事なまでに痕跡を消していた。

 あるいは、最初から痕跡を残すつもりがなかったのか。


 しかし調査を続ける中で、一つの手がかりが見つかった。


 王都の画廊に、一枚の絵がある。

 小品で画廊の片隅に掛けられている。

 購入者がつかないまま数十年そこにあるという。

 旅の画家が持ち込んだもので、題は「窓辺の女」。


 その絵を見た瞬間、私は足を止めた。


 描かれているのは、ある女性の横顔だった。

 窓辺に腰掛け、外を見ている。

 その表情は穏やかで、しかしどこか遠い。

 まるで、ここではないどこかを見ているような。


 絵そのものに名は記されていない。

 しかし、裏面に小さく書かれたメモがあった。


【国境の街にて。名を聞いたが教えてもらえなかった】


 画廊の主人に画家の名を聞き、その足取りを追った。

 画家は南方の港町に居を構えていた。


 ラウル・ドゥマルシェ。

 六十代の日焼けした痩身の男だった。

 若い頃は各地を放浪しながら絵を描いて生計を立てていた。

 今はほとんど筆を取らず、港町で静かに暮らしている。


「ああ、あの絵か」


 ラウルは私の話を聞いて、遠い目をした。

 港の風が、開け放たれた窓から吹き込んでいた。


「三十五年くらい前かな。国境近くの小さな街に滞在していた時だ。冬が近くて、次の街に移動する前に少し休もうと思って、安宿に泊まっていた」


 画家は宿の食堂で彼女を見かけた。


「最初はただの旅人だと思った。質素な服を着て一人で食事をしていた。でも、何か引っかかるものがあった。姿勢がね、普通の旅人のものじゃない。背筋がまっすぐで、食事の所作が美しかった。どんなに質素な食事でも、まるで晩餐会のように丁寧に食べる人だった」


 ラウルは彼女に声をかけた。

 画家の性分で、絵のモデルになってくれないかと頼んだ。


「断られた。当然だろうね。見知らぬ男がいきなり絵を描かせてくれなんて。でも翌日も食堂で顔を合わせて、その次の日も。小さな街だから自然と顔見知りになる」


 数日後、彼女のほうから話しかけてきたという。


「『あなたは画家なのですか』と。そうだと答えたら、『この街の風景を描いているのですか』と。そうだと答えたら少し黙って、『この街の夕暮れは綺麗ですから、良い絵が描けるでしょうね』と」


 ラウルは微笑んだ。


「それだけの会話だ。でも、あの言い方が忘れられなくてね。『良い絵が描けるでしょうね』。その言葉には、何というか……自分はそこに含まれていない、という響きがあった。綺麗な夕暮れを見ても、自分には絵を描くことも、その美しさを誰かと分かち合うこともない、というような。そんな風に聞こえた」


 画家は再度、モデルを頼んだ。

 今度は理由を添えて。

 あなたの横顔に、描きたいものがある、と。


「また断られた。でも今度は、断り方が違った。『私の顔は絵にするほどのものではありません』と。それは謙遜じゃなかった。本当にそう思っている目だった」


 三度目に頼んだ時、彼女は少しだけ折れた。


「『好きにしなさい。ただし正面からは描かないでください。それから名前は聞かないで』と。気難しい人だなと思ったけれど、絵描きにとってはそれで十分だった」


 ラウルは窓辺に座る彼女を描いた。

 一日だけ。午後の柔らかな光の中で、彼女は窓の外を見ていた。


「描いている間、少しだけ話をした。と言っても、ほとんど私が一方的に喋っていただけだが。旅の話、訪れた街の話、出会った人々の話。彼女は静かに聞いていた。時々、ほんの短い言葉で応じた」


 画家は一つの場面を覚えている。


「旅先で出会った子供の話をした時だ。ある村で貧しい家の子供が、地面に木の枝で絵を描いていた。驚くほど上手かった。でも、その子は紙も絵具も持っていなかった。だから私は手持ちの画材を少し分けてやった。それだけの話だ」


 一息ついて、続きを画家は語る。


「その話をした時、彼女がこちらを見た。ほんの一瞬だけ。それまでずっと窓の外を見ていたのに、初めてこちらを向いた。その目がね……なんと言えばいいのか。とても柔らかかった。ほんの一瞬だったけれど、それが私があの絵に描きたかったものだ。あの一瞬の柔らかさ。でも、結局描けなかった。あの絵の彼女は窓の外を見ている。こちらを向いた瞬間の顔は、私の記憶の中にしかない」


 翌日、彼女は宿を発っていた。

 行き先は誰にも告げなかった。


「名前も、素性も、どこから来てどこへ行くのかも、結局何も教えてもらえなかった。大層な人だったのかもしれないし、そうじゃなかったのかもしれない。ただの旅人だったのかもしれない」


 ラウルは窓の外の港を見た。


「でもね、一つだけ確かなことがある。あの人は自分の中に何か大切なものを持っていた。それを誰にも見せようとしなかった。窓の外ばかり見ていたのは、きっとこちらを向いたら大切なものを見せてしまうからだ。あの絵は私の最高傑作だよ。誰も買わないけれどね」


 ラウルは笑った。


「でも、売れなくていい。あの絵は名前も知らない人のたった一日の午後を描いたものだ。それだけで十分だ」


 帰りに画廊へ寄り、もう一度あの絵を見た。

 窓辺の女。横顔。穏やかで、しかしどこか遠い表情。こちらを向くことのない顔。


 画家は、彼女がこちらを向いた一瞬を描けなかったと言った。


 私には、それがむしろ正しいように思えた。

 彼女はきっと、そういう人だったのだ。

 本当に大切なものは、決して誰にも見せない。見せられない。

 だから人々は、いつも彼女の横顔だけを覚えている。


 ***


 辺境の名もない村だった。


 王都から馬車と徒歩を乗り継いで六日。

 最後の三日間は獣道のような山道を歩いた。

 地図にかろうじて名前が載っている程度の村で、人口は百にも満たない。


 ここに辿り着いたのは、偶然だった。

 国境の街での聞き込みの中で、ある老人が「そういえば、山向こうの村に都会から来た女の人が住んでいたことがあったな」と言ったのだ。

 四十年以上前の曖昧な記憶。それでも、他に手がかりがなかった。


 村に着いた時、最初に目に入ったのは丘の上の小さな墓だった。


 木の十字架に、名前は刻まれていない。

 丁寧に手入れされた花壇が周囲を囲んでいた。

 野の花が、色とりどりに咲いていた。


 村長を訪ねた。

 長老と言っても差し支えの無い、日焼けした穏やかな男だった。


「ああ、あのお墓ね」


 村長は縁側に座り、山を見ながら語った。


「三十二、三年前かな。ある日ふらりと村にやってきた女の人がいたんだ。都会の人だってことはすぐ分かった。言葉遣いが丁寧で背筋がまっすぐで。でも、荷物はほとんど持っていなかった。着の身着のままって感じだった」


 彼女は村の空き家に住むことを許してもらい、そのまま居着いた。

 名前は名乗ったが、村人たちは「先生」と呼んでいた。

 薬草の知識があり、簡単な手当ができたからだ。


「うちの村には医者がいなくてね。一番近い医者は山を越えた先の街にいるんだが、冬になると道が雪で塞がれて行き来ができなくなる。だから先生が来てくれた時は、本当にありがたかった」


 彼女は村の診療所――と言っても、空き家を改装した小さな部屋を任されるようになった。

 大きな怪我や病気は治せなかったが、風邪や切り傷、子供の腹痛程度なら手当ができた。

 薬草を煎じ、包帯を巻き、熱を測る。

 それだけのことだが、村人たちにとっては十分だった。


「どんな人だったか、ですか」


 村長は少し考えた。


「静かな人だった。あんまり自分のことは話さなかった。どこから来たのかも、なぜここに来たのかも、聞いたけど教えてくれなかった。でも嫌な感じはしなかった。話したくないことがあるんだな、ってだけで。ただ、子供たちには好かれていたよ。子供ってのは正直だからね。本当に怖い人には近づかない。先生の周りには、いつも子供がまとわりついていた。先生は子供たちに文字を教えたり、数の数え方を教えたり、花の名前を教えたりしていた」


「それでね」と村長は言った。


「先生は子供たちに怒ることがあった。宿題を忘れた時とか、嘘をついた時とか。その怒り方がね、面白かったんだ。ものすごく怖い顔をして、ものすごく冷たい声で叱るんだけど、その後必ず次の日に、怒った子供の好きなお菓子を作ってくる。何も言わずにそっと机の上に置いておく。子供たちはみんな知ってたよ。先生に怒られた次の日はお菓子がもらえるって」


 私は思い出した。マリアンヌの話を。

 枕を投げた後、必ず「ごめんなさい」と言った令嬢のことを。


「冬のことだったんだ」


 村長の声が少し低くなった。


「先生が来て二年目の冬。流行り病が出た。この辺りでは珍しくないんだが、その年は特にひどかった。子供や年寄りが次々に寝込んだ。道は雪で塞がれて街の医者を呼ぶこともできない」


 先生は夜通し看病して回った。

 家から家へ、雪の中を歩いて。薬草を煎じ、額を冷やし、水を飲ませ、背中をさすった。

 何日も、何日も。


「先生自身も体が丈夫じゃなかった。来た時からどこか疲れた様子だったし、痩せていた。でも自分のことは後回しにして、村人の看病を続けた」


 春が来る前に、流行り病は収まった。

 村人の死者は出なかった。


「でも」


 村長は口を閉じた。

 しばらく間があった。

 山の向こうで、鳥が鳴いていた。


「先生は、春を待てなかった」


 流行り病の看病で、彼女自身が倒れた。

 消耗しきった体には、もう抵抗する力が残っていなかった。


「最後の日にね。私が見舞いに行ったら、先生は窓の外を見ていた。雪がちらちら降っていてね。先生は『もうすぐ春ですね』と言ったんだ。まだ真冬だったのに。それから少し笑って、こう言った。『この村に来てよかった』と。それだけだった。翌朝、先生は静かに息を引き取った」


 村人たちは丘の上に墓を作った。

 名前の分からない墓。

 でも、花だけは絶やさないと決めた。


「先生が好きだった花を植えたんだ。先生は花の名前を沢山知っていてね。子供たちに教えていた。一番好きなのはどれかと聞いたら、教えてくれなかった。でも、いつも白い小さな花を見ている時が一番穏やかな顔をしていた気がする」


 白い小さな花。

 マリアンヌが私にくれた花と同じものだろうか。

 もう確かめる術はなかった。


「先生が偉い人だったのか、普通の人だったのか、私らには分かりません。ただ、うちの村にいた時の先生はちょっと怖くて、ちょっと変で、でも優しい人だった。それ以上のことは、知らなくていいと思ってます」


 丘の上の墓の前に立った。

 名もない十字架。

 春の風が、花壇の花を揺らしていた。


 彼女がここで見た最後の景色は、何だったのだろう。

 窓の外の雪だったのだろうか。それとも、もっと遠くの誰にも見えない何かだったのだろうか。


 答えは出ない。

 答えは、もうどこにもない。


 ***


 王都に戻った私は、報告書を書こうとした。

 机の上に紙を広げ、ペンを取り、書き出しの一行を記した。


「公爵令嬢██████に関する調査報告」


 そこで筆が止まった。

 何を書けばいいのだろう。


 公文書が語る彼女は「悪役令嬢」だった。

 聖女を虐げ、社交界を乱し、王家に不敬を働いた咎人。

 その記録は正確で、手続きに瑕疵はなく、証拠は揃っている。


 しかし、人々の記憶の中にいる彼女は、別の人間だった。


 朝が弱くて枕を投げる娘。

 夜中に陳情書を読む少女。

 嫌がらせの形でしか人を守れなかった不器用な女。

 自らの断罪を設計し、微笑んで去った人。

 窓の外ばかり見ていた旅人。

 子供を叱った翌日に菓子を届ける先生。

 雪の中を歩き、春を待てなかった人。


 同一人物のはずなのに、重ならない。

 いや、違う。重ならないのではない。

 全てが同じ一人の人間の中にあったのだ。


 意地悪で、高慢で、冷たくて、不器用で、臆病で、そして誰よりも優しかった。

 それらは矛盾ではなく、一人の人間が持つ無数の側面だった。


 善人だったのか。悪人だったのか。被害者だったのか。加害者だったのか。

 善人だった。悪人だった。被害者だった。加害者だった。その全てだった。

 その全てでは足りなかった。


 人間一人を表すには、善悪の二文字では到底足りないのだ。

 私はペンを置き、窓の外を見た。


 旅の間に出会った人々の顔を思い出した。

 マリアンヌ。エアリナ。国王アルベルト。画家のラウル。辺境の村長。

 それぞれが、それぞれの彼女を覚えていた。

 その記憶はどれも断片で、どれも不完全で、どれも真実だった。


 そして、一つだけ気づいたことがあった。

 彼女について語る時、全ての人が例外もなく同じ表情をしていた。


 困ったような。懐かしいような。少し寂しいような。でも、どこか温かいような。

 名前のつけられない、かすかな微笑み。


 侍女は、お嬢様の不器用さを語りながら、笑っていた。

 聖女は、名前を呼ばれた記憶を語りながら、泣くように笑っていた。

 王は、あの微笑みの意味を問いながら、遠い目で笑っていた。

 画家は、描けなかった一瞬を語りながら、穏やかに笑っていた。

 村長は、春を待てなかった先生の話をしながら、寂しそうに笑っていた。


 誰もが彼女のことを完全には理解できなかった。

 誰もが彼女の本当の姿を知らなかった。

 でも、誰もが彼女を覚えていた。

 十年、二十年経っても、三十年、四十年経っても。薄れゆく記憶の中で、彼女だけが不思議と鮮やかに残っていた。


 それは、彼女が特別な人間だったからではないと思う。

 彼女が、たまたま通りかかった人々の人生に、ほんの少しだけ触れたからだ。

 不器用に。不完全に。時に傷つけながら。でも、確かに。


 私は彼女が一体どんな人物だったのか、決して知ることができなかった。

 会ったこともない。声を聞いたこともない。

 残された記録はあまりにも少なく、人々の記憶はあまりにもばらばらで、そこから一人の人間を再構成することは不可能だった。


 だが、それでいいのだと思った。


 人は本来、定義できないものだ。

 善とも悪とも、被害者とも加害者とも、一つの言葉では言い切れない。

「悪役令嬢」というのは、彼女のほんの一面に貼られた、ほんの一時期の、ほんの一つの場所での呼び名に過ぎない。


 彼女はそうだった。でも、同時にそうではなかった。


 彼女は意地悪で、不器用で、臆病で、誇り高く、孤独で、優しかった。

 人々の人生を横切り、ほんの僅かその人の世界を覆い尽くしたかのように見え、そしていつの間にかいなくなった。


 残ったのは名もない墓と、一枚の絵と、人々の中のかすかな記憶だけだった。


 私は報告書を閉じた。

 白紙のままの紙の最後の一行にだけ、ペンを走らせた。


「公爵令嬢██████について。調査の結果、報告すべき事項なし」


 少し間を置いて、もう一行だけ書き足した。


「ただし、彼女を覚えている人々は、皆穏やかな顔をしていたことを、ここに付記する」


 ペンを置いた。

 窓の外では、春の風が吹いていた。


 彼女が好きだと一度として口にしなかった花が、どこかで白い小さな花が咲いている頃だろうと思った。


4.14 たくさんの反応をいただきありがとうございます。

当事者ではなく第三者、すでに過去として扱われる状態で始めたらどうなるのかと思い投稿した作品でした。


よければ連載中の「聖女のナナメ後ろにいるメイド」もよろしくお願い致します。

https://ncode.syosetu.com/n7076ma/


雰囲気が似たものであれば短編の「魂喰みの識病官」をどうぞ。

体を治す医者ではなく、心に寄り添う不良医師ですが。

https://ncode.syosetu.com/n5372ly/

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― 新着の感想 ―
赦し、ではなく笑っちゃう位に想定通りだったから、或いは自嘲じゃないかな。穿ちすぎか? 調査内容を非公式資料にまとめて、何百年後かに発見されるといいなぁ。
もう何十年も前に通り過ぎた人のことをいつまでも覚えているのを掘り返すのもまた学問ですよね…。市井の人の記憶に残り、それが年月にさらされても残っていることが素晴らしいですね。彼女に花の名前を教わった子供…
最後の地での生活は病に倒れたけど、幸せだったようにも見えるね。
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