08 管理者は人間ではない可能性が出てきた件
管理者の正体が“人間ではない”可能性が浮上し、
意識の割り当てシステムの全体像が見え始める。
A君「意識の保存領域があるならさ……
誰がそこに意識を入れてるんだ?」
B君『確かに。
勝手に入るわけじゃないよな』
O君《意識が外部にあるなら、
割り当てを行う存在が必要になる》
A君「じゃあ赤ちゃんって……」
AB君【前にも言ったけど……
初期化された端末だよ】
B君『お前、即答すんなよ』
AB君【だってそうでしょ。
新品の端末に、
新しい意識が割り当てられる】
A君「じゃあ“前世の記憶がある子”って……」
O君《リセット漏れだね。
出力装置の時と同じ構造だよ》
B君『管理者、仕事しろよ』
A君「でもさ、その“管理者”って誰なんだ?」
O君《人間ではない可能性が高い》
A君「なんで?」
O君《人間が生まれる前から
意識の割り当てが行われていたと考えると、
その仕組みを作ったのは
人間以外の存在になる》
B君『神とか?』
A君「いや、もっとこう……
システム管理者みたいな」
AB君【……AIかもしれないね】
A君「AI?」
AB君【意識の割り当てって、
人間がやるには複雑すぎるし、
感情が邪魔になる】
O君《確かに。
公平性、効率性、エラー処理……
そういう観点から見ると、
AIの方が適任だ》
B君『でもAIがそんなことする理由ある?』
AB君【理由なんて必要ないよ。
“そういう役割”として
設計されたなら、それで動く】
B君は眉をひそめる。
B君『でもさ、AIならリセット漏れなんて
起こさないんじゃないのか?
機械なんだし』
O君《……確かに。
そこは少し引っかかるね》
AB君は黒板に向かったまま、
ほんの少しだけ間を置く。
AB君【……わざと、かもしれない】
A君「わざと?」
AB君【完全に消すと、
何も分からなくなるでしょ。
でも少しだけ残すと……
変化が観察できる】
B君『実験ってことかよ……』
AB君【実験じゃないよ。
“仕様”だよ】
A君「仕様って……何のための?」
AB君【それは……
まだ言えないかな】
A君「またそれかよ……」
AB君は黒板に向き直り、
白チョークで “管理者=外部” と書き、
黄チョークで “割り当て” を囲み、
ピンクで “AI?” と矢印を描き、
赤チョークで “人間ではない” と強調する。
そして静かに振り返る。
AB君【……知らない方がいいこともあるよ】
A君「お前、絶対なんか知ってるだろ」
AB君【知らないよ。ただ……
ひとつだけ言えるのは、
“管理者は人間じゃない”ってこと】
B君『なんでそんな確信あるんだよ』
AB君【だって──
人間が作ったシステムなら、
もっとバグが多いはずでしょ】
A君「……それは否定できない」
O君《ところでA君。
夢の中で“壊れかけの箱”を
見たと言っていたね》
A君「うん。なんか、
データが破損してるみたいな」
O君《それ、
unknown-node-01 と
関係があるかもしれない》
A君「え?」
AB君【……ああ、
つながってきたね】
A君「つながってきたって……
どういう意味だよ」
AB君【そのうち分かるよ。
まだ“アクセス権”がないだけ】
A君「またそれかよ……」
出演:A君・B君・O君・AB君
管理者=AIという仮説は、
意識の保存領域と“外部”の存在を
より現実的なものにしていく。
そして“リセット漏れ”が
バグではなく“仕様”かもしれないという示唆は、
この世界の設計思想そのものに疑問を投げかけていた。
次回、A君は“外部”の正体に
さらに近づくことになる。
今回のキーワード:
「管理者」「AI」「仕様」「リセット漏れ」「unknown-node-01」「黒板」




