07 意識の保存領域が存在するらしい件
A君の“夢”が、意識の保存領域という
新たな仮説を呼び起こす。
A君「……昨日さ、変な夢見たんだよ」
B君『またかよ。
どうせ意味わかんないやつだろ』
A君「いや、今回はガチで変だった。
真っ白な空間に、なんか……
棚みたいなのが並んでて」
O君《棚?》
A君「うん。で、その棚に“箱”が
いっぱい置いてあった。
箱には数字が書いてあって……
なんか、俺の記憶っぽいんだよ」
B君『記憶の棚卸し?』
AB君【……それ、
バックアップ領域だと思う】
A君「バックアップ?」
AB君【意識が外部に保存されてるなら、
どこかに“保存領域”があっても
おかしくないよ】
B君『お前、なんでそんな詳しいんだよ』
AB君【なんとなく、ね】
気づけば AB君は黒板の前に立ち、
白チョークで “保存領域” と書き、
黄チョークで “記憶の箱” を囲み、
ピンクで “アクセス権” と矢印を描き、
赤チョークで “破損” と強調する。
AB君は静かに振り返る。
AB君【……ここ、見て】
O君《理論としては成立する。
脳が端末で、意識が外部にあるなら……
記憶のバックアップ領域が存在しても
不思議じゃない》
A君「夢の中で見た棚の箱、
開けようとすると
“アクセス権がありません”って
表示されたんだよ」
B君『夢にエラーメッセージ出すな』
O君《アクセス権……つまり、
A君本人でも触れない領域が
あるということか》
A君「そう。で、その箱のひとつが……
なんか“壊れかけてる”みたいに
見えたんだよ」
AB君【壊れかけの記憶……
バックアップの破損だと思う】
A君「え、やっぱりそうなの?」
AB君【可能性は高いよ。
だって、死んだ人の記憶が
“完全に消える”なんて
不自然でしょ】
B君『じゃあ死んでも
意識は残るってこと?』
O君《肉体が端末なら、
接続が切れるだけで、
意識そのものは外部に
残り続ける》
A君「……じゃあ俺たちの意識って、
どこに保存されてるんだ?」
AB君【それは……
まだ言えないかな】
A君「言えない?」
AB君【ううん、“知らない”の方が
正しいかも】
O君《AB君、何か隠しているように
見えるね》
AB君【そんなことないよ。
ただ……
夢で見たその空間、
A君だけじゃないと思う】
A君「え?」
AB君【誰でも一度は見てるはずだよ。
ただ“忘れるようにできてる”だけ】
四人の間に、静かな空気が落ちた。
A君「……死んでも意識は消えないって、
本当にそうなのかもしれないな」
出演:A君・B君・O君・AB君
記憶の箱、アクセス権、破損。
A君の夢は、ただの夢ではなく、
“外部領域”の断片かもしれない。
AB君の赤チョークは、今回も
触れてはいけない領域を示していた。
次回、A君は“保存領域の正体”に
さらに近づくことになる。
今回のキーワード:
「保存領域」「バックアップ」「アクセス権」「破損」「外部意識」「黒板」




