03 一卵性双生児は同じDNAなのに同じじゃない件
双子の話から“主観の連続性”へ。
放課後の教室で、4人は魂の正体に一歩近づく。
放課後の教室。
夕日の色はゆっくり変わっているようで、
でもどこか“止まっている”ようにも見える。
B君『なあA君。
さっきの続きなんだけどさ』
A君「魂の話?」
B君『そう。
一卵性双生児ってさ、DNA同じじゃん?
でも同じ人間にはならないよな』
O君《遺伝子が同じでも、
同じ人間にはならないね》
A君「だよな。
見た目は似てても、性格も好みも違うし」
そのとき、AB君が黒板の前に立ち、
白チョークで “DNA=同じ” と書き、
その横にピンクで “でも主観は別” と添える。
AB君【はい、ここ〜。今回のポイントで〜す】
B君『お前、黒板使うの自然すぎんだよ』
A君「まあ助かるけどさ……」
B君『じゃあさ、“脳の配線”ってどうなってんの?』
A君「そこなんだよ。
脳の配線って、遺伝子だけじゃ決まらない。
偶然の積み重ねで微妙に変わるし、
経験でどんどん差がつく」
O君《つまり、同じ素材でも
“主観”は一致しないということだね》
A君は少し黙り込む。
A君「……じゃあさ。
もし俺の脳を完全コピーしても、
コピー先の“俺”は俺じゃないってこと?」
B君『まあ、双子が同じじゃない時点でそうだよな』
O君《主観の連続性が途切れた瞬間、
それは別の存在になる》
A君「主観の連続性……?」
O君《さっきのA君と今のA君が
“同じ自分”だと感じるのは、
記憶が繋がっているからじゃなくて、
“主観が途切れずに続いている”からだよ》
AB君は黒板に “主観=連続性” と書き、
その下に赤チョークで “コピー不可” と強調する。
AB君【ここ、テストに出るよ〜】
B君『だからどこのテストだよ』
A君「……じゃあ記憶って魂じゃないのか」
O君《記憶は“情報”だけど、
魂は“主観の連続性”だと思う》
A君「……じゃあ魂って、コピーできないのか?」
O君《コピーした瞬間、
それは“別の主観”を持つ存在になる。
だから魂は複製できない》
A君は机の上のスマホを見つめる。
さっき届いた “unknown-node-01” のメール。
未来から情報が送られてくるのだとしたら──
魂はどう扱われるのだろう。
A君「……魂が情報じゃないなら、
未来に送ることもできないのか」
B君『情報だけ送れても、
魂は送れないってこと?』
O君《その可能性は高いね。
情報転送型タイムマシンでは、
魂は移動しない》
A君「じゃあ……未来に行く“俺”は、
俺じゃないのか」
放課後の教室は静かなまま。
夕日の色だけが、ゆっくり変わっていく。
A君の胸の中だけが、
深い問いで満たされていく。
出演:A君・B君・O君・AB君
同じDNAでも同じにならない。
その事実が、A君の“主観”への疑問をさらに深めていく。
AB君の黒板の書き込みは、ただの落書きに見えて、
どこか“外側”の視点を帯びていた。
次回、A君の“自分とは何か”という問いが、
さらに具体的な形を取り始める。
今回のキーワード:
「双子」「主観の連続性」「魂=コピー不可」「unknown-node-01」「黒板」




