表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
01 タイムマシンの話をしていたら、なぜか不老不死の話になった件 ~意識の座標と脳素材の謎を追う僕らの放課後~  作者: とまCo


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

2/12

02 情報は送れても、物質は送れないらしい件

放課後の教室で、4人は“情報と物質”の境界について語り合う。

AB君の黒板の落書きが、軽いノリのまま深層の影を落とす。

 夕日のオレンジが黒板に反射して、ゆっくり色が変わっていく。

 4人は、誰も帰る気配を見せない。


A君「……でさ。

  やっぱりあのメール、迷惑フォルダに入ってたんだよ」


B君『未来人、フィルタリングに負けてんの草』


O君《通信方式が違えば、

  現代の基準ではスパム扱いされても不思議じゃないね》


 A君はスマホを机に置き、少し真剣な顔になる。


A君「でもさ。

  もし本当に未来からの信号だとしたら……

  “情報”だけは送れるってことだよな」


B君『物質は送れないけど、

  データなら送れるってやつか』


O君《情報と物質は別物だからね。

  情報はゼロ質量だけど、物質はそうはいかない》


 そのとき、AB君がふらっと立ち上がり、

 黒板の前に歩いていく。


AB君【は〜い、ここ試験に出ま〜す】

 (黄緑のチョークで “情報:0質量” と書く)


A君「お前……なんで放課後に黒板使ってんだよ」


B君『てかその色、またどこから持ってきたんだよ』


O君《でも、視覚的には分かりやすいね》


A君「じゃあさ。

  未来人は“物を送る”んじゃなくて、

  “設計図”を送るんじゃないか?」


B君『あー、3Dプリンタで再構成するってこと?』


A君「そう。

  未来の技術なら、もっと精密に……

  “原子単位で”再構成できるかもしれない」


O君《情報転送型タイムマシン、というわけか》


 AB君は黒板に

 “原子 → 配置 → 再構成”

 と図を描き、ピンクのチョークで矢印を強調する。


AB君【ここ〜、次の……あ、いや】

 (少し考えて)

  【ここは残しといて。あとで使うから】


A君「使うって何にだよ……」


B君『お前の“あとで”って信用ならんのよ』


 A君は少し黙り込む。


A君「……じゃあ、人間も……情報化できる?」


B君『お前、急にSFの難易度上げんなよ』


O君《でも、理論上は“情報化”は可能だと

  考える研究者もいるね》


A君「……でもそれって“移動”じゃなくて、

  “複製”なんだよな」


O君《コピーされた側と、元の自分。

  どちらが“本物”かという問題が出てくるね》


 A君はスマホを見つめる。


A君「じゃあ……魂って何なんだ?」


B君『お前、放課後に魂の話すんなよ』


O君《でも、避けて通れないテーマだよ。

  情報と物質の境界を考えるなら》


 AB君は黒板に “魂=?” と書き、

 その下に小さく “情報?” とだけ残す。


AB君【これも残しといて〜。

   日直のA君、消さないようにね】


A君「日直って……俺だっけ?」


B君『お前だよ。忘れんな』


 A君は再びスマホの画面を見る。

 そこには、届いた謎のメールの差出人──

 “unknown-node-01” の文字が光っていた。


A君「もし魂が“情報”なら……

  未来から送ることもできるのかな」


 放課後の教室は静かなままなのに、

 4人の会話だけが、ゆっくり深層へ沈んでいくようだった。


出演:A君・B君・O君・AB君


情報は送れるが、物質は送れない。

その境界にある“魂”という概念が、A君の中で静かに揺れ始める。

AB君の黒板の図は、ただの落書きのようでいて、どこか意味深だ。


次回、A君の“ズレ”がさらに輪郭を持ち始める。


今回のキーワード:

「情報転送」「物質の限界」「魂=情報?」「unknown-node-01」「黒板」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ