10 未来の技術で意識の再接続が可能になる件
圧縮・再構成という“割り当ての仕組み”が明らかになり、
未来の成熟端末と unknown-node-01 の関係が浮上する。
A君「……なあ、もし未来で“意識の再接続”ができるならさ」
I3君『また急に未来の話かよ。
さっきまで“成熟端末”で盛り上がってたのに』
A君「いや、あれ考えてたらさ……
死んでも別の身体につなげるってことだよな?」
B君『あー、はいはい。
不老不死ルートね』
O君《理論上はそうなる。
端末が壊れても、サーバー側の意識は残るからね》
B君『でも赤ちゃんの脳って、
そんな高度な意識を受け止められないだろ』
A君「そうだよな。
赤ちゃんの脳って未完成だし」
O君《そう。
“初期化端末”という比喩は正しいけど、
そのままでは外部意識を受け止めるには未熟すぎる》
B君『じゃあどうやって意識を割り当ててんだよ。
USBでぶっ刺すわけじゃないだろ』
A君「お前それは雑すぎ」
AB君【……圧縮してるんだよ】
A君「圧縮?」
AB君【外部の意識は情報量が多すぎる。
赤ちゃんの脳じゃ帯域が足りない】
O君《だから管理者が
“圧縮・再構成”して接続しているんだろうね》
B君『それで前世の記憶がほぼ残らないのか』
A君「なるほど……」
A君「でもさ……圧縮するのは分かったけど」
B君『どこで“解凍”してんだ?
赤ちゃんの脳の中じゃ無理だろ』
O君《いい質問だね。
解凍は“外部側”で行われているはずだよ》
A君「外部側……?」
O君《意識の保存領域には、
記憶や人格を“再構成”するための
専用の処理層があるはずだ》
B君『処理層って……サーバールームかよ』
AB君は黒板に向かい、
白チョークで “圧縮 → 外部処理 → 再構成” と書き、
黄チョークで “帯域不足” を囲み、
ピンクで “初期化端末” と矢印を描き、
赤チョークで “記憶欠落” と強調する。
A君「なんか……本当にシステムっぽいな」
B君『てかさ、こういう話してると
電気消したら何か見えそうじゃね?』
A君「やめろって!」
B君『いや、ちょっとだけ!』
パチン。
教室が暗くなる。
その瞬間、黒板の **赤チョークだけがぼんやり浮かび上がる。**
B君『……え、なにこれ』
A君「おい、赤だけ光ってるぞ……?」
O君《光っているというより……
“表示されている”ように見えるね》
AB君は暗闇の中で、
ゆっくりと黒板に近づく。
AB君【……未来では、圧縮しなくてもいい】
A君「え?
なんで急に未来の話?」
パチン。
A君が慌てて電気をつける。
赤チョークの光は消えた。
AB君【未来の端末は、
最初から“高性能”なんだ】
B君『未来の赤ちゃん、スペック高すぎだろ』
O君《いや、赤ちゃんじゃないのかもしれない。
人工的に作られた“成熟端末”かもしれない》
A君「成熟端末……」
AB君【そう。
最初から外部意識を受け止められるように
設計された身体】
B君『それってもう……人間じゃなくね?』
AB君は答えず、静かに目を伏せる。
A君「じゃあ unknown-node-01 は……
未来の技術で作られた端末から
送られてきたデータなのか?」
O君《その可能性は高い。
意識の再接続技術がある未来なら、
過去にデータを送ることもできるかもしれない》
A君「未来の誰かが、
俺たちにヒントを送ってる……?」
AB君【……未来の“君たち”かもしれない】
A君「俺たち?」
AB君【未来の君たちは、
意識の再接続を成功させてる】
B君『つまり、不老不死ってことか』
O君《そうだね。
未来の技術は、
意識の永続接続を実現している》
A君「じゃあ unknown-node-01 は……
未来の俺たちが送った“メッセージ”ってことか?」
AB君はゆっくりとA君を見る。
AB君【……そうかもしれないし、
違うかもしれない】
A君「なんだよそれ」
AB君【ただ……
僕がどこから来たのか、
そろそろ“思い出しそう”なんだ】
B君『お前……まさか……』
AB君【接続が揺らいでる。
もうすぐ、僕の“本当の位置”が分かる】
A君「本当の位置……?」
出演:A君・B君・O君・AB君
電気を消した瞬間に浮かび上がった赤チョークの文字は、
未来技術と外部意識のつながりを
静かに示していたのかもしれない。
圧縮・再構成・成熟端末・再接続……
すべての断片が、ひとつの方向へ収束し始めている。
そしてAB君の“位置”が揺らぎ始めた今、
物語は次の段階へ進む。
──次回、AB君の“正体”に、初めて手が届く。
今回のキーワード:
「圧縮」「再構成」「成熟端末」「再接続」「unknown-node-01」「黒板」「赤チョーク」




