特別コーナー:観客からの質問タイム
(舞台中央にマイクスタンドが一本設置され、あすかが軽やかに前へ出る)
あすか(司会):
最終ラウンドに移る前に、ここで少し趣向を変えましょう。
対談をご覧いただいている観客の皆さんから、
直接、対談者に質問を投げかけていただく時間です!
(客席がざわざわと盛り上がる)
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質問①:地方に住む高校生から
【制服姿の高校生がマイクの前に立つ】
高校生(やや緊張しながら):
こんにちは。私は長野県に住んでいます。
地方に住んでいて、時々「東京に行かないと、将来は開けないのかな」と不安になります。
皆さんにお聞きしたいです。
地方に住む若者が希望を持つには、どうしたらいいですか?
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トクヴィル(真剣なまなざし):
素晴らしい質問ですね。
私がアメリカで見た“希望”とは、地元の人々が小さな活動を自ら起こしていたことです。
君が住む町も、世界を動かす一部なのです。
首都に行くことだけが“成功”ではありませんよ。
石丸伸二:
私も同感です。
地方には、首都にない“可能性”が埋もれています。
今の時代は、インターネットもある。
地方から世界に発信することだってできる。
あなた自身が、“地方から希望をつくる側”になれると、私は信じています。
始皇帝(やや高圧だが真面目に):
ふむ、かつてのわしなら「都に上がれ」と言った。
だが、今の世は違う。
わしの帝国には、“郡県制”という制度があった。
各地に将がいて、それぞれが民を支えた。
地方に住む者こそ、土地をよく知る“柱石”となれるのだ。
リンカーン(微笑みつつ):
私の育ったケンタッキーも“地方”でした。
書物に囲まれながら、灯りの下で夢を描いたものです。
あなたが地方にいても、“どんな人間になるか”は、あなたの心と行動で決まります。
安心して、胸を張って生きなさい。
あすか(あたたかく):
すてきな言葉ばかりでしたね。
どうもありがとうございました!
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質問②:東京在住の会社員から
【スーツ姿の青年がマイクの前に立つ】
会社員(丁寧に):
私は東京で働いています。
地方への分散は必要だと理解しつつも、「東京ばかり悪者にされているのでは」と感じることもあります。
首都に住む人間は、どう振る舞えばよいのでしょうか?
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石丸伸二(真摯に):
東京一極集中に関しては様々な考え方があるのは理解しています。
東京で働く人たちは、むしろ“仕組みの中で戦っている”仲間です。
だからこそ、東京の人には“声を上げる力”がある。
地方と首都が対立するのではなく、連帯して未来をつくっていく――
その第一歩を、ぜひ東京から始めてください。
リンカーン:
敵は“場所”ではなく、“無関心”です。
あなたが変化を願い、行動を始めたその瞬間から、
あなたは“正義の一部”になっていると、私は信じています。
トクヴィル:
あなたが東京にいても、地方とつながる方法はたくさんあります。
NPO、ボランティア、地域企業との連携――
“首都にいる地方人”という発想を、私は歓迎したいですね。
始皇帝(腕を組んで):
……都の者が謙虚に問う姿を、わしは好む。
誇りを持ちつつ、耳を澄ませ。
帝都の力とは、剣ではなく“耳”の鋭さかもしれぬな。
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あすか(満面の笑み):
皆さん、素晴らしい質問とご回答、ありがとうございました!
観客の声が届くこの瞬間こそ、“中央と地方の対話”の象徴ですね。
次は、いよいよ最終ラウンド「未来の国のかたちをどう描く?」
――国を動かすのは誰なのか? どんな仕組みで支えるのか?
この議論の果てに、答えが見えてくるかもしれません。
では、引き続きお楽しみに!
(舞台が暗転し、次のラウンドへの期待を残してコーナーが終了する)