オープニング:首都と地方、その力の在り処
(舞台:円形ステージ。中央に司会者あすかが立ち、周囲には歴史から召喚された4人のゲストがそれぞれの椅子に座っている。背後のスクリーンには「歴史バトルロワイヤル:首都と地方スペシャル」のロゴが煌めく。)
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あすか(司会):
歴史バトルロワイヤルーー時空を超えた知の闘技場へようこそ。
本日お届けするのは「首都と地方スペシャル」!
テーマはずばり――
「首都と地方のあり方」です。
現代日本では東京一極集中の弊害が叫ばれています。
一方で、地方は人口減少や財政難に苦しみ、声を上げてもなかなか届かない。
――そもそも、国の中心とは何なのか?地方はどうあるべきなのか?
この大命題に挑むべく、時空を超えて集まっていただいたのがこちらの4人!
(スポットライトが次々に各ゲストに当たる)
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あすか:
まずは、中国史上初めて国家統一を成し遂げ、首都を絶対的権力の象徴とした皇帝――
秦の始皇帝!
始皇帝(低く重々しい声):
ふん……再びこの時代に呼ばれるとはな。
都がすべてを制し、統べる――それが、我が道よ。
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あすか:
続いて、地方自治こそ民主主義の要と喝破した19世紀フランスの知性――
アレクシ・ド・トクヴィル!
トクヴィル(落ち着いた微笑を浮かべながら):
ご招待ありがとうございます。
中央の力も、地方の自由も――いずれかに偏れば、国家は崩れる。
私はその均衡を語りにまいりました。
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あすか:
次に登場するのは、南北戦争の危機を乗り越え、アメリカ合衆国の統一を守り抜いた男――
エイブラハム・リンカーン!
リンカーン(帽子に手をかけ、紳士的に):
皆さん、こんにちは。
私が信じるのは“人民”の力。
地方にも中央にも、その声が宿っているはずです。
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あすか:
そして最後は、現代日本で「東京を変え、地方を動かす」と語り、挑戦を続ける政治家――
石丸伸二さんです!
石丸伸二(姿勢正しく、力強く):
今日、この場に立てて光栄です。
地方が声を上げなければ、国は変わらない。
でも、首都が聞く耳を持たなければ、その声は届かない。
だから、私は東京から変えていきたい。
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あすか:
それでは、皆さんにこのテーマについて最初の印象を伺いましょう。
始皇帝(鋭く一瞥しながら):
国は混沌の中にあった。
六国を討ち、都に法と制度を築いた。それが“統一”というものだ。
地方の言葉? 気ままな習慣?
そんなものは混乱の種にすぎぬ。
トクヴィル(眉をひそめ):
それは……強固なる秩序の美名を借りた、自由の抑圧ではありませんか?
私はアメリカで見ました。村の集会から育まれる健全な政治を。
中央がすべてを決める世界に、人々の希望はあるでしょうか。
リンカーン(うなずきつつ):
両者の言い分に、一理あります。
国家をまとめるには、確かに中心が必要だ。
だが、忘れてはいけない。
“政府は人民のためにある”――それが我々の原則だ。
石丸伸二(視線を全員に向けながら):
今の日本は、地方の力が失われつつあります。
なぜか? 東京が吸い上げてきたからです。
でも、私は首都の改革が地方の再生につながると信じています。
中央と地方、どちらが上ではない。
“関係性”を変えるべきなんです。
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あすか:
ありがとうございます……!
それぞれの立場と時代背景を背負った意見、すでに火花が散り始めていますね。
中央集権の権化たる始皇帝、自由自治の信奉者トクヴィル、統合と自由の調停者リンカーン、
そして改革を志す現代の実践者・石丸伸二さん――。
それでは、いよいよラウンド1に参りましょう!
テーマは……
「中央集権は悪なのか?」
続いての激論にご期待ください!