EP.1『長い眠り』
ゲマンが12天使になる前、
12天使の中で最も若い青年がいた。
彼は幼少の頃、父親の言いつけにより
母親と妹と離れ離れになる。
そんな中、彼の父親は何者かに殺害されてしまう。
これは彼が天使になる最初の事件の物語である。
シーヤ(僕の名前はシーヤ。年齢は19歳。僕には大切な妹シープルと母シレップがいる。だけど10年くらい家族なのに会えない生活が続いていた。僕の父シグドのせいではあるのだけれど父は殺された。死んだことにショックは受けたが涙は全く出なかった。)
ハゼラス「よう!新入りだな?」
シーヤ「ハゼラスさん何のようですか?」
ハゼラス「何の様ってお前能力使えないんだってな?」
シーヤ「それが?僕は天使になりたくてなるんじゃないよ。」
ハゼラス「血統ってつくづく思うんだがアホらしいよな?」
シーヤ「もう行っていいですか?」
ハゼラス「ん?」
シーヤ「新人いびりは他の天使から聞いてますよ。自分より下の後輩天使にはそうやって対応することを。リザジュウガさんが困ってる様ですよ。」
ハゼラス「ケッ!さっさと行っちまいな。」
シーヤは小声で
「天使が肩書きのチンピラが偉そうに。」
アキゼ「シーヤ!ちょっと来てくれ!」
シーヤ「アキゼさんなんですか?」
アキゼ「君の為にこれを作ったんだ。」
シーヤ「なんですかこれ。」
アキゼ「これは潜在能力解放装置。通称Sこれを使えば能力が手に入るよ。」
シーヤ「僕にそんなの必要ないよ。」
アキゼ「だけど天使でいるからには一つくらい能力を持ってないと!」
シーヤ「ハゼラスさんのは爆ぜる能力や、シュウビャさんの殺す能力みたいに傷つけることを目的とする様な能力はいらない。」
アキゼ「まあ、良いから良いから使ってみなよ。そんな業の能力は稀だ稀。」
シーヤ「おい、勝手に…」
アキゼ「スイッチオン!」
シーヤ「ぐわああああああああああああああ」
シーヤに激痛が走る。
アキゼ「おおおおお、良い反応だ!」
シーヤ「アキゼさん、痛いよ!」
アキゼ「我慢するんだ。最高の能力を手に入れるんだ!」
シーヤ「はぁ…辛かった…」
アキゼ「で?どんな能力手に入れたんだ?」
シーヤ「そんなの分からないですよ。」
アキゼ「どれどれその手を見せてみな〜」
シーヤ「アキゼさん…」
アキゼ「おや、なんか眠くなってきたな。」
シーヤ「こんなとこで寝ないでください。」
アキゼ「いや、この眠気は無理だ。まるで催眠ガス…」
アキゼは眠った。
シーヤ「どうなってるんだ僕の手は。」
エンデュ「ホッホッホー。シーヤよ、それはおそらく眠る能力だろう。」
シーヤ「エンデュさん?」
エンデュ「その能力は比較的優しい能力じゃよ、だけど逆に恐ろしい能力でもあるんじゃ。その能力は一歩間違えると永遠の眠りを相手に与えてしまう。かつてそんな存在がいたのう。」
シーヤ「なるほど。使いこなせるかな?」
シーヤの使い「シーヤ様、メユの帰還の準備が整いました。」
シーヤ「分かった。あんな父親だけど故郷に戻って供養しよう。」
シーヤは父を供養する為メユに向かったが
母と再会する為シープルに案内され
毒によって母が倒れたという事実を知った。
シーヤは絶望していた。
そこへマキャムが現れた。
マキャム「あなたの母親、シレップさんは良い人でした。それこそ誰かに恨まれるなんておかしく思える程に…」
シーヤ「母さん…」
マキャム「シレップさんを襲った毒は作られた物それも悪魔が調合した物であるのだ。そんな毒を誰がどうやって?」
シーヤ「マキャムさん、シープルを頼みます。僕は犯人を探す。」
マキャム「え?」
シーヤ「僕はこれ以上!家族が死ぬのなんて見たくない!!」
マキャム「シーヤ、貴方だって狙われるかもですよ!?」
シーヤ「知ったことか!僕の妨げになる者は全員、眠らせるだけだ。」
マキャム「眠る能力は下手したら永遠の眠りになるかもですよ!」
シーヤ「僕はもう!周りを見ない!まっすぐ見るだけだ!」
シーヤは走って行った。
マキャム「あれじゃあ、天使としてはダメなのかもしれない…でも彼の心情を考えると無下にも出来ないっか…」
セズザ「この毒の効き目ってどうだった?」
??「完璧だな。お陰でシーヤを誘き出すことが出来た。」
セズザ「あんたも悪い人だなぁ?え?悪魔以上に悪魔してるぜ。」
??「既に計画は始まっているんだ。後戻りは出来ない。そうだ!成功した暁にはトラウラに口を聞いてもらって俺を悪魔にしてくれ。」
セズザ「おう!楽しみにしておくと良い!」
??「じゃあな。」
セズザ「羊の天使のシグドを殺し、嫁のシレップも毒殺。フフフフフ。あいつは一体何者なんだろうな?通称ナイトメアよ。」
シーヤ(これは僕が母親の死の真相を探る為。他のことには目もくれない。長い眠りの事件だ。)
EP1終わり
次回EP2『ナイトメア』