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最強の部下たちと征く、異世界魔王戦記  作者: 犬鈴屋
第2章 キセトの町

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2-5 物ぐさドワーフと村民たち

「あぁ~どうっすかなぁ」

あっしは作戦室、いや元村長の2階で、口にペンを乗せてクルクル回してた。

だってあっしに課せられた任務は、他の奴らと比べて圧倒的に難しいだぜ?


旦那曰く

「ランド。お前はここを城塞にしてくれ。要塞ではなく城塞だ。もちろん1日で完成しないのは当然だが、案くらいはまとめておいてくれ。あと最後に秘密のミッションもあるが……」

っな。


いやいや、要塞じゃなくて城塞だぁ!?

要塞なら馬鹿みたいに防衛設備だけのことを考えたらいいが、城塞ときたらそう言う訳にはいかねぇ。

ちゃんとそこに住む奴らの生活スペースや営みを考えねぇといけねぇんだぞ?


言うなれば大都市計画をあっし1人でやれって言ってんだ。

無理に決まってんだろ!!

だが任せられたからにゃぁ、全力で当たらなきゃ職人の名が無くってもんよ。

まずは建てなきゃいけねぇもんをまとめるとすっか。




「おぉ村長さん、ここに居やしたか」

「これはこれはランド殿。少しお待ちいただけますか?」

元村長宅の前で、エルフの村民から囲われてた村長を見つけた。

どうやら村民たちに変わりまくった村の設備を教えてるみてぇで、分かりやすいようにここに立ってるみてぇだ。

偉い爺さんだぜ全く。


「いや別に適当でいいからよ、どんな建物作って欲しいか要望ある奴をまとめててくれ。後でまとめっから」

「建物……ですか?それはどういう……」

「あぁ~。例えば家とか畑とか、あと食堂とかかぁ?生活するのに欲しいって建物だよ。それを顔つきあわせた時に、言い合うってわけだ」

「なるほど、分かりました。後ほど要望がある者は作戦室に向かわせるとしましょう」

村長さんが頷いてくれたから、次は離れの家にでも向かうとすっか。


「あ、お待ちをランド殿。もしかして、あの離れに?」

「あん?そうだよ。なんか問題か?」

「いえあそこには人間がいるので……」

「んたこたぁどうでもいいんだよ。人間つったって色んな奴がいんだ。それに今回は見逃してやるが、あっしの旦那も人間なんだ。下手なこと言うと頭ぶちぬくぜぇ?」

「も、申し訳ございませんでした!」

ったく面倒ったらありゃしねぇ。

んなどうでもいい問題、あっし抜きにしてほしいもんだ。




魔改造した村の端っこ、エルフ達の声も聞こえねぇ場所に立てた……なんだっけ?

あぁそうだ、確か倉庫だったような場所にまとめてるんだったか。


あっしは建物から突き出した部分に作った扉の鍵を開けて中に入る。

「おぅ、邪魔するぜぇ」

「死ねぇぇぇぇええええ!!」

確か壁か?床のシミって名の男が、入口の影から襲い掛かってきやがった。

殺気も隠せてねぇし、何より能力に差がありすぎる。


バキャッ!

何かのシミが持ってた木の板が、あっしの頭に当たると板の方が粉砕したけど、まぁ当然だわな。

「お、おのれぇ!!」

「うるせぇなぁ」

ギャンギャン喚き散らす喧しい奴は、研究の邪魔にしかならねぇから嫌いなんだよ。


とにかくあっしは持っていた槌で、そいつのガラ空きの横っ腹にぶつけてやる。

ドゴッ!!

「ギャピッ!?」

意味不明なことを叫び声と一緒に倉庫の端っこまでぶっ飛ばしてやった。

せめて変な飛び方でもしてくれたら、インスプレーションになるんだがなぁ。




「それで、お前さんもやるのかい?」

あっしは何かのシミがぶっ飛ばした反対で、スリングショットをぶん回してる女に顔を向けた。

使ったことねぇんだろうなぁ、セメントみてぇに手首が固まってらぁ。

「おぃおぃ、使えねぇ武器なんて実戦で持つもんじゃねぇよ」

んな状態でダンジョンに行って命を放り出した奴なんて、何人も見てきたんだ。

馬鹿みてぇに意地張ってねぇで、安全で使える武器を使えってんだ。


「う、うるさいわよ、このチビが!これでも、くらいなさい!!」

「はぁ。わざわざ言うんじゃねぇよ」

素人の女がヒョロヒョロ石なんて、真っすぐ飛ぶはずもねぇ。

けど旦那からも指示があるんでな。

腰に差していたホルダーから、あっし愛用の銃を取り出して……。

チュンッ!!

石をぶち抜いてたやった。


綺麗サッパリ姿形を無くしているのに、あっしが作った倉庫の天井には傷1つ無い。

流石あっしの作った傑作の1つ、ちゃんと攻撃識別が付いてるみてぇで最高だ。

ちなみにあっしの愛銃ドヴェルグは、旦那曰くリボルバーとハンドガンって奴を合成したみたいな形らしい。

旦那は偉い興奮してたが、流石に連射できる機能はねぇし……。

「な、何をっ!?」

「おっと忘れてた、とりあえず黙っておきな」

愛銃に想いを馳せてたのに、ったく空気読めねぇなぁ。


あっしはドヴェルグの左側面についているセレクターレバーを空砲に変えてからその女の眉間にトリガーを引いた。

チュンッ!

「な、がぁっ!?」

「あぁ気絶だけだから安心しろ。聞こえてねぇと思うが」

空砲っつっても、そこに魔法を込められるからな。

極小の【パラライズ】を打ちだしたら、こんなもんよ。


っとと、あっしが来たのはこんな馬鹿を相手にするためじゃねぇ。

他にも人間がいたと思うんだがどこにと思って探したら、なんか倉庫の端っこで転がされていた。

「ち、違う!俺たちはあの2人とは全く無関係だ!!」

「そうなの!!ただ私が乱暴されかけたのを彼は庇っただけで……」

「お、俺はあいつらに手伝わないって言っただけだ!」

あぁだこうだと弁明してくるが、あっしはまだ何も言ってねぇんだよ。

「おぅおぅうるせぇなぁ。お前さんらが何しようかなんてどうでもいいってことよ。じっとしてろ」

3人を縛っていた紐を、炙って消し炭にしてやった。




「でだ、お前さんら何か立てて欲しい建物とかねぇか?」

「え?」

さっきまで縛られてた腕とか足を確認してた人間たちが、馬鹿みてぇな顔で聞き返してきやがる。

「あん?聞こえなかったか?」

「聞こえていました!ただ、どうして俺たちにも?」

「はぁ?お前さんら、まさかこのまま無駄飯くらいになるってわけじゃあねぇよな?」

あっしがそう言うと、3人は取れちまうんじゃないかってくらい首を振った。


「いえそんなつもりは!」

「た、ただエルフたちが……」

「あぁ?エルフがどうしたってんだ。そいつらの生活すんだから、すり合わせすんのは当然だろ」

「えぇ!?」

なんだこいつら、また馬鹿みてぇな顔になってやがる。


「なんだ?まさかお前さんらも亜人種が嫌とか抜かすんじゃねぇだろうな?」

「ひぇっ!ち、違います!そんなこと言うつもりは決してありません!ですが、エルフの人たちがどう思うのかまでは」

「そいつなら問題ねぇよ。なんかあったらそのエルフをしょっぴくまでだ。つーか、こんな陰気っぽいとこ早くでっぞ」

「は、はい!」

あっしは人間3人を引き連れ、倉庫を出る。


「あ、あの倉庫はあのままで……?」

「あん?あぁあのままでいいぞ」

「そ、そうですか分かりました」

(つがい)持ち男が言ってるが、あっしは敢えて無視してそのまま作戦室へと向かった。




「あぁ~めんどくせぇ~」

あっしは机に脚をのっけて、グダグダ言い合ってるエルフと人間を見る。

「ですが、これだと食料が足りないと思うのですが……」

「我々エルフは小食で、お前達人間と違って暴食ではないのだ!だから畑の面積はこれだけで足りるし、家畜などいらない!」

番持ちの男が人間のリーダーみたいで、エルフから飛んでくる罵倒を受け止めてるみてぇだ。


「おい、また荒くなってきたぞ」

あっしは長机を挟んで対峙する人間とエルフの中間、所謂誕生日席に座っていて、すぐ近くのオートタレットをさっき罵倒を捲し立てたエルフに向けた。

「は、はっ!これは申し訳ありません……!」

エルフの男は借り物の猫になったみたいにすぐ謝るけど、それなら最初からやんじゃねぇよ。

とまぁ、こんな風にあっしが威圧を振りまいてエルフの奴らを抑えて、顔を突き合わせているってこった。

ちなみにあっしの後ろには、ホワイトボードに感激しつつも話し合った内容を書き込むエンメルもいる。


だがなぁ……

「え、えぇと次の建物に行きませんか?」

エンメルがそう言って進行を促すくらいに、ホワイトボードは真っ白だ。

そりゃあ当然で、最初に生き物が生きるのに重要な食料の話から入ったからな。

野菜ばっか食って小食のエルフは最低限賄える量しか言わねぇし、普通に食う人間は備蓄できる種類と量を考えて言ってるから話が合わねぇのは当然だよな。


「ところで、結局お前さんらは普段何喰ってんだ?」

あっしが脅したことで静まり返った顔合わせに、あっしは助け船を出してやった。

「わ、私たちエルフは森の恵みを」

「俺たち人間は肉と野菜とかを食べてます」

「そうか。ちなみにあっしらは人間と同じもん食ってるからな」

何を言いたいのかエルフは理解してくたみたいで、文句は出てこねぇな。

人間は驚いた顔でこっちを見てるが、何驚いてたんだよ普通だろ。


「あ、あの意見をよろしいでしょうか?」

エルフ側の席で最もあっしに近い場所に座ってた村長のエルフが、なんでか手を上げてる。

「構わねぇぞ。なんだ?」

「大変失礼なことを承知で、ランド殿やオウキ殿はどこから食料を?見たところバッグなどをお持ちでないようですが……」

まぁ確かにあっしらはバッグなんて持ってねぇからな、疑問に思うのは当然だろうな。

「あっしらはバッグは持ってねぇけど、これがあんだよ」

あっしはポケットの中から、1つの巾着を出して掲げた。


もちろんただの巾着じゃねぇよ?

大容量のアイテムボックスで、ここに容量以内だったらなんでも入れられるっつぅ超便利アイテムだ。

普通なら旦那くらいしか持たねぇくらい高価なアイテムなんだが、あっしらは全員が持ってる。


ここにあっしは工具やら素材をぶち込んでんだが、もちろん食い物とか回復薬も詰まってる。

「これがあっしの食ってるもんだ」

と言って非常食として持ってるチキンソテーを出してやった。

「これは……?」

「チキンソテーつって、簡単に作れる料理だ。家からフォークとか持ってきて食ってみろ」

あっしの持ってる箸は渡さねぇよ?

エルフたちは足音を立てて階下にフォークを探しに行った。


そんで、さっきから人間が大人しいなと思って見てみたら、何か番持ちの男とその番が目を瞬かせてた。

「あんだ?これは渡さねぇよ?」

「い、いえ違います」

「んじゃなんでそんな見てんだよ?」

ただの巾着にしかみえねぇもんを、愛してやまない変人ならわかるが。

「それは……」

男とその番が顔を見合わせてると

「村の長老と呼ばれている人も、そんな巾着を持っていたんです」

「へぇそうなんすか。けどあっしは面倒なんで、旦那にはお前さんから言ってくれ」

「わ、分かりました!」

これ以上面倒事は厄介だ。

まぁ旦那も理解してくれるだろと、あっしは匙を全力でぶん投げた。




その後、エルフたちがあっしの食事を実食した結果、人間の案が通ったみてぇだ。

簡単に手のひらひっくり返すなら、最初からそうしとけってんだ。

時間もたっぷりあるわけじゃねぇんだから。

それからはエルフたちも人間の話に耳を傾けだしたのか、そんなに揉めることなく決まっていった。

あぁ~、最初からこうだったら研究時間も確保できたのになぁ。

というか、まだ地下に【上級・ミニポーター】置いてねぇや。

くっそだりぃ~。

少し書き方を変えてみました。

読み難い等々ありましたら、コメントかXまでご連絡いただけると幸いです。


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筆者の執筆モチベーションにも繋がるので、ぜひよろしくお願いします!

X(@KenRinYa)もやっているので、フォローもよろしくお願いします!

また感想や質問、要望などもコメントかXで受け付けていますので、ぜひぜひお送りください!

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