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幸せを掴む迄の軌跡  作者: 清香


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08 朱に交わらなくとも、類は友を呼ぶのですよ。

 私が気付かない所で、長期休暇明けの学校は少し騒がしくなっていました。


 冤罪騒ぎのお陰で名を売ってしまったようです。私の足を掬いたいのか、初等学校時代の話を持ち出す人が出始めました。と言っても、Cクラスの下級貴族数人が休暇中に他校に行った友人から仕入れて来た話を、そのまま面白おかしく話している様です。


 「シュバイツアー様はパッチワークの洋服がお好きだったと聞きましたよ。」


 とか、


 「女の子でも無いのに、家事のスキルが高いそうですが、コツを教えてもらいたいですねぇ。」


 とか、私に直接話しに来ない癖に、廊下等で友人と声高に話す時に、話の中に入れては拡散しているそうです。目的は知りませんが、ほとんど間違った事は言ってないし、私に直接話さないので無視しようとしていますが、気分良くは有りません。


 「名誉毀損って事で、学園長に訴えても良いと思うのですよね。」


 と怒りながら情報提供して来たケビン。不確かで誹謗中傷的な内容の噂ですから、流石にAクラス迄には伝わって来ず、私達3人は後手に回ってしまいました。


 「ミッシェル様、Bクラス迄広まっているなら、もう、静観する時は過ぎたと思いますよ。たぶん、冤罪騒ぎを知っている寮生がきっかけになっていると思いますが、誹謗中傷は立派な犯罪で有ると注意喚起すべきです。」


 冷静なファッブルもそう思うのですか。まぁ、内容は兎も角、何を目的としているかが問題ですからね。私も動いてみましょうか。とは言え前回と違い、私は直接言われていないし、対象が広がり過ぎているので、まともに罰してもらえる範囲では無さそうです。


 「ファッブル、噂に対抗する噂をコチラから流そうと思うのですが、知恵を貸して下さい。

 私の小さい頃の服装に関しては、元実家は下級貴族だった為、上の二人に金銭を掛け過ぎて、末子の私に掛ける余裕が無かった。と、下級貴族の考えの足りなさと、私への配慮の無さを家族に虐げられたとの方向で、伯爵位以上の方に流したいです。

 家事スキルについては持っていないので、直接来られても教えられません。どんな話からそうなったか、想像は付きますけれど、コチラは事実と異なると思ってますので、この件に付いては名誉毀損と言えそうですね。

 寮内で言い出した者が判明したら、寮監を伴って全員の前で告げたいと思います。」


 やっぱり王都になんか出て来るんじゃ無かったと思いながら言うと、


 「そうですね。派閥の囀り雀が使えたら一番だったのですが、噂の広がり方から、どうもそいつらに裏切り者が居そうなので探っている所です。なので、この件は私達の繋がりから流そうと思います。その方が信憑性も高まりますし、裏切り者への牽制にもなりますからね。」


 と黒い笑顔でファッブルが言うと、


 「じゃあ、Bクラスの友人達に、不穏な噂を耳にしたんだが、実際の話は、ミッシェル様の優秀さを兄達に僻まれて、虐げられていたのを知った侯爵様が跡取りに指名して籍を移し、実家と断絶させたのだ。と囀るわ。

 伯爵家も子爵家も友人には居るから、どちらにも話は行くし、前回の件が有るから、コチラが動いた事で、今後どういう動きをしなければならないか判断するだろう。」


 とケビンも真面目な顔で返して来ました。私が優秀と言うより、男爵に落とされた元兄達と元母に問題が有ったのですが、そこはどうでも良いでしょう。問題は、この学校に通う生徒が噂の意図を確かめもせずに振り回されていると言う事でしょう。それと派閥の裏切り者ですか。


 「血筋は兎も角、元子爵家出身の私が侯爵家に養子に入ったという事が気に入らないのでしょうか。その裏切り者とはさぞかし私よりも優秀なのでしょうね。」


 と、私も昏く呟いてしまいました。


 今回は私が直接攻撃された訳ではなく、ただの噂です。私達が振り回されるのは本末転倒なので、普段通りの生活に戻します。休み明けで文化祭も控えてますし、その後には試験も控えています。


 薬学部では薬草についての発表をするので、薬草園の薬草を使って傷薬を作るそうです。私はルーティンに沿って水掛けをしに薬草園に行きました。そこには部長先輩の他に数人居て、何やら威張って薬草を指差してます。


 「今日の水掛けはミッシェルさんでしたか。此方は錬金術部のグースさん、スパムさん、セロンさんです。ポーションに使いたいとの事で、薬草を摘みに来ました。」


 うん。この態度を見るに錬金術部に入らないで正解だったかも。なんか勘違い野郎という言葉が浮かびました。


 「水掛けをしますけど、先に採取を手伝いますか?」


 と先輩に聞くと、スパムさんと紹介された人が一歩前に出て、


 「君はもしかして、家事スキル持ちと噂の1年か?なら、水掛けも得意なんだろうな。見せてみろよ。」


 とバカにした様な物言いをしました。先輩が発言に驚いて、


 「スパムさん、ミッシェルさんは侯爵家の跡取りです。初対面にも関わらず、その様な言い方は不遜ですよ。訂正して謝罪して下さい。」


 と怒ってくれました。私も、


 「身分をひけらかす趣味は有りませんけど、スパムさん?の意見は、下級貴族の子弟を中心に今校内で流れている無責任な噂を根拠としていると判断しても宜しいですね。

 私は水属性を持っていますから水掛けをしに来ましたが、家事スキルなど持っていません。初対面でこの様な辱めを受ける謂れは有りませんので、家を通して謝罪を求めても宜しいのですよ。」


 と冷たい表情で言い切りました。彼が伯爵以上の家ならあの噂に振り回されないだろうとの推測からです。私の反発を受けて、グースさんと紹介された人が、


 「スパム、君が悪い。あの噂を間に受けるな。と言っておいただろう。ミッシェル君。うちの部員に不届者がいた様で済まない。今後、周知徹底を図るから許してもらいたい。」


 とすかさず謝って来たので、この話は終わり、部長に促されて私は水掛けをしたのだが………


 「ミッシェル君、その魔力を錬金術部に使ってはどうだろう。薬学部が抜けられないのなら兼部でも良い。」


 と捕まってしまった。範囲指定して一気に水掛けしたのが不味かったらしい。魔力量の多さに執着された様で、部長に隠れて庇ってもらい、何とか逃げるのに成功したが、疲れた。


 寮に戻ってファッブルに話すと、あのスパムが裏切り者だと分かった。勿論、父様に連絡して処置してもらうし、私も調べてみたが、錬金術部に居るが成績優秀とは言えず、一応火属性だが魔力が低く、余り使えないそうだ。なのに、私が水属性を持っていると知っただけで優位に立ったつもりだったらしい。


 「私は複数属性持ちなんだけど、スパムは自分が一属性しか持っていないから、私も水属性しか持っていないと思ったのかな。でも、魔力量の違いも大きいし、彼が何を持って私より上だと思えたのか分からないな。」


 と言うと、ポールが、


 「聞いた話では、親がミッシェル様の側近を狙っていたらしいです。学年が上だから庇護する形で側近になれば立場も優遇されると考えたのでしょう。処が、一切話が来ないまま側近が決まってしまい、学校で何故自分から寄っていかなかったのか。と叱られていたらしいです。単純に逆恨みでしょうね。」


 と推論を語ってくれて、皆納得して終わりました。


 スパムが沈黙したのと、ファッブル達が動いてくれて、寮内での粛清がされた事で噂はやって立ち消えました。

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