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幸せを掴む迄の軌跡  作者: 清香


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06 王都の上級学校に入りました

あの迷惑騒動の後は穏やかな日々が続き、気付いたら王都の上級学校に進学していました。お祖父様に守られた領地の中等学校の居心地の良さを思い出して、守られる幸せを噛み締めてしまいました。


 取り敢えず王都で3年間の辛抱です。学業は3人ともトップクラスなので安心なのですが、私は相変わらず剣術が苦手です。でも、魔力は多いので、そちらに特化していると言う事で問題ありません。


 ファッブルはトマスとアリータを注視していたのですが、二人ともこの学校には通っていないみたいです。たぶん、トリトーン兄さん達の通った方に行っているのでしょう。でも、文官を目指すなら此方の学校でないと無理なのですが、学力が足りないと入れないのですよね。


 「ケビンは残念だったけど、3人ともAクラスで良かったです。しかも、魔術と剣術で選択出来るのが素晴らしいですね。」


 クラス分けが済んで、ファッブルと二人で魔術を選ぼうねと言い合っていると、ポールが、


 「では、私だけでも剣術に行きますね。誰か一人位は剣術が出来ないと不味いでしょうから。合同授業ですし、Bクラスのケビンと二人で剣術を学んで来ます。」


 と諦めた様に呟きます。ケビンは運動神経は4人中トップなのですが、勉強はちょっとだけ苦手な様です。でもこの学校に受かるだけの学力は有るのですが、流石脳筋を自称するだけは有ります?私達4人は丁度2人ずつ分かれられたので、調和の取れたグループだと思います。


 幸いにも、同じクラスに5年前に私を虐めていた人達は居ませんでした。と言うより、あんな低俗な事をする様な人は面接で弾かれたのかもしれませんね。此処は領主候補生とか、上に立つ人の為の教育をする学校ですから。


 因みにキース伯父様がゴンチャロ家の令嬢と知り合ったのは、学校同士の交流会での事だったそうなので、交流会に出なければ良いかなと思っていますが、トラブルは何時も向こうから来る物なので、注意は必要ですね。


 学内に図書館があり、最低限の商品は購買部で取り扱っているそうです。無理して出歩く必要が無いと言うか、外に遊びに出歩く暇が有るなら勉強しなさい。と言う事なのでしょう。相談の結果、学校に慣れるまでは外出も控えて、王都を歩く時は4人で離れない様にしよう。となりました。


 「ごめんね。私は余り外に遊びに行かせてもらった事が無かったから、紹介できる様なお店が無くて、王都の案内も出来ないんだ。」


 と謝ると、3人とも、一緒に開拓出来る楽しみが有って良かった。と慰めてくれました。


 「そうだね。4人でお気に入りを見つけるのは楽しいだろうね。」


 と笑い合ってホッとしました。ポールもファッブルも3年前のトマスやアリータの事を忘れていないので、学内に居る事で遭遇を避けられるなら、その方が良いと頷いてますし、ストレスが溜まるまでは、外出を必要としていないみたいです。ケビンが、


 「新しく出来た友人達と出歩いた時に下見しておいてあげるよ。」


 と言うと、ファッブルも


 「そうですね、クラスの中には寮生以外の人も居ますし、友人になって情報を集めるのも良いですね。」


 とポールに言ってます。事前準備は完璧に。がファッブルの信条でした。


 あ、私が住んでいた子爵家は王都でも外れの方なので、わざわざ見に行く気は有りませんし、5年も経って、近所の人達の記憶からは薄れているか、忘れ去られていると思うので、余計な事をする気は有りませんよ。


 何処かのクラブには所属しないといけないので、相談の結果、薬学部に入りました。錬金術部も惹かれたのですが、ケビンが付いて行けそうに無いと尻込みしたので、諦めました。


 「初めまして。傷薬とか解毒剤に興味が有ったので此処を選びました、ミッシェル・シュバイツアーです。よろしくお願いします。」


 と自己紹介すると、先輩方から、


 「基本だね。良い目標だと思うよ。一緒に勉強して行こうね。ポーションを作る時は錬金術部に協力を依頼するから、それも楽しみにしていてね。」


 「あ、学校の薬草園は私達が管理しているんだ。まさか、土いじりは苦手では無いよね。」


 等と声を掛けてもらいました。私達4人は寮住まいなので、薬草園の隣りに住んでいます。ファッブルが、


 「寮の隣りの薬草園ですよね。実は、その隣りになるのかな?畑を少し借りてハーブや花等を育てる予定です。ですから、薬草園を手伝わせて頂くのは畑作りの参考にさせて頂けるので大歓迎です。」


 と答えると喜ばれました。私達は土いじりに躊躇しないけど、女の子達はそうでも無いみたい。特に虫がね。女性の先輩達からよろしくねと言われました。


 先輩に連れられて薬草園に行くと、種類毎に畝で分けられたエリアが有りました。確かに花壇というよりは畑ですね。薬草のお世話をする時に間違って踏んだりせずに済みそうですし、雑草を抜くのも簡単そうです。


 「この盛り土をするのは良いですね。歩く所と根の貼る場所が分かれていて、世話がし易いです。僕達の畑にも取り入れます。」


 と、ファッブルが先輩に話し掛けて遣り方を教わっています。僕が薬草の種類を見ていると、


 「珍しい物は無いけど、皆豊かに育っているでしょう。」


 と声を掛けられました。


 「毎日の水掛け以外に、水属性持ちが担当して、毎週、魔法で水掛けをしているのよ。魔力を足す事で薬効が上がる研究結果が発表されてから、我が部の伝統になったのよ。」


 双子の先輩で、お互いの顔を見ながら、ねぇ〜って笑ってます。4人のうちで水属性持ちは私なので、


 「では、水属性持ちの私もローテーションに入るのですね。」


 と自己申告しておきました。話が聞こえていたのか、部長さんが、


 「それは助かります。水属性持ちの先輩が卒業してしまったので、新入生には期待してましたので、安心しました。後で属性持ちが集まってローテーションを作るので、参加してもらいますね。」


 とニコニコして話しかけて来たので、了解しておきました。薬草に魔力をですか。ポーションを作る薬草には非常に効果的ですね。私の魔力で育った薬草を使ったポーション。早く作ってみたいです。


 「薬草園は錬金術部も持っているのですか?」


 と聞くと、部長さんが渋い顔つきになりました。双子さんの水色の髪の方の先輩が、


 「あー、彼方はね、錬金術で魔力を使うから薬草栽培迄は手が回らない。薬草を提供してもらう代わりにポーションの製造を許可しょう。って上から目線で言うからね、正直なところ、そんなに仲良くなれないのよねぇ。」


 と苦笑しながら教えてくれました。部長も、

 

 「まぁ、使った薬草分の経費はちゃんと納めてもらっているから、余り文句は言えないんだけど、だからって、立場は対等だと思うのだよ。」


 と半分諦めた口調で言いました。3年生になって選ぶ専科の中に錬金術が有って、薬学が無いのが上から目線の理由らしいのですが、命に直結する薬品の勉強は1年では足りないので、更に上の専門学校に進まなくてはいけないのだそうです。此処に入部する生徒たちの何人かはそこに入学する為の予習的な感じで入部しているそうです。


 「私は擦り傷を直せる傷薬や、解毒剤が作れたら良いなぁ位で入部しましたが………」


 と言うと、部長が、


 「傷薬は作る機会が有るね。解毒剤は、物に依るかな?一般的な市販薬の物なら、今までにも作った前例が有ったと思うよ。でも、活動の基本は薬草の手入れと、机上の勉強がメインかな?

 期待外れだったらごめんね。」


 と申し訳無さそうに言います。それを聞いたポールが、


 「でも、錬金術部と共同でポーションも作るのでしょう?充分ですよ。」


 とまとめてくれました。活動時間が短い理由が分かった気がしました。



 勉強に部活にと、初めての寮生活での経験も加わって、目まぐるしく生活していますと、父様から注意喚起の手紙が来ました。


 お祖母様が出たパーティで、社交界の噂に元実家と私の名前が出ているらしいのです。まだ、そんなに大きな物では無いそうですが、その度にお祖母様やご友人の奥様が火消しをしてくれているそうです。実家と縁を切って数年経つ今、何でそんな噂が出て来たのか、調査しているとの事でした。


 私は学校と寮に引き篭もっているので、私の元にはそんな話は伝わって来ていませんが、注意する必要性は有ります。ポールとファッブルにも情報を共有して、私達の周囲から、ひっそりと対抗する噂を流そうかと相談を重ねました。

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