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65 騎士団の大会~予選会その1

「アーロン、人気になっている演劇のチケットが取れたんだけど一緒に見に行ってくれない? 」

 オリビアに誘われたアーロン。

 断ろうとしたが断り切れなかった。

 平日のチケットであるため、友達と休みが合わないとか、店の客と見に行くと面倒くさいことになるとか、そういうことがアーロンを誘った理由だそうだ。


 アーロンも平日は仕事があると断ったが、騎士団なら有給休暇があることを説明された。

 最近、騎士団の人たちがフクロウ亭に来ていることから色々と教わったらしい。

 給料日についても。

 オリビアの主張する理由と、食事難民だったアーロンを拾ってくれた恩義などを前面に出されると断るに断れなかった。

 仕方ない、エレナにその日休めるか聞いてみよう。




★★★




「あなたねえ。入ったばかりで有給取るつもりなの? 」

 エレナのイラついた声でアーロンは悟った。

 平日の休みは、のっぴきならない事情がある場合のみ許されるということを。


 しかしアーロンにも事情がある。

 恩返ししろと言われている状況で、その約束を反故(ほご)にしてしまうとオリビアの恩義に利息が付いてしまうのだ。

 きっと高くつく。



「しかもその(あたり)は予選の後で仕事が詰まっている時じゃないのよ。何考えているの」

 ヒステリックな声で心にダメージが通る。


「エレナさん、アーロン君も知っていて言ったことじゃないだろうからその辺にしといたら」

 ディエゴがアーロンに助け舟を出す。


「ディエゴさんはいいですよ。いつも優勝しているんですから」

「おいおい、こっちに当たらないでくれよ。そもそも彼に予選会の事話したのか? 」

「私は話していませんけど! 別に誰かが教えているんじゃないですか? 」

「アーロン君、予選会って知ってるいるかい? 」

 ディエゴに尋ねられたアーロンは首を横に振る。


「予選会って言うのはね、十ある騎士団の代表者が戦う大会が今度行われることになっているんだ。予選会って言うのは、俺たちが属している第十騎士団の大会なんだ。その予選会で第十騎士団の代表選手を決めることになっている。そして予選会の日は全員が予選会に駆り出されるため通常業務ができないことから、予選会後は忙しくなるんだよ。そんな時に休みたい、って言うからエレナは怒っているんだよ」

 ディエゴが分かりやすく説明する。


「怒っていませんわよ。ただ常識を知らないって言っているだけです」

「その常識を学ぶ時間が彼にはなかっただけだよ」

 エレナを諭して、場をまとめようとするディエゴ。


 こんな様子じゃ休める訳がない。

 今回の誘いは丁寧に断って、初給料(じばら)で演劇のチケットを予約しよう。

 痛い出費だが、オリビアには本当に世話になったから、そのくらいは仕方ない。


「アーロン君、君がどうしてもその日休みたいって言うのなら、試合に勝てばいい。試合に勝てば休みとボーナスが貰えるからね」

「ディエゴさん、そんなこと言っても自分が優勝するつもりでしょ」

「そんなこと分からないさ。俺は実力不足でここに拾ってもらった程度の腕しかないからね。そろそろエレナさんに追い越されたころじゃないかな」

 デイエゴがエレナに言葉を返す。


「あのう、休暇って何回勝てば貰えるんですか」

 アーロンが尋ねる。

「あなた優勝するつもり? 」

「エレナさん、ちゃんと教えてあげなきゃ。アーロン君、決勝まで行けば休みは貰えるよ。正確に言えば全剣様に何かお願いを聞いてもらえる権利なんだけどね。更に優勝すれば大会の支度金として、少しだけどボーナスが出るんだよ」

「ディエゴさんは毎年予選会で優勝してボーナスを貰っているのに、本大会を欠場していますけどね」

 嫌味を言うエレナ。


「そりゃそうだろう。本大会に出る腕なんて持ち合わせていないよ。そもそも俺は第五騎士団で実力不足と言われて首になった人間だよ。間違って本大会に出た日には昔の同僚に笑われてしまうよ」

「私はその大会に出たくてたまらないんですが」

 ツンとするエレナ。


「今年あたりは俺を超えたんじゃないか」

「そうでありたいですわ」

「そういうことで、アーロン、君が決勝まで行けば休暇はOKだ。僕も毎年大会後は筋肉痛に悩まされているから、大会後に休暇を貰ってのんびりしてるんだけどね」

 ディエゴは、アーロンに少しばかりの可能性が残されていることを教えてくれた。




★★★




 アーロンは恩を返す可能性がある分だけ悩んでいた。

 文官中心の第十騎士団だから、それほどレベルは高くはないだろうが、それでも大人の大会。

 今まで勝ってきた子供の大会とはレベルが違うだろう。


 しかも本気で勝つとすれば、今まできちんと学んだ近衛流剣術正派を出すしかないのだろうか。

 しかし、流派がバレたらレティシアに見つけられる可能性が高くなる。

 本大会出場なんて以ての外だ。

 本大会出場は、決勝戦で手を抜いて負ければ何とか回避できるだろう。


 休暇を取得するために、近衛流剣術正派をなるべく使わずそれでいて決勝まで行けるような練習をするしかない。


 休暇への支障は、話しぶりからするとディエゴさんとエレナさんのようだ。

 あの二人に勝つために、普段の行動を参考に、二人の動きの癖を見つけよう。


 それだけじゃない。

 その癖を攻略するために、どの流派の剣術が効率的か研究しなければならない。

 田舎剣術出身と言えば、最悪流派のごった煮にしても言い訳は利くだろう。


 あとは体力だ。

 大会までたった一週間。

 体力を戻す時間がない。しかし身体が少しでも動くようにしておかなければならない。


 色々考えた末、このような結論に至った。

 今までは、ダンディーやレティシアに教えて貰って大会で結果を残してきた。

 今回は誰も教えてくれる人はいない。

 しかも自分の技術全てを出すわけにはいかない状況で勝たなければならない。

 オリビアのため、と言うよりも、少しでも早くフクロウ亭から遠ざかるためにアーロンは試合に勝つことにした。


 そしてアーロンは思い出した。

 王都に木剣を持ってきていないことを。

毎度遅くて済みません。

せっかく読んで下さる方がいるのに、書くだけの作業がこれほど進まないなんて。

もちろん仕事のせいです。

WLBなんて夢ですが、せめて寝る時間は欲しいです。


今週末は、土日ボランティア活動の予定が入っております。

年に一回のイベントなので、なんとか参加したいと思います。

ストーリーは、どうにかしてアップしたいと思います。


少しでも私の仕事が楽になるように祈っていただけると幸いです。

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