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47 サイナーの迷い

短いので6時にもう一本投稿します。

 『出合頭に気を付けろ』とアドバイスを受けた。

 相手の試合、ほとんどが開始後すぐにポイントを取られていることが分かっているからだ。


 守りの形、攻めの形併せて十本教わった。

 村の大会では形はほとんど使っていないと報告を受けていたが、念のためにきちんと対策はしていた。


 甘く考えていたのだろうか。

 俺とギルドメンバーは。

 甘いとすれば何が甘かったのだろうか。


 攻めの形五番は、暴風(ストーム)(プリン)(セス)しか使い切れない技じゃなかったのか。

 初っ端から、ぶっ放してくる技なのか。

 馬鹿なのか。脳筋なのか。


 他の(わざ)はどうしたんだ。

 先制攻撃したのは俺なんだぞ。

 なのになぜ、一本取られているんだ。


 サイナーはボーっとした頭でこの数秒間のことを振り返る。


 絶対に勝てる相手だ。

 舐めていた相手だけど、試合中は舐めていなかったはずだ。

 無意識に舐めプしていた可能性は? 無いとは言い切れない。

 一本すら相手は取れるはずがない、と思っていた。



 この勝負、ハビエルさんが二十億ギニーを賭けていると聞いた。

 勝てば当然報酬(おこぼれ)を貰えることになっている。

 負けたら?

 そんなこと誰も考えていない。


 負けたら誰が責任を取るんだ?

 まずは俺からなのか?

 いや、絶対負けない戦いだ。



 相手は田舎村の田舎剣士。

 まともな流派の稽古はたった二か月。

 しかも最弱流派。


 この数日だけは暴風(ストーム)(プリン)(セス)から手ほどきを受けていたはずだ。

 たった数日で俺を超える実力が付くのか?

 それとも元々俺より強かったのか?

 有り得ない。

 そんなことはあり得ない。


 俺が何年厳しい稽古を続けて実力を付けてきたと思っているんだ。

 たった二か月、ましてやまともな剣士に数日稽古を受けただけで強くなれる訳がない。

 しかも俺はレガネスギルドでアドルフォ流迅狼剣を習得しているのだ。



この一本は出合頭の事故だ。

 俺が剣を振ったところに、たまたま相手の()()がうまく嵌っただけなのだ。


 奴は強くない。

 弱くはないかも知れないが、絶対に強くない。

 強い訳がない。

 アドルフォ流迅狼剣できちんと対処すれば十分勝てる。


 間合いを取り、隙を窺い、きっちり勝ち切る。

 アドルフォ流迅狼剣の真髄を見せてやる。


 まずは様子を見る。

 間合いをしっかりと取り、相手の動きを観察する。

 攻めの形五番をまた出そうものなら、しっかり捌いて打ち返してやる。

 攻めの形五番なんて(もの)は、もう出さないだろうが。


 あんな技を初手に持ってきたのは暴風(ストーム)(プリン)(セス)に教わっている、と言うだけのアピールだろう。

 そう、初っ端に持ってきたのは、教わっていると言うイメージを植え付けるためだけ。

 本当は、当てるつもりも当たるつもりもなったのだろう。

 ただ、俺の剣とうまく嵌ってしまっただけの一本だ。


 次は別の技になるだろう。

 それとも時間切れで逃げ切りを図るか。

 逃げ切りを狙っているのなら、守りの形を狙い撃ちだ。


 無謀にも攻めるのなら攻めの形を狙い撃つまで。

 ただもう五番の出番はないだろう。


 そう信じてもいいのだろうか。

 迷ったら負けだ。


 いずれにせよ、間合いを取って様子を見る。

 そして相手の喉笛を嚙み切る。

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