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19 ダンディーの魔法

毎日投稿するつもりでしたが、急に仕事が忙しくなってかないませんでした。

一応投稿前に誤字脱字などのチェックをしているのですが、それすらできなくて。

今日も仕事です。

今月は三六協定アウト月間ですね。

忙しい業務終わってから投稿開始したはずでしたが、見通しが甘かったです。

なんとか頑張ります。

「アーロン、起きろ」


 今日は大会の日。

 今日の練習兼仕事の手伝いは無い。


「おはよう、ダンディーさん」

 俺は寝ぼけ(まなこ)で返事を返す。


「起きろ。最後の仕上げだ」

「これから? 」

「そうだ」


 俺は寝起きで頭が回らないまま、ダンディーの言うことに従う。



「まず朝飯を食え」

 テーブルの上に用意されていた朝食を食べる。


 いつも朝食は、朝に母親が作るのだが、今日に限っては昨夜のうちに作っていたらしい。

 特に疑問にも思わず普通に食べる。



「大会で優勝するための魔法をかける。そして州大会の準備をする」

 ダンディーはそう言って、ユダの廟に連れて行った。走って。



★★★



「今日からは、剣術の(かた)を教える」

 ダンディーはそう言って稽古を始めようとした。


「今日は大会なんですが」

 俺はダンディーが大会を忘れていないか不安になった。


「そうだが。何か問題でもあるか」

 ダンディーが忘れていないことは分かった。


「受付に間に合うか不安で」

「大丈夫。大会で優勝させると約束した。最後の魔法をこれから掛ける」


 一応信用していいんだろうな。


「まず、(かた)は守りの形と攻めの形がある。これを一通り説明する」


 俺は気が気ではない。

 まだ早いとは言っても大会は今日なのだ。

 型を教わると言っても、これが即、今日の役に立つとは思えない。


 しかも実戦ではなく形だ。


「これが一の形、相手が上段から切りかかって来た時の対処法」

 ダンディーは、俺の焦りを気にせず、型を説明する。


「次は二の形、相手が横切りで切りかかって来た時の対処法」

 淡々と説明する。

 この調子なら、形を説明するだけで終わりそうだ。


「それでは、十の形全て説明したので、やってもらおうか」

 ダンディーは、事も無げに言う。


 今説明しただけのことを簡単にやれ、と?


 言われたからには、一応形だけはなぞる。


「大体、そんな感じだな。それじゃ、昨日までの続き、前に出ること」

「ちょっと待ってよ。それじゃ、大会に差し支えるよ」

 慌てて俺はダンディーに言った。


「これから優勝するための魔法を掛ける。時間も気にしないでいい。来い」

 心の準備ができていない。

 これから稽古だって?


「来ないなら行くぞ」

 ダンディーが剣を振ってきた。


 これは本当に、いつもの稽古をやる気だ。

 気持ちを切り替えないと、大会で優勝するどころか、ここから動けなくなる。


 危機感からアドレナリンが放出される。

 アドレナリンが一瞬で体に回る。

 必死にダンディーの剣を受け止める。


「ほら、さっき(かた)を教えただろ。使ってみたらいいんじゃないか」

 他人事のようにアドバイスするダンディ。

 さっき教わったばかりの形をすぐに使えるほど器用じゃない。


「前に出てないぞ」

 ダンディーの圧力で前に出られない。

 それなのにそんなことを言うダンディーは嫌いだ。


「ほら、(いち)

 ダンディーが上段から剣を振り下ろす。

 剣を躱して上段切りで返す。


「そうそう。次は()

 ダンディーが横切りから胴を打ってくる。

 躱して上段切りで返す。


「いいねえ。じゃあ更に行くか」

 ダンディー次々と形の番号を言いながら剣を振ってくる。


 (かた)の番号を言ってくるので、ダンディーの攻撃する剣は分かるのだが、流石にそれだけで簡単に対応できるダンディーの攻撃ではない。

 しかも、形で返さなければならないので、体が慣れていない。


 早朝の爽やかな風が吹く中、汗を吹き出しながら稽古をする。

 大会に出ることも頭から消え、ダンディの言う番号に反応しながら剣を返し、前に進む。



「よし、今日はここまで。あとはダッシュで会場まで行け」

 急にダンディーが稽古を終了する。


 時間を確認すると、本当に走って行ってギリギリ。

 アーロンは言葉を失う。


「ほら、行け。間に合わなくなるぞ」

 鬼のような言葉を発するダンディー。


 大会優勝の魔法を掛ける、と言っていたのに。

 それっぽいことはやっていたが、ここから会場までダッシュして、受付に間に合ったとしても、そんな疲れた体で優勝できるのか?

 現状の理解ができない。


「あと、大会では形を忘れろ。前に出て剣を振るだけで優勝できる。間違っても、格好よく勝とうとか、形を試そうとか変な色気を出すな。前に出て、今言った色気を出さなければ優勝できる。時間だぞ、行け」


 防具を着けたまま走り始めるアーロン。

 とにかく後から考えよう。


 今は受付に間に合うように走ることが最優先だ。


 後でダンディーを後ろから叩いてやる。


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