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1 師匠との出会い

切りの良いところまでは作ってあります。

皆様の反応を見ながら修正して面白い作品にしたいと思っておりますので宜しくお願い致します。

「アーローン、こっちに来い」

 剣術の稽古中、アーロンは村長に呼ばれた。


 今日はアーロンにとって、週に一度しかない自警団の訓練日。

村長の屋敷内にある訓練場では、村の男たちが三十人ほど剣術のけいこをしている。

 子供から中年の者まで年齢層は幅広い。


 剣術の稽古相手から目を話し、村長の方を見る。

 村長の脇には、見たことのない、二十代後半と思われる男が立っていた。


 その男は村の者ではなさそうだ。

 アーロンに用事があるのは村長ではなくその男だろう。

 呼ばれた理由に少しだけ、と言うか一つだけ心当たりがある。



 アーロンは稽古相手に軽く礼をして訓練場を離れる。

 訓練場を離れる際に、同じく訓練中のダニエルを目で探した。

 ダニエルは大人相手に鋭い剣筋で木剣を振っていた。


 そして訓練を見ているギャラリーに目を移すと、雑貨屋のアイネがいつもどおりの場所で見学する姿が目に飛び込んだ。

 アイネと目が合った。アイネは軽く手を振った。

 アーロンは手を振り返してから、村長と男が待つ方へと走って行った。




「この方は王都からの調査員だ。今回もよろしく頼むぞ」


 村長から紹介された男は、二十歳代後半、身長一八十センチメートルくらい、中肉でしなやかな体つきをしている。

 調査員という割には、今まで見てきた調査員のような、運動不足の体つきをしていない。

 かと言って、農民のようではなければ、労務者のようでもない。


 品があって、体力がありそうな体つき。

 貴族と兵士を足して二で割ったような感じを受ける。

 それって、なんの仕事だろう?

 その他にも、調査員からは体つき以外の違和感を感じる。

 この男、ずっと笑顔だ。そんなことはどうでもいいが。


 手続きやら何やらで、偏屈な村長と数十分は一緒にいたであろうはずなのに、この男はずっと嬉しそうにしている。

 だが不思議と変な奴には見えない。

 イケメンだからか。



「アーロンです。父がユダの墓守(もり)()をしています。よろしくお願いします」

「私は『ダンディー』だ。こちらこそよろしく」


 ??

 疑問が顔に出たらしい。

 ダンディーが言葉を続けた。


「ちょっと事情があってね。()()()まで別の名前だったんだが、今はダンディーが本名だ。ほら、これが私の身分()証明書(ード)だ」

 そう言って、カードを差し出すダンディー。


 カードには、

   遺跡・史跡・文化調査員

   ランク:C級

   ダンディー

と刻まれていた。


(うわっ、本当に本名だ)

 心の中で、この男をやばい奴認定した。

 自分の名前にダンディーなんて名前つける奴、初めて見た。


 きっと貧乏貴族の次男坊・三男坊あたりだろう。

 纏っている雰囲気からして、平民ではないことは確かだ。

 家を継げない男子は、相続問題で名前を捨てさせられることがあると聞く。


 それでも普通は家の名前だけを捨て、自分の名前を残すのが一般的だと思う。

 生まれた時からダンディーなんて名前じゃないはずだ。

 しかも新しい名前を付けるにしても、ダンディーはないだろ。


 カードに書かれていたC級調査員の身分。

 しかもこの年でC級調査員だと、ちょっと昇級が遅いんじゃないか。

 よくユダの調査に来ることができたものだ。

 だが、そんな奴だからユダの調査をするんだろう。

 と、余計なことまで考えを巡らす。


「アーロン、今回は二~三ケ月ほどの長期になるからよろしく頼むぞ」

 村長が念を押す。


「それじゃ、家に案内します」

 心の中のディスリスペクトを笑顔で隠しながらアーロンはダンディーを村長から引き継いだ。

 長期の客なんて久し振りだ。

 ユダの調査は人気ないと聞いているから、客が来ないのは十分承知しているし諦めている。


 そう言えば、帰り道に市場に寄らないと、来客用のお肉がないはずだ。


 これが俺の師匠となるダンディーとの出会いだった。


読んでいただきありがとうございます。

なるべくたくさんの方々に読んで欲しいと思っています。


設定で分からないところがありましたので、ちょっと違うんじゃない?というところについては、変更方法を添えて教えていただければ幸いです。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 面白いです! [一言] 追ってまいりますので、執筆頑張って下さい!!!
2023/07/08 22:01 退会済み
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