詩 優しすぎた勇者
優しすぎた勇者は
戦う事に向いていなかった
優しすぎた勇者は
悪を裁く事に向いていなかった
優しすぎた勇者は
人を疑う事ができなかった
優しすぎた勇者は
味方を信じる事をやめなかった
優しすぎた勇者は
無力な一般人の犠牲を許さなかった
優しすぎた勇者は
自分だけ傷つくならそれでいいと思っていた
優しすぎた勇者は
誰かに不幸を背負わせたくなかった
優しすぎた勇者は
優しすぎた勇者は
だから生き残る事に向いていなかった
「ストーリー」
その勇者は、勇者に向いていないほど優しすぎた。
力だけが勇者に向いていて、心はまったく程遠い。
そんなあり様だったから、勇者は死んでしまったのだ。