十八話 幼馴染と同居生活?
次話から、波乱の高校生活再開です!
時は進み月曜日。
「……綴君。……綴君!早く起きてください!」
気持ちよく眠っていた俺は、琴葉の襲来によって布団を引っ剥がされた。もうそんな時間か?まだ寝ていたいのに……。
徐々に冴えていく頭で愚痴っていると、ふと疑問に思ったことが……。
「……え!?何で琴葉がいるんだ!?」
滅茶苦茶びっくりしたんですけど。俺が呆けていると、彼女は眉間にしわを寄せてこちらを睨んできた。
「今日から綴君のご両親は、出張で家を空けるんです!まさか昨日の話を忘れたんですか!?」
「……あ、」
言われて俺は思い出す。昨日親が言っていたことを。確か、出張にでるから琴葉が家事とか手伝いに来てくれるらしい、とか何とか。
……って、おい!あれって現実だったのかよ!?てっきり琴葉とラブラブ同居生活を送る最高の夢かと思っていたのだが。
俺は衝撃のあまり、そのまま言葉に出してしまった。
「あれって夢じゃなかったのか!?」
「同時に一緒の夢なんて見れるわけないでしょう!」
琴葉は真っ当な突っ込みを入れてきた。彼女と同居生活なんて町内を逆立ちで一周出来るほど喜ばしいことだが、ここで重大な問題がひとつ。
だって俺は健全な男子高校生。琴葉の事は絶対に傷付けない自信があるが、親としては彼女の身が心配ではないだろうか……?
「……でも短期間とはいえ、本当に同居しても大丈夫なのか?」
一応確認のため、俺が気まずそうに聞くと彼女は……。
「うん?何がですか?」
不思議そうに首をかしげた。う、彼女の純粋さに胸が痛む……!しかし、これだけはキッパリさせておくべきだ。意を決して俺は直球に話す。
「いや、えっとその……。大変言いにくいのですが、貞操的な意味で聞いています。」
俺がそう言うと、彼女はしばらく硬直して……。
「な、何を言っているんですか!?ま、まさかエ、エッチなことを私にしようと!?やっぱり綴君は変態です!犯罪者予備軍です!」
すごい動揺していた。
「どうして!?」
予想だにしなかった毒舌攻撃を浴びせられて、俺はたじろぐ。
……これ、絶対に誤解されてるよ!俺が醜い野獣だと勘違いされてるやつだ!
「いやいや!俺の理性とかそういう問題じゃなくて!琴葉の両親が心配しているんじゃないかって!」
誤解を解くべく、俺は必死に説明する。そうすると彼女は、
「はぁ……。私の親なら"綴君は大丈夫でしょ"って心配する素振りすら見せませんでしたよ」
大きな溜め息をついてそう言った。
うん……。彼女の両親は、ちょっとばかり俺のことを信用しすぎではないだろうか。 俺はもう高校生だよ!いつまでも可愛い子どもではない。
幼少期の、"無邪気で愛嬌がある"といわれた俺はもう死んでいるのだ。
将来のお義母様とお義父様から信頼されているのは嬉しいが、もう少し彼女の身を心配するべきだと思う。
まあひとまずそれは置いといて、先程彼女は勘違いをした。それも、かなり恥ずかしい部類の。
からかいたい、俺の中に意地悪な感情が芽生える。
「それにしても、琴葉さんもエッチな勘違いをするんですなぁ」
俺はニヤニヤとした笑みを浮かべて語り掛ける。
「バカ!綴君がて、貞操とか紛らわしいこと言うからじゃないですか!後その笑み気色悪いからしまってください!」
彼女は顔を羞恥に染め上げて、俺への毒舌攻撃を継続した。
しかし、よっぽど恥ずかしかったのだろうか。彼女は一気に話をそらす。
「というか、今日からまた学校があるんですから早く準備してください!」
そう、今日からまた学校生活の再開だ。普段の俺なら間違いなく憂鬱な気分でいるだろうが、今回ばかりは事情が異なる。俺のテンションは更に爆上がりしていく。
「そうか!これからしばらく、俺と琴葉は一緒の家から登校して、一緒の家に帰宅して、一緒の空間で生活するんだ……!高校生の内にこの夢が実現するなんて……!」
「ちょっと、私の話聞いてますか!?早く準備してきてください!」
二人しか居ないにも関わらず、朝から佐々木家は大騒ぎである。
俺は、急遽始まる事となった同居生活に胸を踊らせた。
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