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プロローグ


 幼馴染とは何か。例えばこう問われたとして、返って来る答えは様々だろう。ある者は時が経てばただの他人だと言い、またある者は掛け替えのない思い出だと懐古する。


 物語では多くが負けヒロイン。現実では幼い頃に仲が良かっただけの存在。しかし。




 どちらにも当てはまらない人間だっているものだ。俺にとっての幼馴染とは、すなわち最愛の人である。



俺、佐々木綴には愛する幼馴染がいる。彼女のためなら命を懸けることだって出来るし、実際に彼女のため死ぬとなれば、俺は喜んで自分の首を掻き切るだろう。


ここで気になった人も少なくはないだろう。思春期少年にそこまで言わせる幼馴染とは、どれだけ素晴らしい存在なのか?と。

そんな貴方の期待に答えるべく、ここに俺は"幼馴染愛"を熱弁する。



名を白雪琴葉。容姿端麗、頭脳明晰、世界が祝福する女神様である。透き通るような美しい肌に、絹のように滑らかな銀髪。キリッとした凛々しい目に、桜のような淡い色をした、薄い唇。その容姿を例えるなら


"立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花"。


 否、百合の花よりも美しい。



そして、容姿が美しければ性格も可愛いってのが通説ではなかろうか。

琴葉の性格はまさにクーデレそのもの。クールな振る舞いの中に見えるデレは、この世でも最強レベルの破壊力を持つ。あと真面目で人見知り・警戒心が強い。



例えば中学校の頃よく男子諸君からアプローチを受けていたが、どれもバッサリと切り捨てていた。あまりの毒舌と冷たい瞳にトラウマをおった男子も多く、ついたあだ名が"冷酷女神"。



けど、本当は優しくて、ちょっぴり不器用で、小さな気遣いもできる優しい女の子だ。でもそんな姿は学校では、というか俺以外にはあまり見せようとしない。男避けのためか、もしかすると俺に好意を抱いているとか?



まあ簡潔に言えば、これが白雪琴葉。同じ病院で同じ日に生まれ、同じ幼稚園、小学校、中学校と一緒に過ごしたまさに"運命の人"としか言い様のない女の子だ。


そんな琴葉を大好きな俺は、中学校三年間、勉強・運動・容姿全てを磨きあげた。彼女に相応しい人間になるべく。全ては彼女とイチャイチャハイスクールライフを送るために!



準備万端、明日は高校の入学式だ。期待に胸を膨らませながら、俺はお隣さんである"彼女の家"へと向かった。




















私、白雪琴葉には幼馴染がいる。名を佐々木綴。頭脳明晰、スポ ーツ万能、容姿端麗、私にとって彼は白馬の王子様だ。



いつ好きになったのか、それは分からない。


生まれたときからずっと一緒にいて、私が困っていても、泣きわめいていても、すぐに駆けつけてきてくれて。いつも、私の為に尽くしてくれて。



そんな彼と一緒にいるうちに、自然と恋心を抱いたのだろう。



中学校の時には、急に「自分磨きを始める!」とか言い始めて困惑したっけ。勉強も運動もできて、見た目もかっこいい。突然の進化を遂げた彼は、女子から滅茶苦茶モテた。



私は不安で仕方がなかった。いつも、こんな私の側にいてくれる彼が、どこかに行ってしまうかもしれないと。

 そして、腹が立って仕方がなかった。貴方達は、今までの綴君と向き合ってきたのかと。それは自分のステータス磨きのための、偽りの愛ではないかと。



私は弱い人間だ。いっつもツンツンしていて素直じゃない私を、彼は嫌にならないだろうか。不安だった。けど、そんな私から彼が離れることは遂になくて。



こう言えば自惚れしすぎだと思われるかもしれないが、多分、彼は私に好意を抱いている。


それがいつ頃からかも分からないが、明らかに他の女の子といる時と態度が違う。それに、中学校では、よく噂で"佐々木は白雪のことが好き"と聞いた。


しかも、私が告白されると聞いた時など、すごく不安そうな表情をしていた。心配しなくても、私は彼のことが好きなのに。




その事実に嬉しいと思う反面、大きな不安がよぎる。実は明日から高校生活が始まるのだ。


そこには私なんかより魅力的な女の子が沢山いるかもしれない。他の女の子の元へと飛び立ったりしないだろうか、とても心配なのだ。



これにはかなり警戒が必要だと考えている。泥棒猫なんかが入り込める隙を作らないように、これからはもう少し素直になろうと思った。





そんな考え事をしていると、いつの間にか日が暮れかけている。


さて、そろそろ彼が私の家に来る時間だ。新たな決意を胸に刻みながら、夕食の準備を始めた。




初めまして、カプチーノと申します。初投稿で拙い部分等あるかと思いますが、よろしくお願い致します。

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