いざ本番!
9/28手術当日。手術着に着替えて待つ。ちなみにこの手術着、上下1体、2ヶ所を紐で結ぶだけ。下着は左右2ヶ所、計4ヶ所を紐で結ぶだけ、しかも紙。紙製のひもパンと書くとなんかエッチだが、実際は色気とはほど遠い。
手術室では気をつけの姿勢。大の字だったらショッカーの改造室だったのに。
手足にいろいろセンサーを付けられ、点滴を付けられる。麻酔は漫画や古い映画だと、口に当てたカバーから吸わせるが、実際は点滴を通して麻酔が投薬される。
いよいよ手術開始。「麻酔をはじめますよ」の声がする。1分と経たずにお休みのはず。
私の手術の理想は「スーコテハッ」である。
スーと麻酔を受けてコテッと眠り、ハッと目覚めたら全てが終わっている。
ハッと目覚めたら全てが問題なく終わっていますように。
……
ハッと目覚めたら全てではないが終わっていた。
口に入れられていた呼吸用の管は外され、手足もそれほど拘束されてはいない。
意識もある。ここはどこ、わたしは誰と聞かれればちゃんと答えられる。ただ、鼻が塞がっているのでちゃんとした言葉になるか不安だが。
ただ、意識はあっても体が動かない。熱を出してぼーっとなっている時の感じだ。
私はそのまま集中治療室に移動、一晩過ごすことになった。
正直言って、この一夜は私の人生にとって1番長い時間となった。
体が起き上がれない。鼻が塞がっているせいか、やたらと唾液が出る。医者は「飲んでは駄目、そのまま口から出して」と言われたので、ティッシュに吐き出して捨てるというのを繰り返したが、それがゴミ袋3つ分になった。
手術中寝ていたせいか、眠れない。ただただ痰を捨てるだけ。やっとウトウト出来たと思ったら時間は10分ちょっとしか経っていない。
朝になってMRIを撮りに移動となった時、どれほど嬉しかったか。
時間が動く、事態が動くということがこんなに楽しいことだとは。
MRIに異常がなかったので、そのまま病室に移動した。食事も昼から普通に取れる。
点滴と尿道カテーテルが入ったままだし、鼻も塞がっているので普段の通りというわけにはいかないだろう。
実際、そうは行かなかったのだ。