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初対面(2)

10時35分。

約束の時間より早めに着いた。

近くの駐車場に車を停めて駅前へ。

そういえば、どこで待ってればいいのかな?


サトツさんにメール。

『駅前のどこら辺で待っていればいいですか』


直ぐに返事がきた。

『今ちょうど着いたので目印あるか探してみます』


急いで返信。

『私も今着きました!それなら新幹線の出口で待っていますね』



少しして電話がかかってきた。

『今改札出たよ。』


改札に目を向けると、長身の男性がスマホを片手に辺りを見渡していた。

沢山の人が出てくるのに、なんとなく『あの人だ!』とわかった。


私が手を振るとサトツさんも気付いて手を振りながらこちらへ歩いてきた。


ふわっと笑った顔が印象的。

思った通り優しそうで、思ったよりかっこよかった。

失礼なんだけど、もっと地味で老けてるイメージだったからいい意味で裏切られた感じ。

別の意味でドキドキしてきた。


軽く挨拶を交わすと、サトツさんは向かいにあるカフェを指しながら『そこで話さない?』と。


私はコーヒーが苦手なので、紅茶を頼むとサトツさんも合わせてくれたのか紅茶を注文した。


何を話していいのか分からなかったので『私コーヒー苦手で…』と言うと、『オレも。』と笑ってくれた。


それからは電話で話した時の様に会話が弾んで、今朝は何時に目が覚めただとか、美容室の担当さんが魔法使いじみてるだとか、他愛のない話で盛り上がった。


しばらくしてサトツさんは時計を見ると、『ランチどう?良かったらオススメのお店教えてよ』と言った。


直ぐ近くに友達の働くお洒落なイタリアンレストランがあったけれど、なんとなく友達に紹介するのが嫌だったので少し離れた別のお店に行く事にした。

好き嫌いはないと言っていたので、大好きなカジュアルフレンチのお店のHPを開いてみせた。


『ここのお店、コース形式なんだけど、前菜からデザートまで数種類から自分で選べるんです!とっても美味しくてお値段もリーズナブルだから行きたいんだけど、1人じゃ入り辛くて…』と、興奮気味に語ってしまった。ちょっと恥ずかしい。


サトツさんは笑いながら、『そんなにオススメなら是非行かなきゃ!』と言ってくれたので、行き先は決まった。


離れていると言っても徒歩5分ちょっと。

並んで歩いていると、なんだかデートっぽい!


『ねぇ、敬語やめない?それに、りえさん、って硬いからりえって呼んでもいいかな?』


普段ならいきなり呼び捨てにされるの好きじゃないのに、この時は全く嫌じゃなくて…。

なんならちょっと嬉しかった。


『俺の事もサトツでいいよ』って言われたけど、年上の人を呼び捨てってなんか出来ないんだよね。


結局、私はそのまま『サトツさん』って呼ぶ事にした。


お店に着くとラスト1席でなんとか待たずに入れた。

前菜やメインは毎回メニューを見て決めるんだけど、デザートだけはいつも決めてる。


『ここのヌガーグラッセが大好きなの♡』と言うとサトツさんはおかしそうに笑った。

さっきから食べ物の話しすぎかな⁉︎

がっついてると思われたかも。

ちょっと落ち込む…。




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