初めての。(2)
翌朝、目が覚めると隣にはサトツさんの寝顔があった。
ぼーっとした頭で昨晩の事を思い返してみる。
…。
……。
『ーーーー⁉︎』
声にならない悲鳴をあげた。
そうだった。
昨日はあのまま、シちゃったんだ。
どうしよう!!
この場合の『どうしよう』は説明するまでもなく、幸せすぎてどうしよう、の意味なんだけどね。
思い出したら恥ずかしくなってきて、逃げるようにバスルームへと駆け込んだ。
そして、昨晩と同じように床にへたり込んだ。
『すぅ、はぁぁぁ。』
深呼吸をして落ち着こう。
どんな顔して戻ればいいの⁉︎
まだ寝てるかな?
起こした方がいいのかな??
とりあえず、シャワーを浴びて頭を冷やすことにした。
少し長めのシャワーを終え、部屋へ戻るとサトツさんの姿がないので、まだ寝ているのだろう。
そーっとベッドルームへ入り寝顔をのぞいてみた。
ーーー瞬間。
サトツさんの瞼が開いた。
『…逃げられたかと思ったよ』
『ーーーー⁉︎』
騙された!
サトツさんは気怠そうに体を起こすと、フリーズ状態の私に軽くキスをした。
ボッ!
と、音が聞こえそうなほど顔に熱が集まる。
『俺もシャワー浴びてこようかな。』
バスルームへ向かうサトツさんを背中で送って、 しばらく呆然としていた。
昨日は珍しくお酒も入っていたし、暗かったし、雰囲気に流された部分もなかったとは言えない。
一晩寝て素面で明るい中、改めて昨日のことを思い返すと恥ずかしさしかない。
本当に自分でも呆れる程に、まるで子供の初恋でも見ているかと錯覚しそうだ。
でもまぁ、それもそうだよね。
よく考えてみると、学生の頃は好きになって、告白して、付き合って、と段階を踏んだ恋愛をしていた気がする。
それが大人になると、好きではなくとも、嫌じゃなければ適当に付き合ったりしていたのだから、やはり『好き』と自覚してからでは……って、待って!!
そういえば、付き合うだとか、そういう事は一切言ってない。
そもそも、私はサトツさんの事を『好き』だけど、サトツさんからは一言も好きだなんて言われてない。
これってどういう事なんだろう?
私とサトツさんの関係ってなに??




