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2 Fランクは、優しさを知っている。

ざっくり伝えたい内容


・失敗した経験は、かけがえのない、見えない財産!


・希望と違うところにいることになっても、マイナスじゃないよ!



・著名人の言葉


吉川英治 「生涯一書生」


ソクラテス 「私は、知らないということを知っている」

 第一志望じゃない学校や会社に入っちゃった。あるいは、学校や会社すら行くことができず、そんな自分はダメダメで、どうせ何をやってもうまくいかない。


 この時期、そんな思いを抱えている人は、実は結構いるのではないでしょうか?


 

 ここ、希望したところと違う!!



 それが、学校や会社に行く人の中に、この時期「五月病」として現れてくる、自分への絶望の始まりになります。



 希望したところに入れなかった自分はカスでグズでダメな人間なんだ!



 そんな思いがある人。おっと、ちょっと待ってください!


 自分が希望する学校や会社を目指したその気持ちと努力は、希望と違うところに入ることになっても、自分の中の立派な財産として残っているはず。


 世の中は、有名大学、大企業だけが動かしているわけじゃありません。


 とりあえず望まないところだったとしても、学校や会社に入れた人は、まず今の立ち位置を喜びましょう。


 そうした社会から取りこぼされ、受験失敗、就職活動に失敗してプーになってしまった人もいるかもしれません。


 それでも、ひとまず今、生きていることを喜びましょう。


 辛い受験や就職活動に、人生嫌になって自殺を選ばなかった。


 それは、とてもとても、ものすごーくとても立派なことなのです。

 

 今が最低の自分なら、そこから変えていけばいい。


 自殺したくなっちゃうほど、最悪で嫌いな自分を変えることができるのは、生きている自分しかいないのです。



 今の自分はFランク!



 それなら、あとはどう挽回していけばいいか、考えていけばいいのです。


 こんな考え方もできます。


 受験に落ちた、就職活動に失敗した自分は、人生の負の面を知る貴重なきっかけが得られたと。



 合格したい! 成功したい!



 それは、みんなが考える望みです。

 

 でも、その成功の裏には、必ず成功しなかった人がいます。

 

 成功しか知らない人間よりも、失敗を知っている人間のほうが、優しくなります。



 第一志望に落ちた自分は、合格した人たちに道を譲ったのだ。



 そのくらいの考えで、失敗した自分をほめてあげましょう。



 自分が「Fランク」であることを常に意識していた著名人がいます。二人、彼らの残した言葉とともにご紹介しましょう。



 ひとりは、吉川英治。数々の時代小説を書いて人気を(はく)した大人気作家です。


 彼が人生の座右の銘として掲げていた言葉は「生涯一書生」です。


 書生とは、今で言う学生のことです。


 社会でどんな立場にあろうと、学生のように常に学び続ける謙虚さを持ち続けることが、人生の中でとても大切であることを、彼は知っていました。


 その言葉は、自分が「Aランク」であると慢心してしまって、どこかで努力をやめてしまう人に向けてのアンチテーゼのようにも聞こえます。



 もう一人は、ギリシアの哲人ソクラテス。


 彼の残した有名な言葉のひとつが「私は、知らないということを知っている」です。


 彼は当時、古代ギリシアの数々の知識人を論破した知恵者として有名になりました。  

 

 自分が賢くないことを知っている人間は、知ったかぶった人間よりも尊い。

 

 そう。受験や就職活動に失敗して、自分が「Fランク」だと認識できた人間は、それほど落ち込む必要もないのです。



 自分は生涯Fランク!



 吉川英治やソクラテスは、自分をそう認識していたのです。



 ただ、間違えてはいけないのが、卑屈になることと謙虚になるということは違う、ということです。


「自分、Fランクなんで、どうせダメですよ」という気持ちと言葉は、できるだけ使わないようにしましょう。


「自分、Fランクなんで、たくさん学びます!」という姿勢が大切です。


 それと、自分のことは謙虚にFランクと認識するのはとても大事ですが、ひとのことは決して「お前、最低だな」とは言わないようにしましょう。


 自分がもしその言葉を向けられたら、どう感じますか?


 自分にされて嫌なことは、人に対して行っても嫌なことなのです。


 成功に酔いしれて人にトゲのある態度や言葉をかける人よりも、失敗を知っていて優しく思いやりのある言葉をかけられる人のほうが素晴らしいのです。


 ビバ、Fランク!!!


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