俺と言う人間
はじめまして、月うさぎと申します。
この小説は何としても書き切りたいのですが、
今までにもこうして何度も筆を折っていました。
この作品を書き切って自信に繋げたいので是非応援の方宜しくお願いします!!!
キーンコーンカーンコーン
「起立、気をつけ__礼」
『さようならっ』
キタキタキタっ‼︎
放課後は俺の世界だ、毎日毎日放課後の事だけを考えて生きている
早く家に帰って…今日はどんな“世界”にしてやろうか
「なぁ海!今からワック行かね?Sサイズのポテトが無料なんだってよ」
「ああ…今日は親と買い物行かなきゃなんだよ、わりぃな」
嘘。予定なんかはいっちゃいねぇ
友達が嫌いなわけでもねぇ
唯俺の時間を取らないで欲しいだけなんだ
遊びに誘われるたび断る俺をめげずに誘い続けてくれる此奴らには感謝してるし、本当に良い友人を持ったのだと思う
それでも断り続ける俺を許して欲しい__
「そっか、じゃあまた明日な!」
「おう!」
そう言って右手を天にかざし少しばかり振ってみる
「ただいまぁ」
返事は無い
父親は夜遅くまで仕事をして朝早く仕事に出かける
母親は…居ない。
いや、別に死んだ訳じゃ無いんだ
捨てられた訳でも
離婚した訳でもない
でも____居ない
2年半前__俺が中学2年14の夏の時に、母親は車に跳ねられそうだった俺を庇って植物状態になった
車が迫って来たあの瞬間、あまりの恐怖に足がビクとも動かなかったんだ
(あぁ、俺死ぬんだな)
心底恐怖していたのに、自分の死を受け入れる事は早かった
怖くて怖くて息を吸う事だって出来ない程だ
なのに母親は俺の元に飛び込んで来て、其の胸に俺を抱き抱えてくれた
俺は母さん本人じゃ無いから分かんねぇ、分かんねぇけど___反射的に俺を助けてくれた事だけは分かる
愛する息子が死ぬ位なら自分が死んだ方がマシだとか、そんな事考えてる余裕なんかなかった筈だから____
なぁ母さん。何で俺を助けたの?
母さんが死んで、父さんは顔色が随分と悪くなったよ?
母さんは皆んなに優しかったから、其の優しさを貰った人全員が泣いて悲しんでたよ?
母さんは優しいから…だから俺を助けたの___?
返事なんか返ってきやしねぇ
でも問いたい。答えが欲しい。
中学に上がってイキった俺は、大好きな母さんに随分と酷い事を言った
思ってもいないのに
本当は大好きなのに
マザコンだと思われるのも優しいのもダセェと思った
徐々に徐々に成績も下がって行き
今までどうやって友達に接していたかも忘れた
助けの求め方も
じゃべり方も
笑い方も
泣き方も___
全部全部、気付けば忘れた
母がもう動かないと言う事実も
自分を見失ったと言う現実も
その全てから逃れたくて“想像世界”に引きこもった
想像世界の自分は何者でもなくて、何者にでもなれる
現実から逃避する事が出来る
だから俺は、
この心ごと想像世界に閉じ込めた______
貴重な時間を有難う御座いました
是非最後まで是非付き合いください