プロローグ0話おっさんの異世界転移
「うう、寒い。」朝の新宿は寒い。
クリスマスが過ぎ、間もなく正月が来るのに休みなし。
俺も46歳のおっさんになる。(見かけは50代)
結婚できず身寄り無し。
40歳を過ぎて最初に勤めていたB会社が倒産。
余儀なく転職をするが畑違いにジョブチェンジ。
これまたB会社で糖尿病が発症して歯が間6本折れて椎間板ヘルニアになり脱落。
運よくヘルニアおさまり、またまたジョブチェンジ。
40を超えると転職幅は落ちる。
なんとかまたまた畑違いの運送業に転職するもやはりB会社。
そして、1年後右目が失明してそのまま脱落。
で、居酒屋に転職・・・・・。もちろんBだった。
朝のラッシュタイムに帰宅する毎日を送り。今日もJR新宿駅の
階段を手すりをつかまりながら下っていたとき
それは起きた後ろから思いっきり突き飛ばされた。
最後に見たのは歩きスマホをした兄ちゃんが去っていく姿だった。
一瞬だけ思った。『ざけんなああああ!!』
ぷち。記憶がここで日本での人生は終了した。
☆☆☆
意識が目覚めた後体がだるいただそう思った。
目を開けるが暗くて見えない。
両目失明かと思うが目が慣れ薄暗い感覚が戻り
あたりを見る。。新宿駅でも病院のベッドでもない。
死んで死後の世界か?天国・地獄?
そう感じ取るも冷たい床の感触があるのみである。
ここは何処なんだろうと思うが
見当がつかない。
やっと体が動けるようになり全身がいたむ体を
引きずりながらナメクジのように這って行った。
どれ位時間が経ちどれくらい進んだのかわからない。
やっと壁らしきものに手が触れた。
壁に背を付け起き上がたとき急に前のめりこんだ。
ぱた。テーブル?と思った瞬間。
空間が明るくなった。
そして周りを見るとSF感たっぷりの
大きい空間で、今触れたのは巨大なタッチパネルだった。
頭は混乱しそのままパネルの台座に背を掛けながら
床に腰を落ち着け訳が分からないまま時が過ぎた。
疲労と痛みから、俺は床に転がりボーっとしていた。
誰も来ないと思い廃人になりかけていた。
途方に暮れていた俺に耳ではなく、頭の中に直接意志が伝わってきた。
『システムオープン、スリープモード解除。』
エッと思って惚けていると更に頭に声?が響く。
『DNA登録完了。あなたをマスター登録しました。
名称登録はしますか?』
混乱している俺は答えられない。
暫くするとまた頭に声が聞こえる。
『名称登録不要と判断。これよりあなたは最高執政官としてお呼びします。
続き身体データーチェックのためスキャンします。』
その声の後に赤い光が俺の全身を包んでいた。
光が消え声が響く。
『スキャニング終了。全身打撲・脳内外一部出血・血糖値不安定インシュリン分泌異常・
鼓膜付近血流異常・右眼静脈閉塞症による水晶体異常・内臓部異常細胞増殖・内臓出血・
歯欠損12か所・生殖器異常・頭部毛筆発育異常・これより全ての身体修復及び異常状態回復の為緊急
修復のためオペを開始します。オペの拒否は不可です。これより生体調整ルームへ搬送します。拒絶反応を回避するためマスターにスリープしていただきます。オペ開始。』
そして意識が薄れる中思った。生殖器異常・頭部毛筆発育異常・・・・って
『やかましいわっ』
その後、俺の意識はなくなった。