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平和で結構。  作者: 広瀬楓
第一章 絶滅追憶マシンガン
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01 灯七紀陽翔の事情

◆01 昼 十二時 某コンビニ前


ウィーン

 機械音がして、ガラスの自動ドアが扉を開ける。

 僕、灯七(ひなな)紀陽(き はる)()は迷わず店内―――――コンビニの中に入りアイスボックスの近くによる。中には、アイスバーの束とかカップアイスが数種類、乱雑に放り込まれていた。

 僕はアイスボックスを開け○リ○リ君を手に取りレジへ向かい購入した。


 夏。

 暑い日にはやっぱりこれだろうと思いながら、コンビニの袋の中に入った○リ○リ君を取り出した。水色の包装を適当に開け中身を炎天下に晒す。

 美味しそうだ…

 ゴクリと喉がなり、アイスに溜らず噛り付く。

 口の中にソーダ味が広がって、溶けた。


 これは日常。

 こっちは日常。

 こっちが日常。

――――――あっちは闇。裏社会。


◆01.5 深夜十二時五分 とある廃工場隣の倉庫


「えーと。じゃあ…」

 男が口を開いた。右手には鉄パイプ。左手には現・紙屑、元・契約書。

 目つきは鋭く血走っている。

 ちなみに今、僕は絶賛大ピンチ。190㌢は軽めに超えた長身の男が僕を見下ろしている。ちなみにちなみに、僕は今腰が抜けているという設定なので動けない。ちなみにちなみにちなみに背後は壁。THA wall.後ずさりも許されない。

「なんで君みたいな餓鬼がココに入ってきている?

 ここは、子供が入るような場所じゃないだろう。」

 知ってるさ。そうでもなくば、こんな薄汚い倉庫に入るはずがない。

 この男が何をしたのか…闇取引。密輸入して手に入れた機械製品を日本人に売りつけようとした大馬鹿者。

 僕はその現場を取り押さえるべく…いや、被害を増大すべくここに来たのだ。




               さあ、“仕事”の時間だ。 





◆01.9 明け方四時三分 とある廃工場隣の倉庫内


 あの男の部下の最後の生き残りが、手にしていた鉄パイプを落とした。


カーン…


 金属音が倉庫内に響き渡る。


「おお…返り血やべぇ」


 着て来たワイシャツが血で真紅に染まっている。



(こりゃ、洗濯が大変そうだ…)



なんて言う呑気な事を考えながら、百人程の男たちが倒れていて、壁が不可解な方向に凹みグチャグチャになった倉庫を後にした。

 



 朝日が気持ちいい。


◆02 早朝五時三十六分 四階建てアパートの自宅にて

 

 朝っぱらから洗濯機を回すとお隣のおばさんに怒られるから、原始的に洗濯板でも使おうかと思ったが、残念なことに僕はそのような物は持っていない。コンビニに売ってるっけ、と考えたが売っている気がしない。コンビニに洗濯板ってどんなんだよ。なんて一人で笑いながら返り血でぐっちゃりと汚れたワイシャツに目を落とした。


 血の匂いはあまり好きじゃない。好きなんて言う人は厨二病患者か、ただ殺しなれている奴くらいだろう。まあ、人を殺すのに慣れ不慣れなどは関係ないが。ぶっちゃけ、餓鬼でも銃をぶっ放せば人なんて簡単に殺せてしまう。人って怖い。

 

 さて、どうするかと笑いが収まったところで真剣に悩んだ。あと一時間で僕は高等学校に行かなくてはならない。“仕事”の関係上、よく学校は休むのだが(無断で)流石に出席日数が足りなくなると卒業云々の前に進級できない。それは困る。大学など行く気はさらさらないが高校くらいは出ておかないと「相手」に舐められる。僕の生存理由と行動意欲の根本は“仕事”に差し支えるかどうかにかかっている。だから、“仕事”に関係のないことは最低限覚えない。学校の試験なんかの為に勉強するがそれも僕にとっては「どうでもいい、いらない」情報に過ぎない。まあ、社会くらいは役に立っているが。

 

 で、このワイシャツは高校に着ていく物だ。ついでに言うとこの一着しか持っていない。不味い。非常に不味い。美味しくない。凄く美味しくない。どうしようか。

 腕組みをしながら唸る。唸る。唸る。―――――――結論・今日も休む(無断で)。どうせ、後四日で学校は終わり春休みいという名の長期休暇を迎える。出席日数は…大丈夫だ。結構ギリギリだけれども。とりあえず今のところ僕の脳内会議は「セウト」決定だった。…「あいつ」が来なければの話だけど。

 

 とにかく僕は今日も休むことにした。さすがに血塗れのワイシャツで登校するほど僕は度胸はない。無断欠席など日常茶飯事だ。慣れという物はとても怖い。

 と、いうことで、僕はコインランドリーに足を運ぶことにした。普段着に着替え適当にサンダルを履きアパートの自室度ドアを開く。三月特有の爽やかな風が僕の体に突進してきた。


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