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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

彼が望んだBADEND

作者: 川代アレ
掲載日:2011/10/16

前に「こういう話があってもいいよね」というBADEND好きな友人に言われ

今更ながら書いてみました

しかしどこかで見たような気もするのは気のせいなのか?

被ったら申し訳ない


俺はそう云う輩ではないが幼馴染が一人いるからそれだけで十分だ

高校2年の春の事だ

俺は小さいころから仲がいい親友と幼馴染が居る


授業終了後にいつも俺は親友の席まで行く

親友の名前は岩泉義弘、こいつがギャルゲの主人公のようにやたらとモテる奴だ

別にイケメンな訳でもなく、凄い所があるわけでもないが性格はとてもいい奴だ

多分そこがモテる理由だと思う

岩泉は自分の席に座って俺を見上げる

「白鳥《しらとり》ってさ、幼馴染と上手く行ってる?」

俺は岩泉の頭を叩いて「当たり前だろ」とほくそ笑む


そんな雑談が俺の日課だ


それともう一つの日課が幼馴染である仲島愛実と一緒に毎日登下校をすることだ

途中まで電車であったがこの時が一番の至福の時で俺の生きがいだ

「白鳥君って私の事どう思う?」

俺を名字で呼んだ愛美は俺に目線を合わせず恥ずかしそうに聞いてきた

もちろん俺は愛美の事が好きだ

「え?好きに決まってるじゃないか」

小さいころから俺は愛美の事が好きだった。

幼馴染であったし、何より俺は太腿がむっちりしている女性が好きであったから惹かれていた

いや、もしかしたら愛美が好きだったから太腿フェチになったのかもしれない

「うん、ありがと」

愛美は微笑んで答えてくれた



そんな毎日が続いていたある日

俺が地獄の底に落とされるような出来事に遭遇する事になる

いつも土曜日はファーストフード店でバイトなのだがこの日はバイトが無く外でブラブラとしていた

商店街を歩いていると岩泉が女の子と一緒に居るのを見つけ、やっぱりモテるんだなと思っていたが

岩泉と一緒に歩いてる女の子がとても気になって近くに寄ってみるとそれは愛美だった。

俺は動揺しすぎて心臓がバクバクと鳴っている

「いやまだ待て、たまたま一緒になっただけかもしれないぞ」

自分にそう問いかけて俺は彼らの後をつける

彼らの行き先は服屋や映画館、喫茶店等だった

空も赤く染まり始めるころ彼らは公園で二人でベンチに座っていた

何か喋っている様だが俺は見つからないようにと遠くにいた所為でよく聞こえなかった

だが俺は「義弘、好きだよ」という愛美の声だけはしっかりと聞き取っていた。

そこから先は憶えていないが多分「俺もだよ」とか言っていたと思う


日曜日、俺はベットから降りたくなかった。もう消えてしまいたいと思った。

何のために10余年間愛美を想い続けていたのか、俺は岩泉を心底憎んだが俺は親友だから応援してあげることにした


今まで通り休み時間に岩泉の所へ行ったし、登下校は愛美と一緒にしていた

ただ愛美は前よりもちょっとだけ俺に関心が無いように思えた

しばらくして岩泉と愛美が付き合っていることがクラス中に知れ渡りクラスの皆は「このモテ男め!」とか言っていた

岩泉は俺に気を遣ってか申し訳なさそうにゴメンと言ってきた

「やめてくれよ俺にそんな気を遣うなって、応援しているぜ」

これが俺が言える精一杯の事だった。


それから俺は愛美と登下校することは無くなった

ちょっと時間をずらして彼らが一緒に登下校できるように配慮した

虚しくなったが俺がいまさら愛美と一緒にいた所で邪魔になるだけだ

それでも俺は岩泉と話すことは止めなかった。というより止めたくなかった。

そうしたら俺の心は荒んでしまうような気がするからだ


そんな高校生活も終わりを告げる頃、ある噂を他のクラスメイトから聞く。

それは「愛美は岩泉の家に行ってお楽しみをしたらしい」とのことだ。

俺はもうどうでも良くなってきた。もう卒業だから彼らに会うこともないだろう

この噂は俺らのクラスには広がることは無く、岩泉と気まずい雰囲気になることもなかった

最期まで親友で居たいし、俺は応援するって決めたのだ。むしろいいことだ


涙の卒業式、女子と一部の男は泣いていたが俺は特に泣きはしなかった

校歌とか校長の話とか卒業証書授与とかつまらない儀式は無感情で過ごした

教室に戻り担任の教師が今までの思い出とか社会に出てからのマナーとか

多分そんな事を言っていたと思う俺はこれからニートになるから大して関係ない話だ


担任の話が終わり最後の挨拶も済ませ、家に帰ろうかと教室を出ようとした時後ろから声を掛けられた

「今日で最後だから一緒に帰らないか?」

声の主は岩泉だった。多分会う機会も少なくなるから最後の日位はと思ったのだろう。

俺は岩泉と一緒に帰ることにした


学校のすぐ近くの駅で上りの電車を待っている時、俺と岩泉はベンチに座り色々話をした

「~の時さ、お前が~って言って場が凍りついたよな」

「岩泉だって俺にサッカーボールぶつけてきたじゃんか痛かったぞー」

そんな他愛無い話をして俺は少しだけ懐かしくなった

《2番線に貨物列車が通過します黄色い線の内側に……》

そんな放送が流れ、俺は立ち上がる

「なあ、俺達親友だよな?」

岩泉は微笑んで「当たり前だろ」と言ってくれた

「俺はさ、お前と親友で本当に良かった。今までありがとうな」

アイツは「まださよならには早いだろ」とか言ってたなぁ

もうすぐ列車が通過する頃だ

俺は黄色の線の上に立ちアイツの方を向いて最期の言葉を言った

「いいやここでお別れだ。いい人生だったよ」

俺は後ろに下がって線路に落ちる

地面に落ちる前に俺は列車に跳ね飛ばされ俺の人生は終わりを告げた。




岩泉は目の前の光景が信じられなかった

親友が目の前で自殺したのだ。とても衝撃的であった

向こうの方で悲鳴が聞こえる吐き出す人もいた

彼はベンチにうなだれ頭が真っ白になって何も考えることが出来ない。涙が勝手にあふれ出てくる

涙が枯れ果て、出なくなるころには日は落ち、暗くなっていた

もうこんな時間かと立ち上がると横には黒髪長髪で占い師の様な雰囲気を持った女性がいた

「彼は貴方の事を最後まで気遣っていた。貴方はどうして気遣ってあげられ無かったの?」

岩泉は俯いて唇を噛みしめる

「俺だってそうやってるつもりでした。でもどこかで彼奴に甘えてたんだと思います」

占い師はクスリと嗤い声を漏らす

「そうでしょうね。彼は彼なりに普通でいようと精一杯取り組んでいた」

「分かっていたんです……無理しているって、でもどうしようもないじゃないですか」

岩泉は占い師を睨めつけ眉をひそめる。

占い師は一瞥し溜息をする

「そうね非は貴方だけではない。彼にもあるのよ」

睨めつけたまましばらく黙った後、下を向く

「あの時言ってくれさえすれば……」

今となってはもう遅いこと後悔しても意味はないのだ

「でも一番の原因はそこじゃない……」

「そう、彼はどうやってもこの運命は変わらなかった。なぜなら」

『あの娘は彼の事を好いていなかった。』

「そうですね。彼女も彼の前ではそれは口にはしなかった。幼馴染であるだけだった」

虚ろな目でもう一度占い師を見ると漆黒の瞳でこちらを見ている

その瞳の奥は深く吸い込まれそうだった

「それに気付けなかった彼も、言えなかった貴方も同罪よ」

占い師は黒い服を揺らしながら闇に消えて行った

≪間もなく2番線に普通列車○○行きが到着します黄色い線の内側にてお待ちください≫

感情のない放送が流れていた

「俺も同罪か、そうだよな」




『BADENDはもう終わりにしよう』


私もBADENDが好きです

文章を書くとどうしてもそっちに行ってしまいます


そして安定の短文+物語が飛びまくり

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