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イントロダクション “呪われた祝福” ⑥
「……そいつは……」
なんとも反応しづらい告白を聞いて返事に困る。と、男は……
「そう……俺はこっちに帰って来て一年ほどを過ごしてる。つまり……」
……ゴクッ゙
いつの間にかグラスに注がれていた冷えたビールを呷る……気にはなれず、生唾を飲み込んじまった。
男は言葉を切った後……
おもむろに席の上で身体を丸めて……
「………ククッ………クククックッ」
?
「クグッ クハハハハハハはッ」
何故か……盛大に笑い始めた。
「はっ……はは……ハハハハハハッ」
別に楽しかったわけじゃないが……つられた様に俺の口からも愛想笑いが漏れた。
「あんた……顔が真っ青だぜ? 俺が殺し屋にでも見えたのか? 気分を悪くしたならすまねぇな。こんな与太話をそんなに気にするなんて思わなかったんだよ」
……与太話?
「……って事は……」
「ククッ……なんだよ? あんた……身に覚えでもあんのかい? 殺し屋に……狙われる様なよ?」