22話
「……よく見えてるじゃないか」
そう言ったオレは……塔屋の陰の目立たない位置にセットされたカメラを引きずり出した。
「やはりな。だが……無駄だ。もし私や他の誰かが君の脅しに負けて自白したとしても……こんな違法な手段で入手した証拠が、裁判で採用されると思うかね?」
そう言い放った副頭取の言葉で……カメラの存在を認識した他の奴らも表情を変えた。
「そ……そうだ。私刑による自白の強要など司法が許すはずが無い! だいたいあの証拠映像だってニセモノだろう? 最新の映像生成技術でそれらしく作ったのだろうがワシの目は誤魔化せんぞ!」
すっかり萎びていた部長も威勢を取り戻した。なんともまあ……こんなカメラを一つ見つたくらいでどんな喜び様だよ。
さんざん大物ムーブかましてたくせに……勝ち誇った目でオレを見る副頭取が哀れになってきたぜ。オレは、頭をがリガリかきながら副頭取に言った。
「最初から裁判じゃねーって言ってんだろ。そもそも……オレは司法にお前らを任せるつもりなんざねーよ」
“パチッ”
目の前のヤツらの甘ちゃんぶりにウンザリしながらオレは指を鳴らした。
………………………………ポトリ
数瞬後、副頭取の耳が彼の膝の上に落ちた。
最初、自分の膝の上に落ちたモノを見つけた副頭取はそれが何なのか分からなかったらしい。
顔を近づけ、じっと目を凝らし……落ちた耳の隣に無くなった耳の傷跡から滴る血に気づいて……初めて悲鳴をあげた。
「ヒィィィィィイイイイ!!?」




