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イントロダクション “呪われた祝福” ②

 最初から奇妙な男だった。


 その男はふらっと立ち寄ったバーに居た。カウンタの一番奥……


 薄暗い席に座る陰気な男……


 隠れ家的(スピークイージー)な副都心のバー。行儀良く座って紅いカクテルが満たされたグラスを傾ける男は、これといった根拠も無いのに酷く疲れた雰囲気を漂わせていた。


「お好きな席へ……」


 入り口に突っ立っていた俺にマスタが着席を促す。陰気な男の他に客は居なかったが、そもそもカウンタ以外の席も無い小さな店だ。必然、席の選択肢は少なく、俺は男から一つ空いたスツールに腰を落ち着けてビールをオーダーした。


 意外な事に……話し掛けてきたのは向こうのほうからだった。


「なあ、アンタ一人なら……ちょっとした愚痴に付き合ってくれないか?」


△△△△△△△△△△


「へぇ……その凶悪な邪神とやらを倒したアンタが……なんでこんなところで一人で呑んでんだ? アンタその異世界(?)を救った英雄なんだろ? 普通はみんなにチヤホヤされてお姫様と結ばれ……とにかくウハウハなんじゃないのか?」


「アンタ……フリーのライターって言ってたがアンタの記事は信用できそうだな」


 ………?


「どういう意味だ?」


「創作の才能は無さそうだからさ。少なくともアンタの記事は捏造じゃないんだろう……ってな」


 抜かせ。若造が………いや……ちょっと待てよ。


 コイツ……話の内容が内容だったので若造と思ってたが……いったい幾つなんだ? 


「……ふん。なんとでも言いな。それより……俺の質問に答えてねえぜ勇者どの?」


「……簡単さ。異世界のヤツらは……俺が怖くなったんだ。どんな強固な警備もまるで意味をなさない暗殺者。必中確実な鉄砲玉……まあ、そりゃあそうだろさ。ラノベなんかだとありがちな話だ。ただ、異世界で俺を担当してた女神まで『ちょっと全能神さま!! コイツあたしの手には負えませんよ!!』とか言い出したのには笑っちまったけどな」


 

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