16話
「黙って聞いてれば好き勝手ほざきおって! だいたい……貴様は何の証拠があってワシらを断罪するというんだ?」
おいおい……部長さんよ。
これだけ丁寧に説明してやったのに、まだそんな事を言う威勢があるのかよ?
まったく厚かましい。
「証拠ね……」
(おいクソ邪神、奴らにちっとばかし証拠とやらを見せてやんな)
オレは念話で“異世界の邪神”の成れの果てに指示を出した。
(……了解したのである。神使いの荒いクソ主よ)
ほとんどの権能を刈り取られたとはいえ、ただの人間から見ればまだ幾らかは便利な力を持っている邪神は、この地球でなんとか存在を維持するために俺に使役されているわけだが……生来の口の悪さはどうにもならん。
ま、オレも他人の事を言えたざまじゃぁないがな。
「いいだろう。本当はそんな義理なんぞないが、証拠を見せてやれば少しは口も軽くなるだろうよ」
オレが軽く指を鳴らすと、奴らの眼前に大型スクリーンよろしく映像が浮かび上がった。この世界じゃ空間投影技術はまだ実用段階には至って無いが……邪神の権能ならそれほど難しい事じゃない。
奴ら突然の光景に目を白黒させてるが……特に映像の登場人物である部長は驚愕の表情だ。
『おい……本当に大丈夫なんだろうな?』
『安心して下さい部長さん。たかだか二十歳そこそこの小娘一人に言う事を聞かせるなんて難しい事じゃない。そういうのは我々の得意分野です。それより……報酬の件はしっかり頼みますよ』
『心配するな。表に出せない資金の洗濯なんぞ、銀行にすればそう難しい事じゃない。それこそ得意分野だ』
『結構……これぞwin-winの関係という奴です』
どうだ? もう一人の登場人物……半グレどもの頭との会話は証拠には十分だろう?




