恋
私ってそんなに魅力じゃないもの。
そう思う。そばにいたら分かる。
恋、焦がれるようなそんな人間じゃないって。
そんなたいそうな人間じゃないんだ、
私。あなたに恋をして、焦がれて、
その目で見つめて貰えるなんて思いもしなかったんだ。
教室には、太陽がその光を放って、
空間を美しく照らす。
二河くんは、私の一つ前の席。
二河くんの長い睫毛に、日の光達が纏わりついて、ミュシャの神秘的な絵を思わせる。
私と目が合ってぷにゃあって笑うその顔は、
世界のどんな可愛いもの達より、可愛い。
スーパーキュートな子犬ちゃん、子猫ちゃんも
きっと二河くんの笑顔には、TKO負けだ。
普段は、キリッとしてクールに見える、
鷹のような眼は、デレっと溶けて、
私を見つめる。
プレゼントを貰った子供みたいな
そんな無邪気な嬉しさを表情に感じる。
あなたは世界一素晴らしい、
私は迷いなくそう言える。
でも、私は私をそう言えないんだ。
いつかいつかバレる。私の醜さ。
二河くん、あなたから見た私は、
美しいのかな?不安になる。
私は、あなたの小さな仕草を手に取っては、
嫌いなんだと思って、この世の終わりみたいに落ち込む。きっと私、本当にこの世の終わりが来てもこんなに落ち込まないと思うけど。
そして、やっぱりそうだよね…と安心する。
見慣れない幸せより、よく見知った不幸の方が好きなんだもの。
いつか私は、あなたに思いを伝えられるのかな?もし、あなたが、私に思いを伝えないという選択をするなら、
私は、その選択を大切にしたいの。
私はきっとイカロス。身分不相応に恋なんてして、翼を焼かれて死んじゃうのよ。
二河くんは、初めて見た時、蝶々を捕まえようとしてた。空に向かってその手を伸ばして、複数回切っていた。
私は、唖然としながら、その様子を見つめていた。
楽しいねって笑うその顔がとても眩しくて、
私は恋をしたの。
好き、好き、好き、好き、愛してる。
思わず一休さんが心の中で生まれてしまうくらいには、私、あなたのことが、好き。
二河くんが幸せなら、私二河くんの隣にいなくても、自信をもって幸せって思える。
あなたが好きなこの時間に後悔をしないように、
卒業して二河くんと会えなくなっても
きっと思いは、消えないけれど、
私、ちゃんと、きみのこと、好き。




