料理は愛情?料理のコツ教えます!
トモコのと電話か終わった後考える。
人に話す事で気付く事、考えが思いつく事、纏まる事、自分の感情と、ノリヒトの思い、色々と浮かんで来る。
その中に以前のトモコとの会話に出てきた違和感、彼には恋の駆け引きは通用しない、、、なぜ、あの時そう感じたのだろうか、、、?
今の結果、友達以上恋人未満の関係は、あの時の会話でとっさに思いついた。
そっちの気を取られすぎて、なぜ彼には恋の駆け引きが通用しないのか?の根拠を考えていなかった。
サチ
「これって実はかなりのヒント?」
あえて言葉に出して意識して考える。
サチ
「ひょっとして、、、彼は手に入れるよりも、失う事を極端に恐れている?」
そう考えると彼の何気ない言葉、行動に、一定のプロセスが生まれる。
サチ
「確信は無いけど、かなりいい線だと思う」
そうなれば答えは簡単だ!彼に私は失わない存在と認識させればいいだけ、彼の一番の理解者としてそばにいればいい!!
大丈夫、私なら出来る!絶対彼を私のものにする。
サチは、次の日から料理の勉強を初めた。
古来よりまずは胃袋を掴む!これに尽きる!
一生懸命レシピを見て頑張った!努力した、、、
真の敗北を知った。
どうにか、、、まともそうな塩おにぎり(歪な形のおにぎり)と、卵焼き(味のない卵焼き)を作るのが限界だった。
サチ
「これ?本当に持っていくつもり、、、いや、料理は真心よ!まずは彼の好みを把握しないと!」
強メンタルの彼女ゆえに、なせる事であるが、サチにはある確信を元にした行動だった。
普通の人ならただの嫌がらせと思われてしまう、、、けれど、大事なのは継続、成長過程、それを洗いざらい全てを彼に見せることが、二人の距離を縮めることそう思っての行動だった。
早速、お昼に大学内の休憩所で、ノリヒトに食べてもらうことに。
サチ
「正直に言うけど、、、私料理すごく下手なの、、、でもノリヒト君に食べて欲しくて、、、。」
ノリヒトはおにぎりを手に取り、見つめて考えていた、、、どうすればおにぎりが、こんなピカソの絵の様な形になるのか?
ノリヒト
「独特の造形だね!」
サチ
「うん、お米が熱くて上手く握れなかったから、、、その、、、型取りに入れて、、、。」
ノリヒト
「なるほど、、、それで、今度は、お米がくっついて、にっちもさっちも行かなくなって、この形か、、、実に面白い!」
ノリヒトは笑いながら言う。
サチ
「うん、その下手でごめんなさい、、、。」
ノリヒト
「ううん全然気にしてないよ!味はまぁ〜普通だしね!」
おにぎりを食べながら、そう言うノリヒト、決してお世辞にも美味いとは言わない。
ノリヒト
「この卵焼き、、、味がないね!」
ノリヒトがはっきりと言う。
サチ
「うん、、、いろんな味を試したんだけど、どれも焼くと変な味になって、、、それで卵無くなっちゃって、最後の一つだったから、、、。」
下を向いて申し訳無さそうに言う。
ノリヒト
「なるほど!味付けを失敗するなら、一層のこと、、、味無しでってことか!!うん、面白い発想だね!」
おにぎりと卵焼きだけ、しかも美味しくないと言う出来の悪さ、普通の人なら怒るだろ、、、呆れるだろ、、、でもノリヒトは違う。
ノリヒト
「ありがとう、美味しかった?でも、真心は伝わったよ!」
あっけらかんとした笑顔で言う。
サチ
「ありがとうすごく嬉しい〜!」
ノリヒト
「ところで、さっちゃんは普段料理作らないの?」
サチ
「うん、うちにお手伝いさんとか、いるから、、、。」
ノリヒト
「へぇ〜それはすごいね!そうだ!よければコツとか、教えるよ?」
サチ
「ノリヒト君って、料理するんですか?」
ノリヒト
「まぁ〜料理って結局、化学の実験みたいなものだからね!熱反応、化学反応とか、、、。」
サチ
「そう言われれば、確かにそうですね、コツ、、、教えて!」
ノリヒト
「そうだね、まずは味見だよ!例えば、卵焼き?焼く前に味見した?」
サチ
「ううん〜してない、、、レシピの分量だけ、調味料入れた、、、。」
ノリヒト
「実はね、卵って結構サイズ違うから、レシピ通りだと、上手く行かないことあるんだよね!まぁ〜目安の卵のサイズ書いてあるけど、シンプルな分、ちょっとした分量で、甘くなったり、しょっぱくなったりとかね、」
サチ
「確かにそうだけど、、、。」
ノリヒト
「さっちゃん卵かけてご飯食べない人?」
サチ
「ううん、食べるよ」
ノリヒト
「ほら、なら調理する卵を焼く段階で、味見するんだよ!」
サチ
「あっ!そうか!なんか生で食べちゃまずいと思ってた。」
ノリヒト
「ふふ!実は結構、勘違いしてる人いるんだよね、みんな卵かけご飯は食べるのにね!!
逆に、賞味期限何切れた、卵は危険性が高くなるから、しっかり茹でて、卵サンド、または、炒り卵にした方がいいけどね!」
サチ
「なるほど、、、確かに化学ですね!!
他にもっと教えて!」
ノリヒト
「ふふ!そうだな例えば、おにぎりは、、、」
こんな感じで、サチはノリヒトに料理を教わることとなり、ノリヒト中でも、徐々にサチの存在が大きくなっていった。