これが恋じゃないはずがない
あれからまたひと月がたった。
彼とは、あれ以降話をすることもなく、彼を見てもイライラすることもなくなった。
トモコ
「それでね!うちの彼氏がね、、、。」
トモコが最近出来た彼氏の惚気話をしている。
それを適当に聞き流しながら、ランチを食べる。
トモコ
「ねぇ〜聞いてる?、、、」
サチ
「ちゃんと聞いてるよ!その話もう3回目だけど。」
トモコは余程幸せなのか、大概の話を3回は繰り返す。
トモコ
「サチもそろそろ彼氏作ったら?」
サチ
(はぁ〜、どうして恋の魔法にかかった人は、人にお裾分けしたがるんだろ。)
サチ
「私はいいの、、、今は勉強に集中したいから。」
そういうとトモコはニヤリと笑い。
トモコ
「あんた本当にそう思ってる?
いやね〜!これだからモテる女ってのは、、、常に待ちの態勢だもんね〜!そんなんで意中の人が寄ってくるとでも?」
話の意図が読み取れない。
サチ
「ちょっと変なこと言わないで。」
思わず言ってる意味理解しなまま反論する。
トモコ
「あんた、、、本当に自覚ないの?ここ最近ずっと視線が彼を追ってるわよ。」
トモコに言われて初めて気がつく。
そう言われればなんでだろ。
特に理由がある訳でもないのに、そんな事を考えていたら、、、。
トモコ
「はぁ〜やっぱりあんた幼稚園からやり直したほうがいいよ!」
冷たくそう言われる。
サチ
「なんでよ!ちょっとなに言ってるの?」
今更なにを幼稚園で学べと、バカ言ってるのはどっちよ、、、と思わず言いそうになるが堪える。
トモコ
「あんたは勉強も出来る間違いなく頭も良い、でも肝心なものを学習してこなかった。」
サチ
「なに!そのまわりくどいいかた、、、ムカつく。」
トモコ
「もう一度、自分の心に聞いてみなさい、あんたは女なのよ、それがわからないなら結婚はしないことね、子供が不幸になる。」
そう言ってトモコは席を立って行ってしまった。
サチ
「なによ!教えてくれても、、、。」
サチはそう言いながら、黙々とランチを食べた。
その日の夕方キャンパスの門でノリヒトを見かけた。そして気付く、彼を見ると自然と笑みが溢れることに、けれど、ノリヒトは一人の女性の元に駆け寄り仲良く帰って行った、、、。
その姿を見て自覚した知ってしまった、、、。
サチ
(わたしあの人が好きだったんだ、、、。)